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ヴィンテージ・クロージングの魅力を伝えることができる。

ー壮大な男のロマンですね。「男のロマン」という意味ではブランドを立ち上げるというのも、とても夢があります。ブランド〈ヘラーズカフェ〉をスタートした経緯を教えてください。

ラリー:そもそもは、私自身がヘラーズカフェのパートナーであるウエアハウスの物作りのこだわりに感銘を受けたのがキッカケです。彼らのヴィンテージ・クロージングに対する造詣の深さは、他のブランドとは比べものになりません。糸や型から作り起こしているのが、リ・プロダクトされたアイテムから見て取れますからね。

ー古着のディーラーとして名を馳せるラリーさんから見ても、凄いんですか?

ラリー:もともとウエアハウスの方とは面識はありましたが、アイテムの完成度を目の当たりにして、思わず自らコンタクトを取ってしまいましたからね。それほど作り込まれているし、ヴィンテージ・クロージングに対するリスペクトの気持ちも伝わってきます。で、自らコンタクトをとって「何かをやりましょう」と。

ー両者のヴィンテージ・クロージングに対する想いがカタチになったのが、ブランド〈ヘラーズカフェ〉ということですね。ちなみにブランド名の由来は何なのですか?

ラリー:私の祖母の旧姓である「Heller」に因んで名付けました。実際に祖母は1920年代に同名のカフェを営んでいて、当時の写真をよく見せられていたんですよね。多くの労働者が通い詰めていて、彼らのスタイルがまた格好良くて。そういえば今回のエキシビションで展示しているエプロンは、その店で実際にウェイトレスが使っていたものですよ。

ーちなみに古着のディーラーとして既製服を手がけることに抵抗は無かったのですか。

ラリー:抵抗はありませんでした。というのも、ウエアハウスという強力なパートナーがいますからね。彼ら共に物作りをすることで、ヴィンテージ・クロージングの品質、美しさ、面白さをきちんと伝えることができる。

ーそれでは、服を作るうえでこだわった部分を教えてください

ラリー:私が持っているアーカイブの本質を、きちんとリ・プロデュースすることに神経を注ぎました。過去の貴重な資料を、多くの方々に正確に伝えられなければ、意味が無いですからね。それと、現代のファッションとして成立することも重要です。

ー実際、〈ヘラーズカフェ〉のコレクションは、J.クルーなどで取り扱われているそうですが。

ラリー:J.クルーのようなメンズファッションに対する確固たる哲学を持ったショップが、〈ヘラーズカフェ〉に興味を持って頂き、好意的な評価を頂けたことは素直に嬉しかったですね。

ーブランドとして、どのように成長させていくのか。展望などはあるのですか。

ラリー:これまで同様に真摯に物作りを続けていくことが重要だと考えています。そして、私自身が古着のディーラーとして、素晴らしいアーカイブを見つけ出し続けることも大切です。つまり、大きな展望を掲げるのではなく、将来に向けて真っ直ぐに進むことが、ブランドの成長に繋がるのだと思います。

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最新コレクションについて伺うと、素材や風合い、デザインにシルエットなど、饒舌に語ってくれます。

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ブランドのパートナーである〈ウエアハウス〉。取材当日は合同でエキシビションを開催していました。

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ブランド名の由来となったカフェで使用されていたエプロン。当時の時代背景が垣間見られるデザイン。

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