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Special Interview BEDWIN & THE HEARTBREAKERS × adidas Originals ベドウィン & ザ ハートブレイカーズの次なるビッグプロジェクト、始動。

2013.09.09

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言わずと知れた不朽の名作パンツ「トリップスター」を世に送り出し、今や日本を代表するブランドのひとつとなった〈ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEARTBREAKERS)〉がこの度、〈アディダス オリジナルス(adidas Originals)〉とのコラボレーションを発表。昨年発表した〈STUSSY & THE HEARTBREAKERS〉も記憶に新しいところですが、これまで目立ってコラボレーションを行ってこなかった〈ベドウィン〉が、なぜその姿勢を変えて来たのか。ブランドヒストリーを交えつつ今回の〈アディダス オリジナルス〉とのプロジェクトについて、ディレクター渡辺真史さんに語っていただきました。

Photo_Satomi Yamauchi
Edir_Hiroshi Yamamoto, Jun Nakada

あらためて、ブランドヒストリーから。

-まず〈アディダス〉の話の前に。〈ベドウィン〉はブランド立ち上げからどれくらい経っているんですか?

渡辺真史(以下渡辺/敬称略): かれこれ10年くらいですが、コレクションという形式では6年くらいです。

-正式に公表しているのは2007年ですよね?

渡辺: そうですね。すぐにブランドを大きく立ち上げるということに抵抗があったので、それまでは特にテーマを設けず、小物をちょこちょこ作っていたんです。2004年くらいですかね、僕はストリートが好きなんですけど、その次にどんな服を着たいんだろうってふと思ったことがあって、いきなりハイエンドにいくのも自分らしくないし、いわゆるストリートのスタンダードな部分をアップデートさせたような服を作ってみたいなって。それでまずジャケットを作って、その後にタイや革手袋、サングラスを足していったんです。その頃はドメスティックブランドだと、まだどこもやってなかったので、うちのスタッフにも周りの人にも、何をやりたいのかよく分からないってよく言われてました(笑)

-そうだったんですね。

渡辺: 言葉で説明してもみんなピンときてなくて。ストリートがすごく盛り上がってたし、自分もストリート出身だし、Tシャツを着る感覚でネクタイ作っても面白いんじゃないかとか、革ジャンを着る感覚でジャケットを羽織るというか。そういう感覚で、あくまでもストリートなエッセンスから来てるんです。アイテムとしてはいわゆるメンズウエアというかジェントルマンスタイルみたいのを模索しながら始めました。そしたらやっていくうちに、アメトラとかプレッピーみたいなスタイルが流行りはじめて、ちょうどリンクしたというか。

-なるほど。

渡辺: でも最初はなかなかカテゴライズしづらかったですね。コレクションとして世界観を見せてたわけでもなかったし。アイテムとしての見せ方やコンセプトだけを語っても、みんないまいち納得しなかったから。それのどこがストリートと違うの? とか、ハイエンドに行こうとしてるのかよく分からない、みたいな感じだったんですが、時間の経過とともにだんだん周りが興味を持ちはじめたっていうか。プリントTシャツもあるけど、ジャケットやスーツもキチッと作ってるようなブランドとして、少しずつ認識されはじめましたね。それがちょうど2007年ぐらいですね。

ff_bedwin_th_sub1.jpg

-それで"& THE HEARTBREAKERS"がついたわけですね。

渡辺: そうです。そこで初めてコレクションとして出したタイミングですね。

-なるほど。ということは最初の頃から渡辺さん自身のスタンスは変わってないんですね。

渡辺: まったく変わってないですよ。

-時代と渡辺さんの考えが合ってきたと。

渡辺: 合ってきたっていう感じはしますね。ただ別に僕が早かったとかではなくて、年も33歳くらいだったし。ブランドを始めたのは30歳ぐらいで、10~20代のときはスポーツブランドやワーク、ミリタリーが好きでした。もちろんDCブームもありましたが、ヨーロッパやアメリカのブランドをミックスして着てましたね。それが自分らしいと思っていたし、東京っぽくて日本らしいファッションなのかなって。

-なるほど。僕らとしては「トリップスター」の大ヒットが印象深いです。ヒットの理由についてはどう見ていますか?

渡辺: 「トリップスター」のデビューは2007年ですね。で、最初はみんな"なんでこんな変な丈で切ったの?"とか、"なんで裾が詰まってるの?"とか、結構言われましたね。確かに見た目に個性のあるパンツだったので、なかなか穿きづらかったというか。だけど、周りの友だちが、こういうのって面白いよねってところから始まって、みんなで作り上げていった感じです。それがブランドを体現するようなアイテムに成長して。海外の人も最初は"もっと普通なアイテムがいい"って言ってたのが、ここ1,2年で"あのシルエットが良いよね"って言うようになって。そういうのはすごく興味深いなと思います。そもそもの「トリップスター」の形は、ロサンゼルスのスケーターが自分でディッキーズをカットオフして安全ピンで留めて、スケートの時にばたつかないようにカスタムしていたとか、BMXに乗るときに、腰が結構ゆったりしてて動きやすいんだけど、裾がチェーンに絡まらないようにするとかそういう機能的なところからきてるんですよ。

-ここまでヒットすると、ちょっと距離を置いたりはしないんですか?

渡辺: 「トリップスター」は今でも出してますし、好きな形なんですけど、個人的には「トリップスター」が一番好きというわけじゃないんです。スタジャンとかピーコート、シャツだってすごく好きなので。そのなかで「トリップスター」も同じくらい好きっていうだけなんです。みなさんに愛されているのは「トリップスター」なんだという実感はありますけど、僕としてはあくまでもコレクションの中のひとつのアイテムとして捉えています。

-これだけ盛り上がった後の「トリップスター」の扱いは難しかったりするんじゃないですか?

渡辺: 「そうですね。デザイナーさんやブランドによっては止めてしまったりすると思うんですけど、「トリップスター」はモノ作りにおける背景もそうですし、仲間と一緒に作り上げてきたっていう部分があるので、やっぱり大事にしたい部分ではあるんです。「トリップスター」があったおかげでブランドをたくさん人に知ってもらえたとも言えるし、ものすごく感謝してますよ。

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