NEXT STAGE of WISM WISMの次の一手に 迫る対談シリーズ。 VOL.2 HBNS×WISM 水戸部昭夫×堀家龍
2013.08.28
堀家: 〈ハバノス〉は色んな意味で隙がないブランドのような気がしますね。今まではモノに対するこだわりが強過ぎて、正直センスのある人間だとは思ってなかったんですよ。
水戸部: おいっ!(笑)
堀家: でも、一緒にやってた時期を経て、あらためて〈ハバノス〉を客観的に見たときに、平山さんが言ったように色々な要素を足したり引いたりっていうのが、すごく上手な人間だって気づいたんですよね。どんなにこだわって作り込んでも、見た目がかっこわるかったら誰も買わないと思うんですが、その辺は無条件でかっこいいなって思わせる表現が彼にはできるんだなって素直に感じます。才能あったんだねーみたいな。
水戸部: 軽ッ!(笑)
堀家: とにかくサンプルのクオリティがすごいですね。某有名バイヤーさんも、何をもってのクオリティかってのは抜きにしても「彼の作ってる洋服は、日本のどこのブランドを探しても作れない」って言ってましたし。
-なるほど。。
堀家: 昔から、材料はしっかり揃ってる、それを料理する器具もしっかり揃ってる、後は火加減だ、って言われてたところが、ようやくそれが合ってきたなって思いますね。ニューヨークの「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」のウンベルトも、パイル地のライダースを見て「こんなにクールな物は初めて見た!」なんて言ってました。
-ポップですよね。
堀家: デザイナーに全くポップなところがないのに、ポップなものを作るっていうギャップですよね。
-(笑)。
堀家: アイコンの"H"の迷彩も、ずっとやめようよって言ってたのに結局やめなかったもんね。
水戸部: でもまぁ、これでようやくって感じですね。
堀家: ここまで継続してきたからね。ようやく市民権も得てきたかなって感じだよね。
水戸部: 継続は力なりだよ。
-自分で"波"が来てる感覚っていうのはありますか?
水戸部: そういうのはないですねぇ。自分が30代前半とかだったら、ちょっと調子に乗ってたかもしれないですけど、一つ一つに一喜一憂してたらってもう伸びしろはないなって思います。むしろ今は、なんか不思議な感じがしますね。
-周りの状況は変わりつつあるけれども、水戸部さんの思ってること、やりたいことはそんなに変わらないんでしょうね。表現の仕方は変わってるかもしれないですが。
水戸部: はい。ほんと何も変わらないですね。いやでも、謙虚が一番ですよ(笑)。
-水戸部さんて、今おいくつなんですか?
水戸部: 今年で40になります。
-堀家さん、いくつでしたっけ?
堀家: 僕、こないで35になりました。
-結構上なんですね。
水戸部: そーなんですよ。なのに、完全に呼び捨てなんですよ。変な話、小6なのに小1にガンガンやられるみたいな。
-(笑)。
堀家: 僕も体育会なんで、最初はやっぱり年上だし、顔色見て伺って、なんてやってたんですけど、当時はそんなことやってる場合じゃないなって感じだったんで。でも、こういう表現が合ってるかわからないですけど、一度底辺というか地べたを這いずり回ったところから、今はこうして同じステージで色々やれてるっていうのが、すごく嬉しいですね。
-歩んできた道を考えると、感慨深さもひとしおですよね。
堀家: 水戸部さんのブランドのこと、水戸部さんの家族のこと、それに関わってる人たちみんなを背負ってやっていくって思ってますんで。だから何となく新規始めました、みたいな感じじゃなくて、やる!っていう感じですね。世間的には知名度は無いし、お前ら一体何者だ?って感じだと思うんですけど、「何者じゃねーよ、本物だよ!」っていうのを見せていかなきゃいけないんで、そこはすごく今からワクワクしてますしね。
-いやほんとに楽しみです。
堀家: ファッション大好きな人たちだけに響いてても意味がないし、世の中みんなに響かせなきゃいけないと思うんで。「WISM」が外からどう見えてるかってのもわからないし、まぁ面白いって思ってんのか、なんかよくわかんねーなとか、適当だなとか、軽いとか、色々あるとは思うんですけど、なんだかんだ気にしてくれてる人は多いと思うんで。
-多いですよ、実際。
堀家: だから自分たちがそれを成功させたときに、あいつらどうなんだろって思ってたヤツら含め、世の中をスッキリさせてやりたいですね。
水戸部: いやいや、やっぱり謙虚が一番だぞ。
堀家: 謙虚だよ。謙虚をふまえた上でやってやるよ、って感じだよ。
水戸部: まぁ、そうだね。
堀家: すごく健全なことをやりたいし、今の「WISM」だったら、それができるって思ってるから。「WISM」って、「正直洋服で一番取れるかわかんねーけど、喧嘩は負けねーショップにする」っていうのが、最初に集まったメンバーのコンセプトだったんですよ。まぁ自分も含めてだけど、不良のヤツが多いし、だけどやるって決めたことに対しては、汗かいてベソかいてでもやるっていうのが根本にありますね。
-ブログの影響も大きいんじゃないですか。
堀家: いやぁ、ハンパないですね。最初は色々怒られましたけどね。。でも、今では社内からも「見ました」とか「面白いっす」とか聞きますよ。でもあれを、一番最初に面白いって言ってくれたのは「WISM」のスタッフですからね、ある意味やっぱあいつらが喜ぶものってのが一番ベースにあって。っていうくらいそれぐらいの内輪からでもいいんですよ。とにかく時間はかかりましたけど、今みたいな環境でやれてるっていうのは、本当にありがたいですね。
-今後も刺激的なお店で、僕らをワクワクさせ続けてください。本当に期待してます。今日はどうもありがとうございました!
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