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『岸辺露伴 グッチへ行く』の作者、漫画家・荒木飛呂彦インタビュー。

2011.09.27

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荒木飛呂彦 岸辺露伴 グッチ ah1_main.jpg

9月17日にリニューアルオープンしたグッチ新宿の速報は先日お届けしましたが、このグッチ新宿3Fスペースにて現在開催中の「岸辺露伴 新宿へ行く」展も見逃せません! というわけで今回、雑誌『SPUR』のイラスト・カバーと、別冊付録の読み切りマンガ『岸辺露伴 グッチへ行く』を描き下ろした、漫画家・荒木飛呂彦氏にインタビュー。今回のマンガのこと、〈グッチ(GUCCI)〉のこと、そして代表作『ジョジョの奇妙な冒険』のことを、"荒木飛呂彦ファンの視点から"かなり突っ込んで、詳しく訊いてきました。

Photos_Shota Matsumoto
Text_Masaki Hirano

荒木飛呂彦(あらきひろひこ)
漫画家。1960年生まれ、仙台市出身。代表作は『ジョジョの奇妙な冒険』。2011年で執筆活動30周年を迎え、現在は『ジョジョの~』第8部となる『ジョジョリオン』を『ウルトラジャンプ』(集英社)に連載中。今回はブランド創設90周年を迎える〈グッチ〉と、モード雑誌『SPUR』と夢の共演。GUCCI × HIROHIKO ARAKI × SPUR「岸辺露伴 新宿へ行く」展は、10月6日までグッチ新宿にて開催予定。
www.araki-jojo.com

荒木飛呂彦と岸辺露伴はグッチ好きだった!?

―はじめに、『SPUR』から企画の内容を聞いた時の気持ちを教えてください。

荒木飛呂彦氏:(以下、荒木:敬称略):そうですね。まず企画の内容が、グッチの職人と工房について、さらにものづくりについてのマンガを描いてほしいという依頼だったので、「これは何だろう?」と思いましたね。

―何だろうというと?

荒木:普通だと職人や工房を紹介するマンガで、こういうところで、こんな風に職人さんが働いているんだよとか、そういうものがSPUR編集部もグッチも欲しかったんだと思うんですね。でももう少しマンガのキャラクターと融合したいと思ったんです。ストーリーがあれば登場するのは誰でも良いという感じではなくて、ジョジョと融合したいなと。

―ジョジョと融合というのは、『SPUR』から依頼はあったんですか?

荒木:いいえ、それはありませんでしたね。それでも引き受けたからには、そういう作品を描きたいなと最初に思いました。でも難しいかなとも思いましたけど。

荒木飛呂彦 岸辺露伴 グッチ ah2.jpg

―ストーリーの主人公に第4部に登場する天才漫画家・岸辺露伴を持ってきましたよね?

荒木:そうそう。露伴をストーリーの上にちゃんと乗せて、グッチを紹介していくっていう風にしたかった。

―今回のマンガのタイトルが『岸辺露伴 グッチへ行く』ですが、以前のルーヴル美術館とのプロジェクト作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』との関連性はありますか?

荒木:最初はなかったんです。でも露伴だったらグッチに行ってもいいねって。そんな感じでした。

―『ジョジョの~』第4部のクライマックスのシーンで、露伴はグッチの時計をしていますよね?

荒木:そうなんですよね。でもそのことは指摘されるまで僕自身は忘れていました(笑)。「ああ、そういえばしてたなぁ」って。

―ということは、露伴はグッチ好きというキャラクター設定だった訳ではないんですね?

荒木:そうですね。確かに露伴はグッチの時計をしていましたけど、ファッションはどこどこのブランドが好きでという風に設定を決めていた訳ではないですね。だから今回もグッチだから露伴ということではなくて、ストーリー的に露伴なんです!

荒木飛呂彦 岸辺露伴 グッチ ah3.jpg

―なるほどですね。

荒木:露伴はパリのルーヴルにも行ったし合うね。みたいな感じでした。

―今回は荒木先生自身もフィレンツェから来日したグッチの職人に取材をしたそうですが、一番印象に残ったことはなんですか?

荒木:ん~なんですかね。スタッフのプロ意識ですかね? それは本当にすごかった。やっぱり職人というか、働いている人たち全員がプライドを持って仕事をしているんだなと感じました。いろいろなブランドがあるけれど、向こうの人たちにとってグッチで働くということは憧れなんだそうです。みんなグッチが一番良いと言ってましたね。

―荒木先生自身も洋服はとても好きと伺ったんですがグッチはどの程度お持ちですか?

荒木:靴とか鞄とかそういったものが多いですね。恥ずかしながら服はあまり持っていませんでした。

―では、どんなファッションがお好きですか?

荒木:自分では着ないんですけど、なんか不良な感じが好きなんです。

―そのあたりの先生の趣向はマンガにも現れてますよね。

荒木:そうですね。個人的には上品よりはそういうのが好きですね。

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