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日本から受けた影響を大いに語る

-コレクションのスタイリングやディテールへのこだわりなど、今までの経歴の中で実現されてきたことが、すごく「日本的」な気がするのですが。日本のファッション シーンを意識していましたか?

TS:日本的なテイストを感じ取れるのは、その通りだと思います。〈J.クルー〉に在籍していたときは、少なくとも年2回はサンプルの買い付けや、リサーチも兼ねて日本へ来ていましたし。日本の素晴らしいところは、色々なエレメンツをひとつの形に落とし込む才能に優れ、環境も整っているところ。そこには感動し、自分にとって日本というのは大きな存在ですね。

-〈J.クルー〉時代に、〈タイメックス〉や〈レッドウィング〉、〈オールデン〉などに着眼したきっかけを教えてください?

TS:直接のきっかけとなったのは、自分たちが越えることができない本物なら、そこと一緒に作ろうという発想からですね。

-今回、オックスフォードのシャツ地が日本製とのことですが、生地探しに訪れたりもしているのですか?

TS:〈ラルフ ローレン〉や〈J.クルー〉時代に培ったソーシングやネットワークを駆使した結果、生地・生産などにおいてベストなものを手に入れる方法は熟知しています。

-ファーストシーズンのラインナップとしては、非常にバランス良いアイテム数に仕上がっている気がしますが。

TS:ありがとう。満足いくコレクションに仕上げられたのは、20年間アメリカのトップであるブランドで仕事することが出来た結果だと思います。

-アイテムによって生地や生産国が異なったりと、その辺の管理は大変ではありませんでしたか?

TS:これも20年間の経験が、後ろ盾してくれていると思いますね。ただ一番大変だったのは、ファーストコレクションだったので、オーダー数や内容も未知の世界ですし、工場との折衝や交渉が大変ですね。それは、これからもですが。

-それぞれにそれぞれの想いが込められているとは思いますが、とくにオススメのアイテムはありますか?

TS:どれかひとつと言われれば、コットンナイロンのトレンチコートですね。

-どの辺がポイントですか?

TS:トレンチコートとというのは、年齢を問わず着ることが出来るアイテム。この昔からのトラディショナルなアイテムを、アップデイトし、モダンにアレンジすることに注力しました。生地であったり、シルエットであったり、フィットなど。さらにライニングをどうするか、着脱可能にするのかなど、シンプルなアイテムの中にいろいろな要素が複雑に詰め込まれています。それが上手く、自分の思った通りに仕上げることが出来、とくに〈トッド・スナイダー〉が掲げるテーマを体現できたと思っています。

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デビューコレクションのラインナップを前に。型数やカラーバリエーションなど、とてもバランス良い仕上がり。

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手作業でつや出しされたレザージャケットは秀逸。取材前には、各スタッフの試着合戦が始まりました。

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イタリアンカシミアのセーターなど、ニット類も豊富。モダナイズされたシルエットで、着心地も抜群です。

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イチ推しのトレンチを使用したルック。ナイロン製で適度に雨を除け、着脱可能なライニングで防寒性も◎。

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