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WISM 始動。市之瀬・野田両氏にインタビューを敢行。

2012.04.26

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究極はコンビニエンスストア。

-それでは、スタートするWISMについて聞いていきますが、まずどんなショップにしようと考えたのですか?

野田: まず、物集めのコンセプトに関しては、市之瀬がもともと考えていたファッションだけじゃなくて、それこそ究極はコンビニエンスストアじゃないけど、あんまりファッション、ファッションしていない感じ。「要は、世界お土産物市だよ」って話からスタートしたんだよ。そこから「ワールド・スーベニア・マーケット(World Souvenir Market)」なんて名前をぼんやり思いついたんだけど、長いし憶えにくいし、今いちシックリこなくて。略してWSMにしてもゴロ悪くて、間に「I」を入れたらWISM(ウィズム)になるなって。WITH(ウィズ)と、ISM(イズム)を混ぜた造語にもなるし。それで「I」で始まる言葉を探ってたら、「面白いモノ、興味深いモノ」って意味でInterestって言葉がピンときて、World Interest Souvenir Market、ウィズムがイイなぁと。これを市之瀬に相談するのと同時に、社用のプレゼンシートは作ってました(笑)。

-そこも滅茶苦茶な進行で。

市之瀬: そうだったね。なんて言うかな、次なる一手って日用品だと感じていたから、野田には言ったんだ。歯ブラシとか歯磨き粉とか洗剤とか、パッケージを例えばマルタン・マルジェラがデザインしてしまうような。これは代表にも伝えたし。

野田: それも先の目標には入ってます。ただ、今はまだどこの馬の骨だかな存在だから、認められるような位置に登って、ウチだから出来たって言いたいんです。

市之瀬: それでキッチン周りとかステーショナリーとか、ライフスタイルの方に寄って行ったね。あとガーデニングやりたいなって、ふっと思って。実際は今の自分の趣味ではないんですよ、でも休みの日に近所の土いじりに行くのって趣味として持ったら良さそうな感じがするなって思っちゃって。

-思っちゃったんだから仕方が無い?

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野田: だいたい、「コーヒー飲みたい」とか市之瀬が感覚的にジャストアイデアで言うのを、なんとなく「こうでしょ?」って形にしていくのが自分の作業。全部そうなんです(笑)。

-それは昔からですからね(笑)。理路整然と組み立てる役が必要ですからね。

市之瀬: お茶が飲めるのってイイなぁから、コーヒーに変わって、ドンドン広がっていくじゃん。そして、それを伝えていく。

野田: どうせやるならで詰めていって。例えばコーヒーなら丸山珈琲が良くて、自分の中では日本の昔の喫茶店が一番カッコいいなって思ってて。その象徴を考えたときに水出しコーヒーを出す器具がカッコいいから、無理言ってそれを3台ショップに入れることにしました。

今ってエスプレッソスタンドでいれるコーヒーを飲めるショップって増えてるけど、あれはアメリカだからカッコいいと思ってるし、SOHOとかロンドンにあるからカッコいいと思ってるから、日本では違うスタイルがあるんじゃないかって。僕らが目指してるところはあそこではないし、海外のショップの雰囲気を持ってきたりの模倣が目標ではないし、自分達が考える東京スタイルだから。日本人の審美眼を通してのカッコいいがやりたいわけ、それを外国の人が見たら面白いと思うだろうしね。

それで、こういった日本人の審美眼を市之瀬は持っていると思ったからメンバーに招き入れたし、それをパッケージングして目に見えるモノにしていくのが自分の役目だと思ってます。

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-面白そうですね。ちなみに、オープン後の発展はどう考えているんですか?

野田: いろいろ話をしていく中で、今は20代~30代の一人暮らしの男性なんていうターゲットを想定してて、彼が必要とするのはキッチンツールや生活雑貨、あとは趣味でベランダでのガーデニングがあって、そこにファッションが加わるんだけど、その想定するライフスタイルに海外出張が必要になってきたら旅用品を増やせば良いし、彼女が出来たらウィメンズを増やせば良い。生活のランクが上がるとともに展開品を拡げていくような考え方にしたい。だから、もしかしたら彼女のためのウィメンズが揃った複合店になるかもしれない。

-となると、2号店誕生というよりは、この1店舗目が成長していくというイメージですか?

野田: そうだね。想定したキャラWISMクンの成長に応じて拡張していく。

市之瀬: 結婚して、子どもが出来てに合わせて肉付けしていく感じ。話は誇張するけど、オレ「百貨店やりてぇ」って言ったんだ。それは1階にクルマ屋があって家族乗りのステーションワゴンが売ってて、2階上がると不動産屋が入ってて部屋が探せて、3階はライフスタイルグッズとウィメンズが揃ってて奥さんが楽しめる。4階はメンズと、例えばゴルフだキャンプだサーフィンだの趣味のグッズがあって、男の愉しみが充実してる。だから、WISMクンが成長するのに応じて成長させていくっていうのが、セレクトショップの考え方として正しいと思ってるんだよね。

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-カッコ良くて何でも揃うデパートメントストアになっていく感じですか?

市之瀬: そう。ただ今のセレクトショップがカッコ悪いんでもなく、それを否定してるつもりもなくて。

野田: ただ、ライフスタイルって謳ってる割には辿り着けてない気がするんだよね。あのままのライフスタイルで生活してるヤツっていないじゃん? あれよりはもう少し生活に染み付いたというか、もっとリアルに近づけたい。もう夢物語のファッションは、いらなくて。リアルな中で凄くカッコいいことが出来たらって考えてるし。

市之瀬: だから、ワンコインショップのコーナーがあったりだとか。コンビニを入れる感覚を店に持ち込めばいいんじゃないかって。

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-さっきの話に戻りますが、コンビニがオリジナル商品のレーベルを立ち上げて、それをOEMで各メーカーに作ってもらう。これを歯磨き粉のような日用品で展開して、さらにお洒落にカッコ良くアップデイトするということも考えているわけですよね。

市之瀬: そう。そのパッケージはやっぱりカッコいい物作りが出来るデザイナーに作ってもらいたいし、それを手軽に買えたらイイでしょ? そこが理想かな。

野田: 日本のメーカーは素晴らしい物作りをしていると思うんですよ。それで、まぁ今のパッケージが悪いかどうかも分からないんだけど、マーケットが成熟している中で特化したアイテム、それがパッケージのデザインだったりすると思うんだけど、カッコ良くて手に取りやすい価格だったら絶対に売れるし、欲しくなると思うんですよ。

-それは買いますよね。

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市之瀬: ちょっとした幸せなんだよ。だって、良い物を求めたら、生活レベルが高い人達にとっては買える物だけど、すべからくそんな人達ばっかりじゃないわけだ。これを分類するから可笑しくなったんだと思ってて。これを一ヶ所にまとめて展開するのは本当に出来ないのかね? って思ってるんです。

今でさえ、こまごまとバイイングするのは大変だよ。これで他業種とのコラボをやるなんてのは大変だろうけど、やりたいと思ったら動けるうちは、やるよね。これに対して野田もそうだし、代表もそうだけど「ノー」とは言わないと思ってる。できる感覚があるんだったら「やれ」って言うと思うんだ。

-それは十二分に伝わります。

次のページでは、ショップの場所選びや、プレオープンに至るまでの経緯などについて聞いて行きます。

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