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Lawrence Jenkin × 荒岡俊行 伝説の眼鏡デザイナー、 ローレンス・ジェンキンが復活! 積年の想いを荒岡俊行が激白。

2014.07.18

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ローレンス・ジェンキンという眼鏡デザイナーを知っていますか? オリバー・ゴールドスミス、カトラー アンド グロスと並び、70年代に黄金期を迎えた〈アングロ アメリカン アイウエア(Anglo American Eyewear)〉にてデザインを手がけていた伝説的な人物です。一度は現役を引退していた彼を、ものづくりの現場に引き戻したのは、日本の眼鏡業界では知らぬ者がいないほどの識人、「blinc」「blinc vase」の店主/バイヤー、荒岡俊行その人です。ローレンス・ジェンキンが再び眼鏡を作るという、業界が震撼するであろうビッグニュースの全貌を把握すべく、荒岡氏本人を直撃してきました。

Photo_Koji Honda
Edit_Ryo Komuta

「ローレンス・ジェンキンは伝説のデザイナーです」

-まず、荒岡さんの簡単な経歴を教えて下さい。

荒岡: 元々実家が眼鏡屋を営んでいたんです。1940年創業ということで、おじいさんの代からですね。しかも、父方のお爺さんも、母方のお爺さんも眼鏡屋という、とにかく一族みんな眼鏡屋という環境でした。家と店がくっついていたような感じだったので、家に帰るというか眼鏡屋に帰るというような感覚でしたね。

-早い段階で自分も眼鏡屋になるんだな、という思いはあったんですか?

荒岡: そうですね。やはりそういった環境に身を置いていたので、それが自然な流れでしたね。自分の中に自然に溶け込んでいるというか、染み付いているというか。ただ、段々成長していくにつれ、違う道にも興味を持ったりして、実は一度別の職業についてみたこともあるんです。

-そうなんですね。ちょっと意外です。

荒岡: 周りには「腰掛けです」なんて言ってましたけどね。いつかは眼鏡業界に戻るつもりでしたし。それで、違う仕事を2年くらいしたあとに、思い立ってニューヨークに行ったんです。

-突発的に。

荒岡: はい。向こうに行けば、なにかできるんじゃないかなと思ってしまったんです。当然そんなに甘いものではなかったですけどね。当時は、〈セリマ・オプティーク(Selima Optique)〉がちょうど人気出始めたぐらいのときでした。なので〈セリマ・オプティーク〉で働きたい!と思って、インターンとして働かせてもらったんです。それは自分の中でかなり大きい経験でした。ニューヨークなので、とにかく色々なお客さんが来るんです。人種が異なれば骨格も違う、似合う眼鏡が全然違うんですよね。

-当時のトレンドはどういった感じだったんですか?

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荒岡: それまではあまりカラフルな眼鏡というのがなかったんですが、そのとき〈セリマ・オプティーク〉が出していたカラフルな眼鏡にはショックを受けましたね。セリマ自身、チュニジア出身ということもあって、色に関しては斬新というか鮮やかな表現を得意としていたんですよね。この色にはこの色を合わせるという決まりのようなものを、軽々と超えたモデルがたくさんありました。

-生産はフランスの工場ですよね。

荒岡: はい。あとその時代に思ったことなんですが、日本だと、なんでもかんでも"クオリティ"が重視されるんですが、ヨーロッパって、ハンドメイドの手の温もりなどが、クオリティ以上に重視されているような気がしますね。「手で作ってるんだから、左右非対称なのは当たり前だろう」という風潮というか。

-"クオリティ"というのは、どこまで精密な作りなのか、ということなんですか?

荒岡: そうですね。でも、それは日本的な考え方なんだと思います。日本のブランドも色々見てきましたが、どこも精密さとか几帳面さが重視されていますよね。このつなぎ目がどうなっているとか、そういう部分の話です。

-なるほど。

荒岡: もちろんそこも大切な部分ですが、それだけではなく作り手の暖かみを重視しているのがヨーロッパでした。そういうことを知ってからは、あまり"クオリティ"だけにこだわることはなくなりましたね。

-日本を代表する眼鏡屋である「blinc」の荒岡さんが言うと、なんだか含蓄があります。それではそろそろ本題に入らせて下さい。今回、ローレンス・ジェンキンというデザイナーともの作りをしたわけですが、このローレンスとはどういった人物なんですか?

荒岡: 元々は〈アングロ アメリカン アイウエア〉というブランドをやっていたデザイナーです。今だとそこまで知名度はないかもしれませんが、70年代ぐらいには〈オリバー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith)〉、〈カトラーアンドグロス(CUTLER AND GROSS)〉と並ぶぐらいの人気を誇っていたブランドですね。ヴィンテージ好きの方には、今でも響くブランドだと思います。ただ、80年代に入ると、クラシックなテイストがあまり好まれなくなってきたという時代背景もあり、さらにローレンス自身96年に一度引退しているので、今の時代ではあまり知られてない名前かもしれません。

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Panto ¥42,000+税

-ちなみに今は、クラシックというかヘリテージ的なデザインの眼鏡が人気です。

荒岡: そうですね。ただ、当時はもう少し派手な感じが人気でしたね。例えば〈アラン ミクリ(alain mikli)〉のような。〈オリバー・ゴールドスミス〉にしろ、〈カトラーアンドグロス〉にしろ、今またリバイバル的な人気が出てきていますが、その多くは昔のモデルをベースにしていたりするんですよね。

-そうした、昔のアーカイブを積極期に活用していくという動きは、いつ頃から活発になってきたんでしょうか?

荒岡: ここ10年くらいなのではないでしょうか。それまでは〈アラン ミクリ〉のようなデザイン性の高いものや、〈アイシー ベルリン(ic! berlin)〉のように少し工業的なデザインなどが人気でした。それから段々と黒縁眼鏡が流行るようになってきて、それに飽きた人はべっ甲を選んでという感じで、どんどんシックな方向にシフトしてきましたね。

-当時、ローレンス・ジェンキンが手掛けていたものは、その多くがクラシックなテイストだったんでしょうか?

荒岡: それもあったんですが、70年代って、かなりデコラティブなデザインが流行った時期でもあったんです。〈オリバー・ゴールドスミス〉でいえば蝶のデザイン、ローレンスでいえば、眼鏡の片側が自由の女神とか。実際にすごく売れていたかどうかはわかりませんが、そういったデザインをアイウェアに落としこむことを楽しんでいた時代だったんだと思います。

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