ネガティブな状況だからこそポジティブになれる

―ファッション業界に限らず、今は世界的に見ても決して楽観できるような状況だとはいえないと思います。そんな中で久しぶりに大きなニュースというか、オープニングセレモニーの日本進出は喜ばしいことだと思います。精力的に次の一手を考え、行動する原動力というのを教えて下さい。

フンベルト:不況の中だからこそ新しいアイディアが生まれる部分はあると思います。今回も日本の多くのバイヤーや関係者からの激励メールをいただきました。例えるとすれば、ニューヨークでは911の直後に開店したんです。深い闇の中にある一筋の光を辿っていくのは困難かも知れませんが、それを信じると必ず良い結果になると確信しています。
キャロル:誰もが考えつかないことや、やりたがらないことにこそ光はあるのかも知れません。オープニングセレモニーを通して様々な体験をしてもらいたいという思いや哲学が、クリエイト面での原動力になっているのではないかと思います。
ーここ最近、個人的に気になっているような事柄はありますか?
キャロル:ハマってるのはクロスステッチですね。
フンベルト:概念的なものになってしまうかも知れませんが、若者がIT関連や宝くじなどで急に大金に手を出した時にする服装に注目しているここ最近です。周囲の友人にも、『もしそういう連中がいたらどういう格好するかな? そんなイメージでコーディネートしてみたらどうかな?』と提案してるんですよ。初めての大金だから故に、間違ってるくらい高いジャケットと親に買い与えられ元々持っているスニーカー等をハチャメチャに組み合わせているようにみえて。その考え方を取り入れて、例えば〈ニューバランス〉のスニーカーやドレスパンツなんかを合わせて、トップスはジャケットだろうかパーカーだろうかといったことを考えるのを楽しんでます。

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オープン前日には関係各位を招いてポットラックの世界観を示しました。これからは渋谷の名物スポットとなるでしょう。

―最後にベタで申し訳ないのですが、日本のファンへのメッセージをお願いします。

キャロル:あらゆる事象にオープンになって興味を持つことが大事だと私は考えています。何か新しいものや、何か違うものを発見しにオープニングセレモニーやポットラックに来てみてください。
フンベルト:自身で体験することが財産になるので、僕らが提供する世界観も、その体験の1つにしてもらえたら喜ばしいです。美味しいコーヒーもありますしね。

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