vol.93

ジュンプラグド始動。古くて新しいアメカジを求めて。

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UNPLUGGED=アコースティック。音楽用語が意味する
新しいジェネレーションに向けたスタイルとは。

アメカジを標榜するショップは星の数ほどある。ルミネマン渋谷に4月23日にオープンした「ジュンプラグド」は、これまでの店とはひと味違う。一見、平凡。その実非凡。隠された魅力を探ってみた。

Photos_Masaharu Arisaka[STUH]
Text_Keishi Iwata

ルミネマン渋谷に、またひとつ新名所が誕生。

〈ビルズカーキ(BILLS KHAKIS)〉、〈ギットマンブラザーズ(GITMAN BROTHERS)〉、そして〈ニューバランス(New Balance)〉という往年のアメカジファンから熱烈な支持を受けるブランドの中に、〈エンジニアド ガーメンツ(Engineered Garments)〉、〈サイコバニー(Psycho Bunny)〉、〈ユケテン(Yuketen)〉が差しこまれていく。「ジュンプラグド」のラインナップには今のアメカジシーンを示唆するセレクトが特徴的だ。アメリカ服を扱うショップとして基本に忠実でありながら、どこか普通じゃないこの空気感。まずはコンセプトをディレクターの三代さんに伺う。

「ショップの名前でUNPLUGGED=アンプラグドが意味するものは、音楽用語でいうところのアコースティックであること。すなわち生地のぬくもりやシワが生み出す表情など、そういった温かみのあるスタイルを標榜している表れでもあります。また一方で、アンプラグドとは電気製品を使わずにライブを行う、という意味でサステナブルな生き方。ナチュラル志向を汲み取ろうとしています。オープンニングに合わせ、サンフランシスコにあるブックショップ、「シティライツブックストア」のTシャツやブックバッグを限定で展開しました。いわゆるビートジェネレーションを代表する場所なのですが、あの頃の彼らの世界観やスタイルが今、すごくフィットするのではないかと思っています。1920年代から30年代の激動の時代、若者たちの閉塞感。そこにはシャツを中心にした洗いざらしでドライなガーメンツが似合うのではないのでしょうか」。

オープン時に無数に置かれたハウスブランドのシャツ。洗いの利いたコットンに手刷りのようなプリントでウィリアム・ブレイクの詩がのせられている。"May this will finally take us town IT!!"。この短文にはここが捜し求めていた最後の店であるよう願いをこめる。BDシャツやチノパンはもちろん、タイまでウォッシュをかけ、ドライな質感を生み出す数々の服たち。そこにはアメリカの時代背景やスピリッツを今に照らし合わせた新しいスタイルが見え隠れする。


JUNPLUGGED ジュンプラグド
東京都東京都渋谷区神南1ー22ー11 ルミネマン渋谷店 2F
電話:03-3461-2771
営業時間:11:00~21:00
http://an-web2.junred.jp/news/423-junpluggedopen.html
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アレン・ギンズバーグの著作を輩出したブックショップ「シティライツブックス」のオフィシャルグッズを限定販売。トートバッグとして使える、ブックバッグ。HOWLのTシャツなどマニアならずとも気になるものばかり。
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〈ギットマンブラザーズ〉をはじめ、シャツのラインナップが非常に多いジュンプラグド。トラッドな雰囲気が漂うオックスフォードをはじめ、チェックシャツなど豊富に揃う。
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店頭の一番目立つコーナーに東日本大震災の義援金ボックスが置かれる。またスタッフやクリエーターらの厚意で、チャリティーセールも行われている。
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オープニング時、複数のメディアと多くの人で賑わう。誰もが真っ先に注目したのはチャリティーコーナー。服を買うだけでなく、募金するひともちらほら。
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