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vol.4

New Balance CM999

ニューバランス99Xシリーズの真打、
999 FERAL CREATIONのキーパーソンを直撃

昨年の576メモリアルイヤーに続き、今年は99Xシリーズが数多くフューチャーされました。その大トリとして登場したのが、アジアパシフィック企画の999です。並々ならぬ情熱と努力で誕生したこのプロダクトに関わった、当事者の方々にその思いを聞いてきました。

日本とシンガポールのスニーカーカルチャーが邂逅

―このプロジェクトが始まった経緯を教えていただけますか?

アンソニーさん(以下アンソニー、敬称略):今回ので初めて会ったのではなく、今までも「ミタスニーカーズ」の国井さんとは香港や上海でのレセプションで仲良く交流させていただいてました。昨年のアジアパシフィックで、そのフレンドシップを発展させてアジアから世界へ向けたプロジェクトを進めたいという思いからスタートしたといえるでしょう。

国井さん(以下国井、敬称略):リレーションシップから生まれるスタンスは最初に会った時から変わってないんですよね。ただ、日本とシンガポールという両国でプロダクトを作るというのは初の試みでした。

―2つの国を跨いだプロジェクトに戸惑いなどはなかったのでしょうか?

国井:スニーカーというのは出自が運動靴です。欧米に代表される国々は、どうしてもスポーツカルチャーがメインになってきます。ところが日本はアイテムとしてのスニーカーだけでなく、背景にあるサブカルチャーがフューチャーされて構築されている面が特異ですよね。そういった部分がシンガポールの市場と似てるように感じてましたし、共感を持てたのは大きいと思います。

アンソニー:日本のシーンを見て感じるのは、カラフルで若々しい印象です。実際に日本のストリートを見てて思うのは個人が本当に個性を持っているというところ。シンガポールにはない新しいカルチャーが日々生まれているという勢いのようなものを感じさせられます。日本は基本的に同じ言葉を話し、人種も1つですがシンガポールには多くの人種が入り交じっています。バラバラなカルチャーが混在し、バラエティがあるという部分も日本の雑多な感じとリンクする部分はあると思いますね。

―今回、数多くの品番がある中で99Xシリーズをベースにしたのはどんな理由からですか?

正能さん(以下正能、敬称略):昨年は576が生誕20周年ということで、様々なプロモーションを行ってきました。そして昨年末には900番台のフラッグシップモデルである993が登場しました。それに合わせて今年バリエーションを豊富に900番台のモデルを数多く展開させていただいていた流れもあると思います。999にした理由の1つとしては、末尾の番号が一巡した後のセカンドジェネレーションということもあり、昨年576で示したのとは異なるサイドのスモールNを打ち出していきたいという考えもあったと思います。

国井:996のように誰もが知る名品番でいこうという気持ちはなかったですね。知る人ぞ知る、通好みの品番でやることの意味というのも感じてましたし。昨年の8月に始まったプロジェクトですが、まずは動物をスニーカーに落とし込むというアイデアが出た時に〈ニューバランス〉ならではのヘリテイジ感を象徴するグレーというカラーが念頭に浮かびました。それを日本でイメージするとネズミになったんです。都会のアンダーグラウンドに生息し、アウトローで力強い動物ですからね。僕が働くショップも上野のアメ横という、キレイに整っている街ではないという部分も地下のイメージを喚起しやすかったんだと思います。 


ローンチパーティー会場だったセルリアンホテル内にあるカフェにてインタビュー。リラックスした雰囲気で進みました。

ローンチパーティー会場だったセルリアンホテル内にあるカフェにてインタビュー。リラックスした雰囲気で進みました。

イベント時の会場内はNBの歴史を辿れる内容となっていました。

イベント時の会場内はNBの歴史を辿れる内容となっていました。

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