Q.1 今、関わっているプロジェクトを教えてください。

Jon：僕たちは今いくつかの異なるプロジェクトを平行して手掛けている。Sony Music のUKダブステップグループMagnetic Manのアルバムパッケージ、Lo Recordings のHatchbackのニューアルバム、携帯電話会社のスクリーングラフィックのプロデュースなどが進行中で、ハイファッションのアパレルショップ向けのニュースペーパーの仕事を始めようとしているところ。またiPadの壁紙アプリGranimator向けにNon-Formatスペシャルデザインパックを提供した。

Q.2 音楽に関わるグラフィックは、今後どのように変化していくと思いますか？

Kjell：音楽のパッケージとして、印刷がその役割を終えようとしている。必然的に、より面白く表現豊かなデジタルパッケージにシフトしていくだろう。僕たちは、そこに変わらず音楽とイメージ、音楽とデザインの密接な関係が続いていくことを望んでいる。

Q.3 世界的に電子書籍にかわりつつある出版や音楽業界の中で、ブックデザインや、CDジャケットなどのグラフィックは、どういった形で残ると思いますか？

Q.4 なぜ、作品を作るのですか？

Kjell：誰かが求めてくれる限り、僕たちは制作しつづけるよ。

Q.5 もし、今PCがなくなったら、あなたはどんな方法でデザインワークを行いますか？

Kjell：それは僕たちにとって致命的なことだけど、多分誰もがそうだだろう。学生の頃のように、コンピューターなしで仕事をする方法を探すと思う。でもコンピューターがないということは、EメールやSkypeも使えない。僕たちは4000マイル離れたところでそれぞれ活動しているから（彼ら2人はロンドンにスタジオを構えるのやめて、今はそれぞれ別の場所に拠点を置いている）、Non−Formatが活動して行くうえで非常に重大な問題だ。コンピューターはただ仕事をするための道具というだけでなく、アメリカとノルウェーに拠点を置く僕たちにが一緒に仕事を続けていくための道具でもあるから。

Q.6 ロンドンと東京の共通点と異なる点はなんだと思いますか？

Jon：ロンドンと東京は、2つの国が持つ魅力的で活気のあるクリエイティブ産業を代表する都市だ。UKはクリエイティブの面での革新性を強く推進する文化を持ち、常に"次の新しさ"を探し続けている。日本も同様に、いつも未来に期待しているように見える。両者はその点で間違いなく似ているし、すごくリスペクトすべき部分だ。

Q.7 UKグラフィックの特徴とは？

Jon：UKは世界中から思想が集まり、それらが融合したるつぼのようなもの。アメリカよりもその傾向が強いと思う。なぜならUKはすごく小さい国で、ひとつの考えがあっという間に国全体の認識として広がる。UKのデザイナーは、ある種のルールや作法を作ることが好きだし、それは彼らが捨てようとしているものや次第に失おうとしているものを正確に知ることにつながっている。僕たちはもう2人ともUKに住んでいないのに、UKのデザイン作法が身に付いたままだ。そしてそれはいつまでたっても変わりそうにない。

Q.8 グラフィックデザインとファッションは、どんな関係にあると思いますか？

Kjell：グラフィックデザイナーにとって、ファッションは大きな表現領域を与えてくれるものだ。たいていの場合、ファッションは常に新しさと刺激を求めるいるものだから。グラフィックデザイナーがチャンスを逃さず、そしてファッションデザイナーが有益なコラボレーションの可能性を理解しさえすれば、両者は極めていい関係を続けていけるはずだ。

Q.9 アパレルの広告、ブランディングを手がける際、どんなロジックで作り上げるのですか？

Jon：そのアパレルブランドが、誰に最もアピールしたいのかを僕たちは理解しようとする。それは統計や売り上げのグラフから導くというよりも、直感と感情から導かれるもの。僕たちは自分たちの直感を信じている。

Q.10 最後に、好きなファッションブランドを教えてください

Kjell：たくさんのファッションブランドの中からフェイバリットを選び出すのは難しいよ。でもここ数年、Karl Lagerfeldというデザイナーには常に注目してきた。彼のスタイルはとても　"Non-Format"だと感じるから。