話題のドキュメンタリー映画『エンディングノート』が語りかけるものとは。
2011.09.30
―音楽はハナレグミさんが担当されていますね。
砂田:どういう方に音楽を作っていただくのがいいのかというのは、ずっと考えていたのですがなかなか分からなくて、そういう風に日々悩んでいた時に偶然耳にしたんです。
―聴くのはその時がまったく初めてだったのですか。
砂田:ある意味初めての出会いだったとは思います。「ああこれは間違いないなあ」と思って、現実的に頼めるかどうかはさておき、プロデューサーの是枝監督にお願いしてみたんです。是枝さんは一言「贅沢だね」って(笑)。映画にしたことで何が良かったって、もちろん色んな方々に観てもらえるというのはありますが、音楽をハナレグミさんに頼めたというのは、映画にならなかったら実現しなかったと思うんですよね。それはほんとに良かったです。
© 2011「エンディングノート」製作委員会
―それでは最後に、この映画をこれから観る人にメッセージがあればお願いします。
砂田:この映画自体、もちろん色んな感情のなかで編集はしていますが、人に自分の父親や家族を知って欲しいというモチベーションで作ったわけではないんです。自分の父親を通して最終的に導き出したかったのは、家族や人が最後まで生きるということ、亡くなるということは、そこですべてが終わりということではなく続いていくということ、受け取るものがたくさんあるということなんです。それを父親が死んだ後に強烈に感じて、記憶がまだ確かなうちに映像にしておきたかったんですね。たとえ映像として記録してあっても、自分の心の中がまだ何かあるうちに描こうと思いました。傷口が完全にふさがってしまう前に完成させたかった。自分が父の死から得た光のようなものを、ちょっとでもみなさんと共有出来たらいいなと思います。
―どうもありがとうございました。