「オノ セイゲン」 ダウンロードでもジャケット買いはある。

Q.1 今、関わっているプロジェクトを教えてください。

【1】来年すぐ発表する次のアルバム。ブラジルと東京でドキュメントしますが、フルハイビジョン動画部分は、ソニー「NEX-5D」一台のみで撮ります。音は現時点、世界で最高のレゾリューション=5.6MHz で収録。その収録システム構築自体もたいへんなプロジェクトです。
【2】どなたでも無料で参加いただける朝活勉強会「サイデラ・モーニングセッション」で、3Dの音空間、聴覚による空間認識などをプレゼンテーションしています。 音楽が専門でない方にも、CDやBD(Blu-ray Disc)を簡単に制作できるフォーマットを構築中です。興味ある方はお気軽にご相談ください。
【3】 ジャズやロックのバンド、アーティスト本人が作るCDのマスタリングは、つねに多数進行しています。

Q.2 何故今回のイベントに参加しようと思われたのですか

建築家の谷尻誠さんと今年のミラノサローネ『Luceste』で初仕事したことがきっかけですね。谷尻さんの依頼で参加しました。

Q.3 音楽に関わるグラフィックは、今後どのように変化していくと思いますか?

(下記4に同じ)

Q.4 世界的に電子書籍にかわりつつある出版や音楽業界の中で、ブックデザインや、CDジャケットなどのグラフィックは、どういった形で残ると思いますか?

今後も電子書籍でも、プロダクツとしての書籍、CDやBD(Blu-ray Disc)でも、自分も含めてジャケット買いする人は多いのです。ダウンロードにしても、店舗で購入するにしても、グラフィックは、購入動機の3要素のひとつです。だからグラフィックはとても重要ですね。

Q.5 コム・デ・ギャルソンのショウで音楽を担当することが多いようですが、その経験から、音楽とファッションとはどんな関係にあるとお考えですか?また、それはグラフィックにも当てはまるものですか?

映画のように、映像に音がないと成り立ちません。音とはストレートに、あるいは無意識のうちに(映像やファッション、もちろんグラフィックスにも)ある種の"感情"をつけることができます。どんな"感情"をつけるかは、聴かせる相手の社会背景、経験により受け取られ方が違いますから、やり方は無限にあります。

Q.6 ロンドンと東京の共通点と異なる点はなんだと思いますか?

共通点は、多国籍で常に人のネットワークが大切であること、と、その実現力。大きく異なる点は、食事の本質とこだわり。僕はロンドンには住めないと思う。

Q.7 UKグラフィックの特徴とは、なんですか?

この制作チームに参加したのが、ほんの3週間前で実はまだ作品を見てないのでコメントできません。

Q.8 今回このプロジェクトの参加して、感じたことは何ですか?

僕のような年代にとって、PARCOは80年代からカッティングエッジで、入っているテナントさんなんかもファッション最先端というイメージです。このプロジェクトは、PARCOらしいと感じますが、より強くPARCOらしさを、遠慮なくアピールしてよいと思います。

Q.9 今回のコンセプトを教えてください。

谷尻さんからの依頼ですが、このボックスの中央のみで音が聴こえるシステム。そして下の部分は開いているのに外側に音が漏れないこと。 美術館などで同様のシステムを使用している例では、低音がないので、シャリシャリの音なのですが、ここでは2Wayにすることにより、小型スピーカーをハコのモードで共振させることでウーファーの役割をさせて、より自然な音質でお聞きいただけます。

Q.10 最後に、好きなファッションブランドを教えてください

コム・デ・ギャルソン。

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プロフィール
作曲家、録音エンジニア・空間音響コンサルタント。82年の「坂本龍一/戦場のメリークリスマス」にはじまり、渡辺貞夫、加藤和彦、アート・リンゼイなど、 多数のアーティストのプロジェクトに参加。
www.saidera.co.jp/

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洋服が綺麗に見えて誰も聴いたことがない音楽"という、コム・デ・ギャルソンデザイナー 川久保玲の依頼によって制作された企画アルバム。アート・リンゼイをはじめとしたニューヨークのミュージシャンらが参加し、濃厚なサウンドを届けている。

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こちらは、1989年A/Wのショーで使用された音源を収録したもの。20年以上たった今でも、伝説として語り継がれる名コラボ。ファッション好きにはぜひ聞いて欲しい名盤。


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2000年.3月に、青山にあるジャズクラブ「ブルーノート東京」で行われたライブを収めた一枚。音楽家としても、その才能をいかんなく発揮している。