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映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」 男だらけのうなずきまくり恋愛論。

映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」 男だらけのうなずきまくり恋愛論。

扶桑社・週間『SPA!』にて2014年から連載がスタートし、2015年に残りのエピソードを追加し単行本化された、渋谷直角の漫画『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』。テレビで見た奥田民生の飾らないスタイルに衝撃を受けて以来、彼のような男になりたいと思い続ける雑誌編集者コーロキ(妻夫木聡)と、出会う男全てを甘い毒牙で翻弄する魔性の女あかり(水原希子)のドロドロとした恋模様をコミカルに描いた同作の劇場映画化に伴い、実現したスペシャルクロストーク。
コラムニストとしても活躍する、フイナムではおなじみの渋谷直角、主人公コーロキ役を演じた俳優・妻夫木聡、同じく監督/脚本を務め、映画『モテキ』、『バクマン。』などでもメガホンを取った大根仁という錚々たる面々をお迎えし、男だらけの恋愛座談会を開催。彼らを翻弄する“狂わせるガール”の実態に迫った。

  • Photo_Ari Takagi
  • Text_Takehiro Hakusui
  • Styling_Shun Katakai(Tsumabuki)
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STORY

テレビで見た奥田民生の飾らないスタイルに衝撃を受けて以来、彼のような男になりたいと思い続ける雑誌編集者コーロキ(妻夫木聡)は、家電雑誌『ゲットガジェ』からライフスタイル雑誌『マレ』へと配属され、先輩編集者ヨシズミ(新井浩文)とともに得意先のアパレルブランド「GOFFIN&KING」のカタログ撮影に立ち会う。同ブランドのプレスとして紹介された天海あかり(水原希子)に一目惚れしたコーロキは、契約に関する大風呂敷を広げるもあえなく撃沈。とはいえ、このトラブル以降、あかりと密に連絡を取り合う間柄となり、いつしか男女の関係に。あかりに釣り合う男になるべく、柄にもなくおしゃれを気取り、必死にデキル男を装うが、常に空回り。彼女の奔放過ぎる振る舞いに振り回され、周りの人をも巻き込みながら繰り広げるラブコメディにして、リアルな青春成長譚。

左:渋谷直角、中央:妻夫木聡、右:大根仁

ダメな大人って、それはそれで憎めない。

ーあかりのような“狂わせるガール”を見抜く、あるいはこれまでの経験で見えてきた“狂わせるガール”の特徴みたいなものってあります?

妻夫木:特徴ってほどのものではないですけど、その女性が自分に合うか合わないかは、ある程度わかりますよね。でも、わかったからといって、即対象外かと言われれば、またそれは別の話なワケで(笑)。全然噛み合ってないのに、なぜか好きになっちゃうというか…。

渋谷:ムリクリ共通項を探している感じですね。

大根:一緒にいて「あ、話題を探している」って気が付いた時には、すでに負けなんだけどね(笑)。でも、男女問わず恋愛において“良い人”ってつまらないですよ。多少“性悪”ぐらいの方が刺激的に映るじゃないですか。過去の経験上、可愛くて気立ての良いコもいたにはいたけど、何か面白くなかった…。

渋谷:自分の予想範囲内の返答が来る感じより、まったく思ってもいないボールばっかり投げてくる女性の方が、確かに惹き付けられる、というか。

ー大人になるってことは、そういった異性に出会ったところで見切れるというか、その手に引っかからないということなんでしょうか?

渋谷:いや、おっさんになっても全く関係ないんじゃないかと。むしろおっさんになってから出会っちゃうほうが色々マズイ感じになっちゃう気が(笑)。

大根:妻夫木くんもCMで“大人エレベーター”みたいなことやってますけど、結局は大人になることに結論なんてないでしょ? 自分が想定していた“ちゃんとした大人”にならないまま、どうやら死んでいくのかなって。それは異性関係だけじゃなく、全てに言えることだけど。

妻夫木:確かに。おっさんになってまで女性ばっかり追っかけ回している人って、男から見ても可愛く映るじゃないですか? 自分がそんな男になりたいかと聞かれれば、決してそうではないんだけど(笑)、総じてダメなのはわかってるけど、そのダメさがなぜか愛おしいというか。

大根:まあ、“憎めない”ってヤツですよね。

妻夫木:そうそう。だから根本的には、誰も大人になろうだなんて考えてもいないんじゃないですかね。

大根:新しいグラビアアイドルが出てくれば、やっぱりチェックもしちゃいますしね。小倉優香とか泉里香とか。

一同:(笑)

渋谷:本郷杏奈って知ってます?

大根:いや、知らないわ。

渋谷:本郷杏奈もイイですよ(笑)。人気出そう。

大根:オレは最近デビューした仲村美海に夢中だけど(笑)。

原作者・渋谷直角の涙が出そうなシーン。

ー大根さんが撮られる女性って本作然り、『モテキ』然り、可愛くてエロいですよね? いただいた資料にも「いかに希子ちゃんを可愛く、エロく撮るかがテーマだった」と記されていましたが。

大根:今回に限って言うと、そこはかなり重視しましたよ。特に希子ちゃんのお尻をいかにエロく撮れるかに最も気を配りました、はい(笑)

妻夫木:(笑)。だって、希子ちゃんのお尻を自分で撮ったモニターを、さらにスマホで撮影してましたから(笑)。しかもその写真をリリー(・フランキー)さんにシェアしたりして。ヤバイでしょ、そんな監督いないっすよ(笑)。

一同:(笑)。

ー本作では「仕事と恋愛」みたいな部分も描かれていますよね。「私と仕事どっちを取るの?」みたいな、あるあるネタって皆さんも経験されてます?

渋谷:僕は劇中、コーロキがあかりとの約束を果たせず、京都行きの終電に乗りそびれて脱力するシーンがあるんですけど、あそこでなぜかいつも泣いちゃうんですよね。

大根:あそこ泣くところかな(笑)。

渋谷:あのシーンと実体験とのシンクロ率が高過ぎて…。良い仕事をした、絶対読んでよ! って達成感と充実感、でもそのせいで大事なヒトを悲しませちゃってる申し訳なさ、みたいな天秤が、何回見てもグッと来るというか。今この話していても、また涙が出そうなんだけど。

一同:(笑)

大根:妻夫木くんはそういうのないの? 「せっかく良い仕事ができたのに、この達成感を共有できないんだ…」みたいな。

妻夫木:共有かあ…。でも、「ああ、(この恋愛)早く終わってくれないかな」って思った瞬間、「ああ、あの人(女性)とはダメだな…」って悟りましたね。

渋谷:そういう割り切りを結構しっかりできるタイプ?

妻夫木:そうですね。振り回されるだけ振り回されても、一旦ダメだと思ったら、自分勝手だけど終わりに向かっていくことが多い。まあ、そうさせてるのは、少なからず相手にも責任があるワケで…。

大根:そうそう。本来恋愛って男女がイーブンな関係のハズなのに、男っていつの間にかマウント取られてるでしょ?

妻夫木:あかり(水原希子)ほどのマウントは萎えるかな(笑)。

大根:そうね。ある程度マウント取られてる方が男はラクだし、だからこそ外で好きなことができる、という自分なりのエクスキューズに落ち着けるワケだし。でもその度が過ぎると疲弊に繋がるのかもね。

恋愛におけるLINEの恐ろしさと女性“あるある”。

ーまた、劇中2人のやり取りでは、LINE含めSNSが大きな割合を占めていますよね。今となってはあれこそがリアルなんでしょうけど、僕ら世代(アラフォー)からすると、ある種の怖さすら感じましたが。

妻夫木:怖いですよね。あのツールが若い頃になくてホントに良かったと思いますよ。中高生時代からLINEがある現代の若者たちが可哀想で仕方ない(笑)。小さなコミュニティ内での出来事だとしても、学生時代なら間違いなく翻弄されるじゃないですか。

渋谷:「既読」が付かない感じとか、確かにツライだろうなあ。原稿の〆切間近ではあえて既読付けなかったり、駆け引きもありますけど(笑)

妻夫木:えっ、そもそもLINEで仕事してるんすか?

大根:最近多いんだって、LINEで仕事したがる人。「こんな真面目な話をあんなチャラいインターフェースでしたくないんだけどな」って、個人的には思うけど。「原稿早くお願いします!」の後にドラミちゃんのスタンプが「よろしくです。ペコリ」みたいな(笑)。

一同:(笑)。

ー仰る通り、LINEって細かなニュアンスまでは伝わらないことが多いですし、あのタイムライン上での駆け引きもまた、僕らのような前時代的な男性にとっては難しいところかもしれませんね。

妻夫木:あかりもそうですけど、女性が怒る時の瞬発力ってスゴいですよね。

一同:(笑)

渋谷:あと、すぐに具合悪くなるよね。

渋谷:「えっ、女の人ってこんなにカラダ弱いんだ…」みたいな。若い頃はそれにすごく驚いた。

妻夫木:僕ら男性が女性に対して腹を立てることもあるにはあるけど…。

ーそういったコントロールできない女性と付き合った際、次にお付き合いする方は、やっぱり違うタイプを選んだりしてましたか?

渋谷:僕は以前「突然世界が四倍速で回り出す」って人と付き合ったことがあって、2人で会っていても急に「四倍速が始まったから帰る」とか。そのツラさを共有できなくて…(笑)。でも、それはかなり特異な例だとしても、“経たい”という気持ちがあったとしても、ちょっとつかみづらい人に行きがちな時期はあったかなあ。まあ、最終的にはその人にも振られちゃいましたけどね。

大根:僕も振り返ってみると振られた経験しかないな。自分から振ったりできないというより、別れ際をキレイにまとめられないタイプなのかも。その辺、妻夫木くんってしっかりしてそうだよね。

妻夫木:そうですね。言われてみれば、確かにほぼ円満系しかないかも。

渋谷:いや、それスゴイでしょ。オレそんな人いないもん。友達ってことでしょ?

妻夫木:いやいや、友達ってほどのレベルじゃないですよ。

【妻夫木さん着用分】〈N.ハリウッド〉ブルゾン¥34,000+TAX(ミスターハリウッド 03-5414-5071)〈ディガウェル4〉シャツ¥16,000+TAX(ディガウェル103-5722-3392)〈サイ〉パンツ¥45,000+TAX、ベルト¥13,000+TAX(マスターピースショールーム 03-5414-3385)〈フラテッリ ルイージ〉チーフ¥7,500+TAX(ユナイテッドアローズ 原宿本店 03-3479-8180)

ー今は皆さんご結婚もされて、幸せなご家庭をお持ちなワケですが、世が世ならあかりのような“狂わせるガール”に翻弄されるのもまた一興であると(笑)?

妻夫木:そんなこと全く言ってないでしょ(笑)。僕はもう翻弄されたくないし。

大根:僕はもう達観ですよ。女性なんて大概性悪というか、僕自身そういう女性しか好きならないし。やっぱり性悪ぐらいの方が、人間的な魅力がありますよね。

渋谷:自分で描いておきながら、僕もあそこまで溺れちゃうのはツライかな(笑)。

映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』
原作:渋谷直角「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール」(扶桑社刊)
監督・脚本:大根仁
出演:妻夫木聡、水原希子、新井浩文、安藤サクラ、江口のりこ、天海祐希、リリー・フランキー、松尾スズキ
2017年9月16日公開
2017年/日本/100分
全国東宝系にてロードショー
toho.co.jp/movie/lineup/tamioboy.html
©2017「民生ボーイと狂わせガール」製作委員会
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