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たかが衣料品を、芸術品として紹介してきました。

ー今回のエキシビションでは、『キング・オブ・ヴィンテージ VOL.Ⅱ』のサンプルも展示されていましたが、そもそもこの本を作るキッカケはなんだったのですか。

ラリー:アメカジや古着に造詣の深いフォトグラファー、田中凛太郎さんのサポートによって実現したのが、この本です。たかが衣料品である古着を、私たちは常に芸術品に近しい感覚で見定め、紹介してきました。それが正しい視点とは言いませんが、そういった視点を知ってもらうことを目的に製作したのが『キング・オブ・ヴィンテージ』になります。

ー洋服という消費されていく物を、アーカイブとして残していく意味や意義はどうお考えですか。

ラリー:今お話ししたように、この本の目的は歴史を振り返ることではありません。そして、私は歴史家ではなく、あくまでもビジネスマン。ヴィンテージ・ウェアを愛していますが、歴史を語るために収集したことはありません。書物として歴史の断片を残す、というのはこの本における大きな焦点ではないんです。

ー実際に『キング・オブ・ヴィンテージ』の第1弾は大好評だったと伺っています。一般的にはとてもマニアックな内容のこういった本が、人気を博した理由はどうお考えですか。

ラリー:古着のディーラーという仕事は、何がレアで、何に需要があるのかなど、市場を把握することが大切です。特に私の顧客となるコレクターの方々は、これまで市場に出回っていない物を求めてきます。そして私はその要求に応え続けてきました。つまり、需要と供給のバランスを熟知していれば、例え内容はマニアックでも、届くべき人に伝えることができる、と確信していました。

ー最新作はどういった内容になるのでしょうか。

ラリー:今回はヘラーズカフェと同様に「BROWN&GREEN」がテーマになっています。秋冬のコレクションの原型となったアイテムの数々に加え、テーマに沿った貴重なアイテムをチョイスして、掲載しています。

ーそれでは最後に本の完成の心待ちにしている読者の方々にメッセージをお願いします。

ラリー:こういった本を通して、私のヴィジョン、そして古着への解釈、情熱を理解して頂き、多くの方々にヴィンテージ・クロージングの魅力を伝え、浸透させることができれば、と考えています。まもなく完成予定なので、楽しみにしていてください。




『King of Vintage VOL.Ⅱ』
¥5,250
ページ数:160
言語:英語
初版部数:5,000部(国内販売3,000部限定)
発売日:2011年9月3日予定(日本先行販売)
問い合わせ:ウエアハウス恵比寿店
電話:03-5457-7899
www.ware-house.co.jp

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『キング・オブ・ヴィンテージ』の最新作の色校正。貴重なコレクションがズラリと掲載されています。

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こちらは第1弾。ちなみに第2弾の発売と同時に再版の可能性もあるとか。気になるところです。

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