vol.90

次は彼だ!! 注目のトッド・スナイダーを徹底解明。

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NY発、期待の新生トッド・スナイダーが
デビューコレクションについて大いに語ります。

〈J.クルー〉時代、あのリカーストアの立ち上げなどで大成功を収め、メンズデザイン担当上級副社長にまで上り詰めたトッド・スナイダー。しかし、長年の夢である、自身のレーベル設立のため2008年に同社を退職し、充電期間に突入。誰もが待ちわびていた彼のデビューコレクション〈TODD SNYDER〉を、今年2月ニューヨークコレクションにおいて披露しました。
学生時代よりテーラーなどで服づくりの基礎を学び、〈ラルフ ローレン〉、そして〈J.クルー〉にて経験を積み上げ、齢40にして立ち上げた自身のレーベル。もちろん、過去の実績から注目度の高さはピカイチ、世界の名だたるショップでの展開も決定している模様。
アメリカンスタイルの再燃も、少し落ち着いてきた観のあるニューヨークから、再びブレイクを巻き起こしそうな超新星の登場。今回はデザイナーへのインタビューから、ファーストコレクションのルックブックの紹介まで、新生トッド・スナイダーを徹底解剖します。

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〈トッド・スナイダー〉がデビューするまで

-2011年秋冬をブランドのスタートシーズンに決定したのは、なぜですか?

トッド・スナイダー(以下 TS):子どもの頃から自分の名前を冠したコレクションを始めるのが夢でした。小さいときから〈ラルフローレン〉に対する憧れが非常に強くて、その気持ちがやっと今になって叶ったという感じです。

-2008年に〈J.クルー〉を退社なさってから今までの2年間が、準備期間という感じですか?

TS:その通りです。少しでも完成度の高いコレクションに仕上げるために、この2年を費やしました。

-〈トッド・スナイダー〉というコレクションをスタートさせるときに掲げたコンセプトを教えてください。

TS:この2011年秋冬がデビューコレクションになるのですが、ブランドとしての根幹になり、つねにテーマとなり得るのは「ブリティッシュ・テーラリング」と「アメリカンクラシック」の融合です。その上で、いかに本物の部分は壊さずモダンにアップデイトし、僕らしくアレンジしていくかを意識しています。今回とくに最初のシーズンですので、これらを強く表現しています。

-「ブリティッシュ・テーラリング」に興味を持たれたのは、いつ頃ですか?

TS:昔から祖父に「身のこなしに気を配りなさい」と言われ続けており、そのせいあってテーラリングへの関心が高まった気がします。

-では、子どもの頃からジャケットを着ていた?

TS:小さいときから身なりを美しく整えるということには注意を払い、興味もありました。当時から洋服に対する関心が非常に強くて、学校在学中から洋服メーカーに入って、パターンを引いたり、ソーイングをしたり、アルバイトもしていましたね。

-それは、いくつぐらいの話ですか?

TS:もともと出身がアイオワ州なんですが、アイオワ州立大学に通っていまして、その頃ですね。ちなみに、大学卒業するまでは州の外にすら出たことがなかったんです。

-意外ですね。では、大学時代まで過ごしていたアイオワ州時代は普段どんな服を着ていましたか?

TS:基本的にはヴィンテージですね。リーバイスなどのヴィンテージが多かったのですが、歴史的価値があるものというより、昔から履き続けてきたという意味のアイテムが多かったです。当時から一番興味があったのはやはり〈ラルフ ローレン〉。冷やかし程度ですが、大学の時はベストドレッサー賞を貰ったりもしました。

-片鱗はすでに、当時から。

TS:それで大学を卒業してニューヨークに移ってから、いろいろと世界各国を廻るようになって、一番最初に訪れた海外がロンドン。それも影響して、ロンドンという街に対する憧れが強くなりました。これが、僕のブランドの基軸である「ブリティッシュ・テーラリング」に結びついています。

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トッド・スナイダー
アメリカ・アイオワ州生まれ。テーラーなどで服づくりの基礎を学んだのち、〈ラルフ ローレン〉にて研鑽を積む。その後、〈J.クルー 〉のメンズヘッドデザイナーに就任。同ブランド初となるテーラードの提案や、さまざまなブランドとのコラボなど、次々と革新し、一躍注目を集める。2008年クリエイティブディレクターとして同社初となるメンズストア「The Liquor Store」をニューヨーク・トライベッカにオープンさせ、大成功を納めるも、自身のレーベル設立準備のために同年退職。2011年2月、 2011FWニューヨークコレクションにてデビュー。

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この日もテーラードジャケットを、ヴィンテージの軍パンでドレスダウン。センスの良さがにじみ出ています。

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