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FEATURE|BURTON Presents DIGGIN’ SNOWBOARD! スノーボードにまつわるいくつかのコラム。 Vol.07 相澤陽介がジェイク・バートンに聞く、 「スノーボードが与えてくれるもの」。

スノーボードにまつわるいくつかのコラム。 Vol.07 相澤陽介がジェイク・バートンに聞く、 「スノーボードが与えてくれるもの」。

BURTON Presents DIGGIN’ SNOWBOARD!

スノーボードにまつわるいくつかのコラム。 Vol.07 相澤陽介がジェイク・バートンに聞く、 「スノーボードが与えてくれるもの」。

冬の定番スポーツとして人気を博す一方で、ファッションや音楽をミックスしたカルチャースポーツとして側面も併せ持つスノーボード。そんなスノーボードシーンを形成し、今なおリードする〈バートン〉をパートナーに迎え、現在進行形のスノーボードの魅力をいくつかのコラムでご紹介。シーズンを迎える直前まで連載していきます。

  • Photo_Takemi Yabuki(W)
  • Edit&Text_Kai Tokuhara
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〈バートンUSオープン2016〉のレポートに続き、今週は〈バートン〉の創始者であるジェイク・バートンの貴重なインタビューをお届けする。インタビュアーは〈バートン サーティーン〉のデザイナーを務める相澤陽介。大会期間中、コロラド・ベイルのビレッジにあるコンドミニアムで、〈バートン〉のモノ作りについて、時代とともに変化するスノーボードシーンの今について、様々な角度からレジェンドに質問を投げかけた。「ライディングが楽しすぎて」と、取材直前の滑りに熱中するあまり30分遅れで到着したジェイク。そんな彼の言葉から、スノーボードというスポーツに秘められた奥深い魅力を感じとってもらいたい。

スノーボードへの飽くなき情熱こそ、 〈バートン〉の強み。

相澤:お久しぶりです。でも前に会ったのは〈バートン サーティーン〉をやる前でしたね。あれから3シーズンたちますが、ブランドのことは見てくれていますか?

ジェイク:もちろん見ていますよ。(自分のスマホでインスタグラムを開きながら)ほら、これを見て。ちょうどこの前あなたが作ったジャケットを着てポストしたところなんですよ。

相澤:これはうれしいですね!

ジェイク:このカモフラージュ柄のジャケット、とても気に入っています。なぜだか雪がたくさん降っている日に着たくなりますね。

相澤:ありがとうございます。今日はスノーボードとファッション、ライフスタイルの関係などについてジェイクにたくさん聞きたいことがあります。

ジェイク:オーケー、何でも聞いてください。

相澤:まずはスノーシーン全体のラグジュアリー化傾向について。最近はとくにヨーロッパのスノーリゾートなどを見ているとそういう印象を受けますし、ハイエンドなファッションブランドも多く市場に参入しています。スノーボード界のリーディングカンパニーとしてその傾向をどう思われますか?

ジェイク:私の印象としては、残念ながら機能性をないがしろにしているブランドが多いのかなと。私たちのスノーボードブランドとしての理念はまず機能ありき。だからウェアを作り始めた1980年あたりは機能性ばかりに集中して正直あまりスタイリッシュではなかったと思います。そこから少しずつ、会社にクリエイティブな人が集まるにつれてクールな要素も増えてきたんですよ。スノーボードに限った話ではないけれど、そのように、まずは機能が第一で次にファッション性を考えるべき。私や会社のみんなも、〈バートン〉はそれを常に実践できていることを誇りにしています。

相澤:毎シーズン、すべてのウェアやギアを試されますか?

ジェイク:はい。ファッション面では任せる部分も多いですが、なるべく機能面に関しては自分で試すようにしています。

相澤:最近のプロダクトの開発において、ジェイクのクリエイティビティはどれくらい反映されているものなのでしょうか。

ジェイク:どちらかというとプロダクトを洗練させる役割ですが、新しいアイデアがあったら出します。ちょうど今、開発中の2017年の秋冬物に関しても、私自身デザインには積極的に関わってはいませんが、試作品や新しい素材をテストしています。毎年、家にチームライダーを6〜7人呼んで円卓を囲みながら全商品を一つずつチェックしていくのですが、ライダーたちは私が的外れなアイデアを出したら訂正もしてくれますし、非常に良いプロセスだと感じています。私たちはそれを「カーペットテスティング」と呼んでいます。

相澤:そんな〈バートン〉が、スノーボードシーンで高い支持を得続けられている理由はどこにあると思いますか?

ジェイク:一番は、私たちの会社の誰もがスノーボードを愛しているということ。そこが大きなアドバンテージですね。例えばスノーボードをビジネスとしか見ていない会社であったなら、こうやって生き残れていないと自負できます。たとえ〈バートン〉よりも大きな会社であっても、このスノーボード業界で私たちと競争するのは、とてつもなく難しいことだと思いますよ。

相澤:日本でもスノーボードといえば〈バートン〉というイメージがすごく強いです。何よりスノーボードのことだけを考えてモノ作りをしているところが他のブランドとの違いだと思いますが、それを40年近くもやり続ける情熱というのはどこから湧いてくるものなのでしょうか?

ジェイク:私と、私の妻ドナにとって、スノーボードと〈バートン〉は一人の子供なんです。親が子育てをするように、ブランドに私たちの哲学を注ぎ込んできました。子供は成長するにつれて次第に親の影響を受けなくなりますが、親はずっと子供とつながっています。それと同じですね。だから私たち夫婦にとってスノーボードは人生の一部。この〈バートンUSオープン〉のように有名なライダーや友人たちがスノーボードを楽しむのを見るとなおさら、スノーボードのない人生なんて想像もできないなと思いますよ。

スノーボードが、家族との 最高の思い出を作ってくれる。

相澤:話題を少し変えたいと思います。今日本の雪山に訪れる外国人観光客が増加するなどアジア市場が注目されていますが、そこについてはどう思われますか?

ジェイク:日本市場とスノーボード、そして〈バートン〉の関係は歴史的にも良い点ばかりなので、会社としてもどんどん活気を与えて盛り上げていきたいですね。私自身も、日本でのスノートリップの話や写真をSNSで発信しながら、日本の文化やすばらしいパウダースノーを楽しんでもらうように積極的に呼びかけています。私たちのライダーは、みんな日本のことが大好きですよ。

相澤:日本で一番好きなリゾートはどこですか?

ジェイク:ニセコです。みんなが好きですし、ありきたりな意見かもしれないけれど、雪がすばらしいですね。それに道の向こう側に見えるあの火山……

相澤:羊蹄山ですよね。

ジェイク:そう、羊蹄山。あそこをハイキングしたり、もっといろんな場所を滑ってみたいと思っています。ニセコに行ったときに泊まったヒルトンも好きです。夜、窓から眺める雪景色が印象的でした。

相澤:最後の質問です。ライフスタイル・スポーツとしてのスノーボードについてです。以前は若年層に集中していたスノーボード人気が、近年ではより幅広い層に広がっている感じがしています。小さい子供から女性、そして40代、50代にも広がっていることは、これまで〈バートン〉が取り組んできたことが少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。

ジェイク:〈バートン〉はこれまで、あらゆる世代に向けて商品をつくってきました。世の中には、自社イメージを気にしすぎて、クールさを維持するために女性用ボードや子供向けボードをつくらない会社もありますが、私たちはそんなことを全く気にしません。子供たちがスノーボードをすることを私たちは最高にクールだと思いますし、全力で応援しますよ。そんな〈バートン〉のマーケットアプローチを誇りに感じていますし、お客さんたちも私たちのこのスポーツへの姿勢と取組をリスペクトしてくれています。

相澤:僕も、今後長く、家族と一緒にスノーボードを楽しんでいきたいと思っています。双子の息子がいるのですが、今年スノーボードを始めました。〈バートン〉とMarvel Comicのコラボウェアを着て。僕はジェイクのようにうまく教えることはできませんが、スノーボードしている彼らを見ているだけですごくうれしいです。

ジェイク:それはすばらしい! 私も今朝、妻と2人の子供と一緒に滑りました。私にとって、子供たちや妻にスノーボードを教えてきた経験は特別です。それによって一生忘れられない思い出ができました。たとえ、いつか子供たちのほうが自分よりはるかに上手になっても、「私が教えたのだ」と自負したい(笑)。何より、子供たちはスノーボードのおかげで前向きないい子たちに育ちました。今では私をよく助けてくれますから。スノーボードは、家族との時間を過ごすには最高の手段。スマートフォンにばかり時間を費やすより、山に行った方がいいですよ。

相澤:はい、本当にそう思います。今日はありがとうございました!

ジェイク・バートン
1954年生まれ。1977年、アメリカ・バーモント州バーリントンを拠点に〈バートン〉を設立。以来、スノーボードの発展に絶大な影響を与え続けるスノーボード界のパイオニアであり生きるレジェンド。この日はお気に入りという〈バートン サーティーン〉のジャケットで登場してくれた。

相澤陽介
1977年生まれ。多摩美術大学を卒業後、コム デ ギャルソンを経て2006年に〈ホワイトマウンテニアリング〉を開始。現在はパリコレクションでも活躍中。2014年より〈バートン サーティーン〉のデザイナーを務め、雪山と街の境界を無くしたオリジナリティ豊かなコレクションを発表し続けている。

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