WISM 始動。市之瀬・野田両氏にインタビューを敢行。
2012.04.26
-それで場所は、なぜキャットストリートに?
野田:
紆余曲折あるんですが、元々は青山が候補で、決めかけていたんです。スーベニアショップって1個1個記号性のあるモノを売ってますよね、それと同扱いで服もあるっていう、金額でセグメントしないショップが青山っていうエリアにあったら面白いなって。それで決めかけたときに、あの物件が出てきた。ただ、諸々の条件を考慮すると最初はナシで、他のショップも原宿から脱却していく傾向もあって。
でも考えているうちに、原宿・渋谷が面白くなくなっていると言われて、みんなが脱却していく原宿というエリアに行って、カッコいい店作って人を呼んでやろうみたいな気概が生まれてきました。そうなってからあらためて見てみると、人もそれなりに歩いているし、自分が育った渋谷界隈にカッコいい大人の男たちが戻ってきたら、渋谷に対する恩返しとまではいかないけど、アクションにはなるかなって。
-市之瀬さん的には、どうですか?
市之瀬: ブランドを集める側の視点で考えると、いやが上にもバッティングっていうのは気になって。それで青山から撤退していくっていう情報は入ってきていたから、やりやすいのは青山かなとは思ったよね。ただ楽すんなって話なんだけどね。ただ、野田が渋谷で育ってもう一回「ファッションの聖地」に戻したいっていうのを聞いて納得したんだよ。だから、やるよって。
野田: バイヤーだから「ブランドのバッティングが...」っていうのは、ずっと言ってたね(笑)。
-そりゃ、言われますよね(笑)。2フロアにしたのは意図的ですか?
野田: 結果2フロアになったから、1層はファッションに特化して、もう1層はライフスタイルに寄せていくと。
-でも、2フロアにするとスタッフ数は増やさなくてはいけませんよね? ミニマムでも2人は常時必要ですし。
野田: 5人になるだろうけど...。
市之瀬: まぁ、ドキドキはするよね。
野田: 最初は自分達入れて5人体制だけど、状況見て増やすよ。ただ、誰でもイイってわけじゃないし。例えば、店開けてみて、「この店が凄い好きです」って言うような人をスタッフにしていきたいよね。言葉だけ読んでとか、市之瀬がイイですとかじゃなくて、この店を実際に見て好きになって働きたいと思うような人を採用したい。
-こんなコト書いたら、いろいろなところから話来そうですけどね(笑)。バイイングの件でも聞きたいのですが、シーズン途中のプレオープンということで、いま売れる商材を集めるために海外を廻ってみたということですが、実際いかがでした?
野田: かなり大変...。こんな物にまで代理店があって、直接買って帰ってこられないとは思わなかった。アメリカで挫折したときに発想を変えて、ショットグラスを買って、それをキャンドルにして商品にしようっていうのを思いついた。「こういうモノを買っていくしか無いな」って。
市之瀬: ただ、そこまでダメージはなかったよ。野田は買えなくてダメージ受けてたけど、
野田: プレオープンまで2ヶ月で、ある程度の額分の現物(メーカーなどに発注せず、直接購入して売る商品)集めなくちゃいけないのに、商品が増えていかなくて。中途半端なモノも買いたくなかったし、イイと思ったモノしか入れたくないから、「店開くのかな?」って心配でしょうがなかった。でも、市之瀬は「大丈夫だ、なんとかすっから」って(笑)。
市之瀬: オレ、それしか言わなかった。大丈夫だ、なんとかすっからって(笑)。
-(笑)。
野田: なんとかなったけどね。
市之瀬: 結果、スーベニアって解釈では現物あって良かったけど、さらに成熟させていくっていう発想の中では「たまにでイイんじゃん」とは思ってるよね。
野田: とりあえず、この名前を付けたからには最初はコンセプチュアルなモノを並べた方が、店の構成上奥行きもあるし、伝えやすいとも思ったから必要だったかな。
-それでグランドオープンは8月末で、4月27日にプレオープンするじゃないですか?
野田: それについてはお客さまにカクカクシカジカこういう訳で今こうなっていて、8月末には更に内装も手を入れてグランドオープンしますって、一人一人に伝えていけば良いと思ってる。
市之瀬:
ぶっちゃけるなら、オレは物件が決まって家賃が発生しているのに、オーダーした商品が入って来るまで店開けずに遊ばせておくなんて、どの口が言うんだって思ってるし。だから、しっかりとコンセプトを作って、今やり得ることを一生懸命やって、グランドオープンまでに仕上げていくのが正しいと思ったからかな。
だから、プレオープン見て「この程度か」っていうヤツはいるかもしれない。でも、「言ったな? 憶えておくぞ。いつか見とけよ」っていう自分へのプレッシャーも込みで上がっていくつもりでいるからね。オレは言ったからには、やるからねって思うから。
-相変わらずで、何よりです。
野田: 企業がそれらしいパッケージ作って、道楽っぽくやってる店っていうのが嫌いで、泥臭い店なんだっていうのは知ってもらった方が良いんだよね。そこに魅力があると思ってるし、そういう店の方が来る側としても楽しいんじゃないかな。
-間違いなく伝わっていくと思いますよ。それでは楽しみにしてます。
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