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石光 史明VISUAL CONNEXION C.E.ONY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪visualconnexion.com

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石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O

NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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Eat good, eat bad...

2011.02.15

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僕が良く訪れる地方の町にとても美味しいと評判の精肉店があります。

もちろん特別な高級店という訳ではありませんが、地元特産の牛肉を始め、馬、豚、鶏など、別荘地という事もあってバーベキューやお土産用に比較的高級な食材が売れているように見受けられますが、普段使いのものも充実した、駅前にポツンとあるようなお店。

そこから15mほど歩いた所にに大手スーパーもあるのですが、その他の商店(とは言っても薬局と酒屋くらいしかありませんが)と違って淘汰される事なく、独自の品揃えで健闘しているというよりは、どちらかと言えばそれなりに繁盛しているお店。

その証拠という訳ではないでしょうが、何年か前に訪れた際に店主から「近くに焼肉屋さんをオープンしたので宜しかったら是非」とのお知らせを頂いた事があります。

正直そこで肉を買って焼くのが楽しみでその地を訪れていた...と言うのは言い過ぎかもしれませんが、無類の肉好きの僕からすればあながち嘘でもないので、わざわざ自分で買って準備をしなくてもそこに行けばそのお店のお肉が食べれるとくれば飛びつかない理由がないという事で、早速訪れたのですが結果は撃沈。

焼肉なんて肉が命って思う方も多いと思いますが、僕からすれば塩胡椒以外で食べるとすればタレが命。だって高級店や精肉店が経営しているとなれば、肉が良いのは当たり前なんですから。

で、ここはその肝心なタレが美味しくないばかりか慣れないのを良い事に注文を取りに来るのが遅いしなかなか出て来ないという、好みという枠を超えて商売として成立していない。言うまでもなくその後2度と訪れる事はありませんでしたが、これは偏見と言われかねないので誤解を招かないようにしたいのですが、比較的地方でこの傾向が見受けられる気がしてなりません。

つまり、「良いもの=美味しいもの」という図式。
もちろん「素材」という事に限って言えばそれはあてはまるでしょう。

ただ別にそこまで素材にこだわっていなくても、独自の味付けと店主の人柄によって「どこよりも美味しい」と思えるのではないでしょうか?

分かりやすく言えば、B級グルメというのはあくまでもカテゴライズであって、その味と努力が決してB級なわけではない。ただその事を勘違いしているところが非常に多い気がするし、これは地方に限らず、例えば都心にある最近流行りのマクロビ風?レストランなんかもそう。

「採れたての産地直送のお野菜をあっさり炭火で焼き上げました」って、お前それは料理じゃなくて調理だろうと。それにひと工夫加えて初めて料理になるのに。

以前札幌で訪れた小料理屋での事。「お兄さん、この蟹食べてみて!今朝採れたばかりだから!」って札幌に来る人間は誰もが蟹好きだと思ったのか、蟹嫌いの僕に有無を言わさず食べさせるだけでは飽き足らず「さっと炙っただけど甘くて美味しいでしょ?」って、それどこにお前の腕が振るわれてるんだよと...これなら市場で買ってその場で炙るのと何が違うんだよって。

結局の所、僕の外食の概念のというのは高級かB級かは重要ではなく、相手の好みを理解できる柔軟な態度と気遣い、供し方、そして何よりも店主やお店の人とのやり取りを楽しむと言うものなんだと思う訳です。

じゃなきゃ町の定食屋さんなんて成立しないでしょうに。

外食なんだから美味しいのは当たり前。それが産地だったり高級店ならば素材が良くてなおさら。それがないのであればこだわりの精肉店や八百屋さんで美味しい食材を自分で買って自分で料理した方がよっぽどマシ。

調理と料理は別物であって、原則として(長年の付き合いで最上級品が仕入れられたとしても)素材の良さは供するものの手柄ではない...と僕は思います。


この手のドキュメンタリーにしては、比較的ディティールにこだわっているというか特にオープニングのアプローチは好感が持てます。

ただ内容に関して言うのであれば、言いたい事は理解できるのですが、システムにおける大手が悪者で少数の有機生産者が善玉的な捉え方は今イチ入り込めないかなと。

そういう意味では「対政府」という巨悪に対する切り込みという点(多分この作品でもそこを狙っているのでしょう)ではマイケル・ムーア作品の足下にも及ばない気がしました。

☆☆☆☆☆

もう少し長期的な展望というか、この作品としての答えがあれば良かったのかなと。

確かに最後にいくつか実例を挙げて取り組み方を示していますが、あれじゃあ小学校の社会の授業レベルだし、何か内輪ノリで大手を槍玉に挙げて終わってしまった感が否めなかった気がすると同時に、前記のマイケル・ムーアのスゴさと言うか、一見プロパガンダ的に思える彼の作品も、無関心の人にも訴えかけるドキュメンタリーの手法という点においていかに有益なのかを再発見できる良い機会だったかもしれませんし、このカテゴリーにおいては「スーパーサイズミー」の方が遥かに説得力があると思いました。

そして...だからという訳ではありませんが、この映画を観ている間にずっと頭によぎっていたのは「マクドナルドを食べたい!」という思い(笑)。

これは僕がジャンク好きだとかひねくれ者という訳ではなく、こういう偏ったものに興味がないという現れだと思います。結局の所は、何事においてもバランスが大切という事なのではないでしょうか。

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