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Interview with The D.O.T. The D.O.T.はこうして始まった。

2012.10.12

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昨秋、突如アナウンスされ世界を駆け巡ったThe D.O.T.始動のニュース。The Musicのフロントマンであったロブ・ハーヴェイと、The Streetsことマイク・スキナーによる強力タッグの結成は、それぞれの活動を終了させて間もなくの出来事だっただけに、ファンに驚きと興奮を与えた。そして今夏、彼らはフジロックフェスティバル12'に出演するため苗場に現れた。そこでロブの口から語られたのは、プロジェクト始動の喜びと、新たな刺激を求め続ける彼らの、音楽に対する真摯な想いだった。

Photo_Keisuke Akabane
Edit_Yohei Kawada

The D.O.T ザ・ディー・オー・ティー
ザ・ミュージックのフロントマン、ロブ・ハーヴェイと、ザ・ストリーツことマイク・スキナーによるニュー・プロジェクト。兼ねてから親交の深かった二人が、それぞれのバンド/プロジェクトを終了させ、新たに始動させた。先日、同プロジェクトによる待望の初作品『And That』のリリースがアナウンスされ、ファンの期待は一層高まっている。

昔のように音楽だけというような取り組み方が困難な状態だった。

----The Musicの解散から1年ぶりにフジに帰ってきましたね。あの時と現在とでは、心境に大きな違いがあると思いますが。

ロブ・ハーヴェイ(以下、ロブ): 去年のフジロックのライブ直前は、感極まってというか、非常に感情的になっていたし、いろいろな想いが詰まってしまってヘトヘトだったけど、今回は新しい出発ということで、心機一転、非常に楽しみにしている。去年はThe Musicで続けてきた素晴らしい時代がひとつ終わってしまうということで、とても辛く受け入れ難いものだったけど、今は素晴らしい気分だよ。

-去年のパフォーマンスは多くの人々の目に焼き付いていることと思います。涙を流しているファンも多くいました。彼らに何か一言あれば。

ロブ: 日本のファンというのは、僕らが2002年のフジロックで、初めてレッドマーキーでライブをやったあの瞬間から、自分たちの人生を大きく変えてくれた存在なんだ。それまでは、ヨークシャー州から出て来た4人の若造が、行く末もまったく分からずに、そういう状況のなかで音楽をやっていて。それが、あのレッドマーキーでパフォーマンスした瞬間に「あ、これが自分たちのやり甲斐なんだ」と確信したし、その瞬間を自分たちに提供してくれた、そんな日本のファンの存在というのはやはり欠けがえのないものだと感じているよ。

-では早速、今回のプロジェクトについてお伺いしたいのですが、まずは始動するきっかけからお聞かせください。

ロブ: マイクとは10年以上の友人同士で、フェスでも毎回一緒だったんだ。僕らはマネージャーも同じだったから本当に仲が良くて。僕はThe Streetsの最後の作品にもゲストヴォーカルとして参加していたんだけど、そこでの体験というのは本当にうまくいったし、一緒にやってすごく楽しかった。実際にその後、数曲制作してみて、僕らはもちろん、周りの人々もすごく気に入ってくれたんだ。それで、結局始めることにしたというわけ。

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-まだ始動して間もないとは思いますが、心境はどうですか?

ロブ: 自分としては、音楽を作るということがまた楽しくなってしょうがないね。ワクワクする刺激をまた感じるようになった。10年間同じ曲を演奏しているのでは、ずっとその刺激を維持するのは難しいからね。

-解散の発表後すぐにこのプロジェクトのことがアナウンスされましたね。結成は解散の前から具体的に決まっていたことなのでしょうか?

ロブ: この話には前半と後半がある。まず、2010年辺りから僕個人としてはすごく音楽業界に対して辟易していて、やはり活動そのものに関しても、バンド内のエネルギーや刺激に満足しなくなっていたんだ。若い頃にみんな音楽が好きで始めたものが、成長していくに連れてそれぞれの生活、家庭、友人があって、なかなか徐々に心が離れていってしまった。昔のように音楽だけというような取り組み方が困難な状態だったんだ。これがまず、ひとつ解散前にあった事実なんだ。

-もうひとつというのは?

ロブ: もうひとつは、The D.O.T自体は決してこの先、本格的に活動を続けるつもりで始めたわけではないということ。ただ2人で音楽を作るのが楽しくて始めただけなんだ。なぜなら、僕が音楽をやる理由っていうのは、何かを作るため、そして何らかの形で自分を表現しなければ、いてもたってもいられなくなってしまうという性質だから。それはマイクも同じ。新しいものを表現したい、新しいものを作りたいからやる。だから具体的な目標やゴール、予定というのはない状態から、このプロジェクトは始まったんだよ。

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