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ABOUT SQUOVAL. ディレクター坂田真彦が語る〈スクオーバル〉の現在とこれから。

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今シーズンを象徴するアイテム4選。

それでは、今シーズンのテーマを教えてください。

大きく分けると2つあって、まずはミリタリー。ミリタリーアイテムをモノトーンに落とし込むことで、洗練された雰囲気を出しています。そして、2つ目がブリティッシュ。ブリティッシュというとすごく広くて、捉え方次第ではもっとカントリーサイドなテイストをイメージされる方が多いですよね。でも今回のブリティッシュはもう少し都会的です。アイテムとしてはラムのセーターだったり、グレンチェックを使ったものだったり。アウター類も軽くて機能的。できるだけ軽さとか着心地とか、野暮ったさが抜けたブリティッシュを表現したつもりです。

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〈AIGLE×SQUOVAL〉のダウンコート

〈エーグル〉って、何となくレディースのイメージが強い気がするんですよね。でも実は〈ナイジェル・ケーボン〉とコラボしていたり、ちょっと無骨で本格的なモノ作りをしている。そこに共感して、僕らの目指すものをお話したところ、ファーストシーズンからコラボさせてもらえることになりました。そして作ったのが、 “フレンチミリタリー”の特徴であるラグランのショルダーラインを踏襲したダウンコート。ダウンのシェルに少しハリ感を出したかったので、素材にはコットンナイロンを選んでいます。中のキルティングも普通のステッチではなくて、カラコラムと呼ばれる山形のステッチにしたり、両サイドに内ポケットがあったりだとか、機能性とクラシックな要素を入れました。あと、〈エーグル〉はフレンチブランドなので、織りネームにフランスのエアメールを意識したデザインを採用しています。

コート ¥43,000+TAX

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〈SQUOVAL〉のラムズウールニット

今シーズンのテーマ(ブリティッシュ)を代表するのが、このラムのニットです。90年代は日本だけではなく海外のセレクトショップも、カシミアでもシャギードックでもなくて、発色の良いラムのセーターをカラバリで揃えていたんです。それが今の気分だと思っていて。ここ2、3年はケーブル編みのシェットランドセーターのような、プレッピーの流れからくる雰囲気が多かったと思うんですけど、もう少し着心地が柔らかくて洗練されている方が、これからの定番としてはふさわしいんじゃないかな。一見普通の無地のニットなんですけど、素材に柔らかいタスマニアラムを使っていて、フェアアイルニットに見られる“球心編み”を採用することで肩周りの継ぎ目を無くし、丸みのあるシルエットを表現しました。今シーズンは首もとが詰まっていたりボリュームがあるのが気分なので、襟もとのリブを三重で編み立てて厚めに設定しています。

ニット ¥9,500+TAX

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〈GUNZE×SQUOVAL〉のカットソー

春夏はTシャツを展開していた〈グンゼ〉とのコラボの秋冬版として、ロングスリーブでクルーネックとタートルネックの2型を作りました。まずロングスリーブは、見た目はすごいシンプルなんだけど、シングルリブにしています。みんなダブルにしたがるんですよ、シングルだとすぐ伸びちゃうから。でも、シングルの薄さが好きで。それでいてしっかりしたカットソーを作りたかったんです。また、丸胴で編んでいるため、着心地も良いのが特徴。もう一つのタートルネックですが、これを作るにあたって、去年はあらゆるブランドのものを着まくったんです(笑)イギリスものからアメリカものまで。でも素材が繊細すぎて首がすぐ伸びて安っぽく見えてしまったり、逆にゴムが入っていて窮屈すぎたり、なかなか理想的なものが無かった。だから、コットン製でピッタリしているんだけど、伸び感がいいものを目指しました。どちらも気にせず洗えて、汚れたら買い足せるようなイメージ。下着って自分の定番を見つけるのって大変じゃないですか。そういう意味では、仕上がりにすごく満足しているアイテムですね。また、パッケージにもこだわっていて、アメリカ物をアレンジしてデザインしました。僕自身古着屋をやっていたことがあって、デッドストックの〈ヘインズ〉や〈ヘルスニット〉、〈BVD〉って、年代ごとにパッケージがかわいくて。それを〈グンゼ〉にお話して、部屋に置いておくだけでも絵になるようなパッケージを特別に作らせてもらっています。今日も含めて、最近はほぼコレばかり着ていますね。

カットソー ともに¥2,800+TAX

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〈BEGG & CO×SQUOVAL〉のマフラー

これは、「カシミアよりも暖かい」と言われる、〈ベグ アンド コー〉のラムアンゴラというシリーズ。ここ数年は、ストールみたいな大判タイプをグルグル巻きにするのがトレンドだったんですけど、去年くらいからマフラーのボリュームが新鮮に見えてきて。それで、マフラーを別注で作りたいと思って色んなメーカーのマフラーを見たところ、価格もそこまで高すぎず、柄がきれいに出るような糸の質感や毛並みを持っている〈ベグ アンド コー〉を選びました。チェック柄は〈スクオーバル〉のオリジナル。ブランドカラーがネイビーなのでそれをベースに、ポップなイエローをあしらいました。将来的には、このチェックをタータンチェック教会に申請したいと思っているんです(笑)

マフラー ¥13,000+TAX

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