California Love
小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。
www.countyline.jp
inspirationla.com
俺のバカ
2012.08.24
8/21日(火)
15:00 ハードディスクを分解する。
15:02 事件発生。
<すったもんだその① ネジ山をなめる>
ハードディスクを解体中、最後の一本のネジ山をなめてしまった......。最悪の事態。覆水盆に返らず、という諺にもある通り、なめたネジ山は戻ってこない。ネジを開けようとすれば、するほどネジ山は減っていく。深みにはまる、とはこのこと。直径3mm、長さ5mmのネジが大きな壁となって行く手を阻む。困った。
15:05 ネット検索。検索ワードは「ネジをなめた 対処法」。
15:06 ヒット! アロンアルファーでネジとドライバーを固定すれば、なめたネジも開けられる(らしい)。
15:12 コンビニで、アロンアルファー"EXTRA"を買う。通常版より粘着力が強そうだ。期待が持てる。
15:20 ネジ山にアロンアルファーを塗って、ドライバーを固定してみる。が、上手くいかない。幼少の頃、TVで観たアロンアルファーのCMは、電車を引っ張るほどの接着力だったが、ネジとドライバーはそう簡単にはくっついてくれない。接地面が少ないと難しいのだろうか?
15:45 再びネット検索。検索ワードは前回と同じ「ネジをなめた 対処法」
15:46 ヒット!「なめたネジはずしビット」という素晴らしい商品があるではないか!
15:50 アマゾンで「なめたネジはずしビット」を購入する。ついでに、外付けハードディスクを一台購入。ジオン軍のモビルスーツは卒業だ。
8/22日(水)
「なめたネジはずしビット」はまだ届かない。待ち人来たらず。
8/23日(木)
12:00 「なめたネジはずしビット」がやっと届いた。
まずは、はやる気持ちを抑えて、取説を読む。ほうほう。ビットの使用方法は二段構えになっていて、まずは、ドリルビットを使って、ガイド穴を開け、そこにネジ切りビットをねじ込み、電池ドライバーを逆回しにしてネジごと引っこ抜く、そんな仕組みらしい。
12:02 いざ、本番。電池ドライバーにビットを取り付け、なめたねじ穴にドリルを押し込む。いいぞ、グングン入っていく。幸先良し。
12:04 ポキっ
とっても嫌な予感。
<すったもんだその2>
ドリルビットの先が折れた......。調子に乗って、ドリルをグイグイ押し込んだら、真っ二つに折れた。心も折れそう。
12:06
いやいや、まだタオルは投げない。絶対にネジを破壊してやる。この時点で、ハードディスク=精密機械、という概念はどこかへ行ってしまった。頭の中を占めているのは、なめたネジをこじ開けてやる!という執念だけ。本末転倒とはこのことだ。
12:08 ネジの皿を極太ドリルでガリガリ削り、ネジごと破壊する。
12:21 三次災害発生。
<すったもんだその3>
ネジを破壊することに集中しすぎて、PFSで買ったお気に入りのデスクに大きなキズを付ける......。
俺のバカ。人間はこうやって深みにハマっていくのだろう。写真では分かりづらいが結構なキズです。
12:35 ネジ破壊。ネジを木っ端みじんにしてやった。
12:40 休憩。自動販売機で缶コーヒーを買う。
12:50 嬉しくなって、昨日のブログに綴る。
缶コーヒー = 机に残った大きなキズ跡。
帳尻は合っているのか? ま、BETTER THAN NOTHINGということで。
19:30 気を取り直して、WISMのオープニング・レセプションに出席する。野田さん、市ノ瀬さん、WISMスタッフのみなさま、おめでとうございます。素晴らしいショップ&パーティでした。たくさんの来場者の中で、フイナムの谷中編集長、GOOD OL'の福ちゃんなど、フイナムブログでお馴染みのみなさまにも会うことが出来ました。良い集いでした。しかし、頭の片隅にはハードディスク問題が引っ掛かったまま......。早くこの問題から解放されたい。
8/24日(金)
09:30 オープンと同時に、秋葉原のヨドバシカメラになだれ込む。中国人観光客の群れを掻き分け、パソコンコーナーへと一直線。
09:32 SATAケーブルを購入。
10:15 事務所に戻り、ハードディスクとSATAケーブルを繋ぐ。
10:16 ハードディスク本体からピーピー、カチカチという聞き慣れた音が鳴り響く。火曜日に聞いた嫌な音ふたたび。
10:18 ハードディスク本体が壊れている、という現実を突きつけられる。
ハードディスクの付属基盤が障害を起こしている、というド素人の仮説から始まり、あーだこーだと独り相撲を取っていたが、すべてが間違いだった。カチカチという音が事務所に空しく鳴り響いている。
たぶん、いや間違いなく、ハードディスクが壊れた段階で、気付いていたのだろう。事態は自分が思っているより深刻で、その復旧費用が高額になることを。ただ、その事実を受けれてたくない一心で、悪あがきを続けていたようだ。一理の望みがあると信じて。これを世間では、ただの"意固地"と呼ぶのだろう。
10:19 頭が真っ白になる。
10:41 気を取り直して、ネット検索。検索ワードは「データ復旧 優良業者 価格比較」。
11:10 いろいろ調べた結果、俺のハードディスクは重度の物理障害である可能性が高い(らしい)。ハード修復&データ復旧に掛かる費用は15万円〜20万円が相場。はぁ〜。タメ息すら出ない。
11:15 降参。負けたよ。優良業者を探して、データ復旧してもらうよ。
<教訓>
ハードディスクは3年で買い換えろ。大切なデータは1箇所に保存するな。ネジはゆっくり締めろ。お気に入りの机の上でハードディスクの解体はするな。独り相撲は取るな。苦難の先には、ちょっとしたご褒美が待っている。しかし、ご褒美の味はホロ苦い。