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カスタマーはブランドが提案するライフスタイルに惹かれる

―気になる日本のブランドはありますか?

クレイグ:結構ありますね。ストリートブランドでは〈ソフ〉や〈ビズビム〉。コレクションブランドでは、世界中で評価の高い〈コム デ ギャルソン〉、〈コム デ ギャルソン ジュンヤ ワタナベ〉ですね。彼らが表現する独自の世界観は凄いと思います。あと〈45rpm〉のデニムに対する頑固さも尊敬しています。

―具体的には、どんなところに惹かれますか?

クレイグ:モノづくりに対する想いや、それを作り出すためのコンセプトですね。ひたむきに良いモノを作ろうとする頑固さに惹かれます。あとブランドの世界観を伝えるプロデュース力がありますよね。モノだけじゃなくて、彼らのライフスタイルまでも提案しているっていう。そして、一番大切なクリエーションとビジネスのバランスがとれているところも魅力です。

―なるほど。

クレイグ:今は、クオリティの高い服なんていくらでもある時代じゃないですか。だからこそ、みんなはブランドが創り上げるライフスタイルへのイメージに惹かれるのではないでしょうか。

―憧れですね。

クレイグ:だから僕たちも、これからもっと〈ウィングス アンド ホーンズ〉の世界観=ライフスタイルをアピールしないといけないということが良く分かりました。というわけで、ようやく3月中にウエブサイトをオープンします。

―それは日本語でも読めるんですか?

クレイグ:まずは英語からです(笑)。

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〈ウィングス+ホーンズ〉が提案するライフスタイルのイメージを見ることのできる、ファン待望のオフィシャルウエブサイトが3月下旬公開予定。※画像は現在のもの wingsandhorns.com 

良い"モノづくり"とは作り手の気持ちと努力が大切

―昨年の春夏から、新ブランド〈レイニング チャンプ〉をスタートされましたが、どういったコンセプトで作られているんですか?

クレイグ:自社工場が最も得意とするスウェットやカットソーをフィーチャーしたブランドです。スポーツとストリートスタイルを提案しています。

―〈ウィングス アンド ホーンズ〉とは、別の提案ですね。

クレイグ:そうですね。〈ウィングス アンド ホーンズ〉に比べて、より日常的でヘビーに着られるように新しい生地を一から開発しています。また自社工場では、OEM商品やユニフォームの生産を請け負っているので、その生産が落ち着く閑散時季に〈レイニング チャンプ〉の生産を当て込み、工場で働くスタッフの仕事を安定させることも狙っています。

―だから一年中着られるスウェットやカットソーを中心に作っていると。

クレイグ:あと〈ウィングス アンド ホーンズ〉と同じクオリティで価格を抑えて作っています。そして〈レイニング チャンプ〉というブランド名には"世界一になろう"という意味を込めました。スウェットやカットソーブランドの中で品質、価格帯ともに一番を目指しています。

―ちなみに自社工場で一番こだわっているところは何ですか?

クレイグ:やっぱりクオリティですね。

―それは技術力と良い編み機ということでしょうか?

クレイグ:編み機はちょっと違いますね。特別な編み機というものは無くて、どの工場でもほとんど同じ編み機を使っています。大切なのは作り手側の考え方じゃないでしょうか。どれだけこだわって、良いものを作りたいか。その技術力を高めるために日々努力しているか。それだけで、クオリティは断然違いますね。

―技術者とのコミュニケーションも大切ですよね。

クレイグ:そう、共通した意識を持つ事が大切です。自社工場はオフィスの地下にあるので、いつも顔をあわせてあれやこれやと話しています。

―最後に、今後の展望をお知らせください。

クレイグ:〈レイニング チャンプ〉は、コンセプトを変えたりはしないので、前向きにその道を真直ぐにという気持ちで、世界中にベストスウェットを提供していきたいと思っています。〈ウィングス アンド ホーンズ〉は、お店を作りたいですね。お店があればブランドの世界観をお客さんに直に伝える事ができるので、これは実現させたいです。まずはバンクーバーとトロントに。いつかは......東京にも(笑)。

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〈レイニング チャンプ〉のアイテムは、どれも動きやすく、ゆったりとしたシルエットと豊富なカラバリが魅力。自社工場で生産されているので、クオリティも保証済みです。パーカ各¥16,800

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今シーズンの目玉であるTシャツのプリントに注目! モノクロの水中写真で世界的に有名なフォトグラファー ウェイン・レヴィンをフィーチャーしています。



日本で英語教師として働いていた経歴を持つクレイグさんは、日本語がお上手で、人懐っこい笑顔が印象的。しかし服づくりの話しになると一変して真剣な表情に。そこには、"経営者"と"クリエイター"の二つの顔があるのだと感じました。今年も、彼の動向に期待大です。

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