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ハラダユウコArchive&Style Shop Press1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。www.archiveandstyle.com

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ハラダユウコ
Archive&Style Shop Press

1971年2月東京生まれ。アメリカ、ヨーロッパを中心に幅広いジャンルと年代からバイイングされたUSEDやデッドストックを扱う古着屋「アーカイブ&スタイル」のショッププレスとして、古物をこよなく愛する日々を送っています。
www.archiveandstyle.com

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Pea Coatについてでも。。。

2010.12.17


やっと冬らしい寒さになってきたので、
そろそろアウターの話でも続けていこうと思います。
何故か?Pea Coatは毎冬、人気がありますし♪
DSCF8916.JPG
↑こちらは 袖口から少し上のステッチがダブルになっている 60'S の8ボタン物。
ポケットの中はコーデュロイです。


ハラダの超個人的感覚ですが、
日本人ほどPea Coatを好んで着ている人たち、
まず、いないんじゃないか?と思うほど、
服好きな人なら、一度は袖を通した事があるアウターかも??!しれないなぁ???
と、思っております。
かく言う自分も、BOYsの民間P-Coat着用しております。
昔、GAPの子供用のも着ていました♪あれは確か、フリース素材だったかな?

DSCF8918.JPG

で、その、Pea Coatですが、
語源は、もう有名だから知っているよ☆と、言う方も多いでしょうが、
ま、一応、説明させてください。

DSCF8919.JPG

英語表記では、Pea Coatと書いたり、
略してP-Coatと書く事が多いPea Coatですが、
元々は、
オランダ語ラシャのコートを意味する 、
pij jekker(ピーエッケル) が語源と言われています。

DSCF8921.JPG

Pij(ピー)とは 、
粗悪なウールの繊維をスチームなどを使って縮絨加工したウール織物を意味していて、
縮絨加工とは、ウールの繊維に熱を加えることによって、
縮めて丈夫にし、雨風などを通しにくくする効果があります。
ツィードのジャケットの大きめサイズをわざと、洗って乾燥機にぶち込むと縮絨っぽくなったりしますがあんな感じですね。)

DSCF8922.JPG

ちなみに、軍服として大量生産しなければいけないPea Coatは、
コストダウンの為に、
再生ウールと呼ばれるウールのくずを集めて縮絨加工した、
安価なウールが仕様されているといいます。
1930年代1940年代に製造されているPea Coatは、
それ以降のモノとウール生地の感触が全く異なるので、
その点がなぜなのか?細かいことは、ハラダには、
ちょっと分かりかねるのですが。。。。
再生ウールの原料となったくずウールのクオリティに差があるのかもしれません。

DSCF8923.JPG
(こちらは民間のBOYsデッドストックです。女性におススメサイズです☆)

そして、
jekker(エッケル)の部分は英語で言うジャケットを意味します。
つまり、
Pea Coatとは、
粗悪なウールを縮絨加工してつくったジャケット」となるわけですが、
もともとは、どんな人たちが着ていたか?と言うと、
主に、
オランダやイギリス、フランスのブルターニュ地方の漁師が着用していたものが、
イギリスに先駆けて一大海洋国家だったオランダ海軍や
海洋国家として同じく名高かったイギリス海軍の軍服として、
そして、のちにはアメリカ海軍の軍服として、採用されていったのだそうです。
オランダとイギリスは、英蘭戦争で、
長い間、敵対国の関係にありましたから、
その点からも、
互いの軍装備なども、広まっていっているのかもしれませんね?!


んで、私たち古着屋が扱うPea Coatといえば、
やはり、US. Navy=アメリカ海軍Pea Coatが、
主流になるかなと。
US. Navy Pea Coatのデザイン的な特徴といえば、
まず、アンカーマークのボタンですよね。
このボタンは1930年代までは主に樹脂(ベークライトなど)素材のボタンが仕様され、
ボタンのデザインもアンカーマークの周りに13個の☆(通称13スター)マークが、
刻まれています。この13スター30年代には姿を消していき、
1940年代にはアンカーボタンが10個つき、チンストラップを伴うデザインに、
そして50年代後半から8個ボタン&チンストラップなしへと、
少しづつ、変化していきます。
着丈は、お尻が隠れる長さとなっていて、
これは、厳寒の中でお尻を冷やすと疲れやすくなるとの理由から、
船上での活動の妨げにならないよう配慮されているそうです。
フロントが完全な両前仕立てになっているのは、有名ですが、
風向きが変わる船上での左右からの防寒の為。
襟が大きいリーファーカラーになっているのも、
防寒と、波風の音がうるさい中でも、
襟を立てれば人の声や笛の音が 聞こえやすくする効果があるといいます。


海軍以外で、着用されている所として、
たぶん、あまり知られていないのは、
アメリカの刑務所で、囚人の冬場の作業着として、
海軍の中古のPea Coatが支給されております。
そんなわけで、
本国アメリカでは一般的にあまりイメージのいいアウターではないらしいのですよ。。。

でも、
そういった歴史的背景や、
本国ではどのような位置にあるものなのかを、
理解した上で、自分なりのお洒落に取り込んでいくという、
ミックスの感覚は日本人が一番得意なんじゃないかと、
ハラダは思っております。

そんでもって、
世界中の国を旅したことがあるわけじゃないですが、
個人的には、日本人いっちゃんお洒落なんじゃないか?
と、思っていたりします~♪
なんのこんきょも、きょんこもないんですが(笑)

お店には写真のPea Coat以外にも、
アウター&冬服、いろいろ入荷してきたので、
週末、よかったら、遊びにきてください☆

こちらは、
再生ウールじゃなくて、
再生フェルトからつくった完全なブート(笑)

DSCF8793.JPG

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CDや文庫本入れに使うつもりです~♪


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