ナイキの革新的なサービス「NIKEiD Bespoke」のデザインコンサルタントに インタビュー。
2011.10.10

先頃、ナイキ原宿にて行われていた革新的なサービス「NIKEiD Bespoke」。ナイキ エア フォース 1をデッサンの段階から作り出すという、この魅惑のサービスは大好評のまま幕を閉じました。10万円という高額なスニーカーが、どのように作り出されていくのか。そして、この革新的なサービスの先に見据える物とは。デザインコンサルタントを務めるiZ(イージー)にインタビュー。
Edit_Hiroshi Yamamoto
iZ(イージー)
「NIKEiD Bespoke」のデザインコンサルタント。普段はニューヨークにある〈ナイキ スポーツウェア〉の旗艦店「21 Mercer」に務め、「NIKEiD Bespoke」のデザインアドバイスを担当している。
nikeid.com
―まずは、自己紹介をお願いします。
iZ:ナイキのシニアデザインコンサルトをしている、iZ(イージー)です。普段はニューヨークにあるナイキ スポーツウェアの旗艦店、21 マーサー(21 Mercer)のナイキiDスタジオで働いています。
―「NIKEiD Bespoke」とは、実際はどういったサービスになるのですか
iZ:お客さまと僕の1対1で、自分だけのエア フォース 1を創り出すサービスです。既存のサービスとしてナイキiDがありますが、それ以上に自由度も高く、素材のクオリティなども含めて、総合的にハイレベルな靴作りを楽しむことができます。
―サービスが始まった経緯を教えてください。
iZ:ナイキ スポーツウェアの旗艦店である21 マーサーだからこそできる特別なサービスを、ということでスタートしたのが「NIKEiD Bespoke」になります。特別な場所で行える特別なサービス。だからこそナイキのなかでも特別なモデルであるエアフォース 1を、モデルとして採用しています。
―サービスをスタートさせてから、ユーザーの反応はいかがでしたか。
iZ:とても高額だと......(笑)。確かに10万円は、高額です。けれど、それだけ価値のあるサービスということも断言できます。
―その「価値」というのは具体的にどういった部分になるのでしょうか。
iZ:わかりやすい部分ですと、素材にはとても上質なものを使っています。ナイキのなかでもジョーダン 2で使っていたイタリアの生地と同様のレベルの素材、特別なテキスタイルを数多く取り揃えているんです。そして何より重要なのが、自分だけの1足をじっくりと最高のサービスとともに作ることができる消費体験だと思っています。私自身、90分間のデザインアドバイスのなかで完成までのプロセスを堪能していただけるよう、細やかな接客を行うよう心がけています。
―高額とはいえ、かなり手間もかかるので、ビジネス的には採算が取れるようなサービスには見えないのですが。
iZ:このサービスはビジネスと直結させて考えるようなものではありません。むしろ、マーケットに活力を与えるためのもの。結果として多くの消費に繋がり、ビジネスになると考えています。
―今回、東京で行うことになった理由を教えてください。
iZ:世界のなかでもエアフォース1の熱狂的なファンがいるのが日本だからです。そしてカスタマイズのニーズも非常に高い。そういった背景があるなかで、日本のチームの方々からオファーをいただき、今回の期間限定のカスタマイズサービスを催すことになりました。
―実際に東京でサービスを行ってみて、アメリカとの違いというのは感じましたか。
iZ:国や地域、市場によって商品の売り方も変わりますし、個人の趣向も違います。実際にサービスを行ってみると、他では見られない質感やカラフルな配色を好む方が多いかもしれないですね。
―保守的なイメージの強い日本人も、足もとでは遊ぶ人が多いのかもしれないですね。それでは最後に、この「NIKEiD Bespoke」という革新的なサービスの先に見据えるものはなんなのでしょうか。
iZ:たくさんのアイディアがあります、様々なプロジェクトも進行中です。ただ、まだ具体的に言えることは無いんですよね。来年の春くらいには、お知らせできるかもしれません。楽しみにしていてください。
―なるほど。それはとても楽しみですね! ビスポーク以上に驚きのサービスを期待しておきます!