とにかく芸が細かいシューズ。
- 現在のスニーカーマーケットでは、世界に名を馳せるスニーカーショップと同様に、有力セレクトショップも重要な存在だ。自身が熱狂的なスニーカーフリークであり、仕掛人の1人でもある新井さん。「KARHU×FOOTPATROL FUSION 2.0」を一目見たときに、心を持っていかれたそう。
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新井:さすが「フットパトロール」だなと感じました。アウトドアや自然からインスピレーションを得たデザインだと思うのですが、たとえば日本のセレクトショップやスニーカーショップがコラボレーションをしたとしても、この配色にはならないですよね。ヨーロッパというか、フィンランドのブランドとイギリスのショップだからこそのカラーリングだと思います。
- 甲の部分にはパンチングが施されたヌバック、ヒール部分にはピッグスキンスエード、アッパーサイドの一部にバリスティックナイロンと、多彩な素材を使用。細部にまで隙なくデザインされている点も、このシューズの魅力だ。
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新井:レースループの部分がハイキングシューズ仕様になっていたり、つま先とヒールタブにリフレクター素材を使っていたり、芸が細かいですよね。インソールにはフットパトロールのロゴが入っていて、シューズボックスは特別仕様。
コスト面を考えると、そこまでやらなくてもいいんじゃないかと思うところを、しっかりとやっている。今回のコラボレーションへの熱い想いが1つひとつのパーツから伝わってくるんですよね。
アウトドアブランドに合わせるのが気分。
- コラボレーションのベースとなっているのは、1996年にデビューした人気モデル「FUSION」の復刻版である「FUSION 2.0」。90年代を彷彿とさせるボリューム感のあるフォルムに、ヨーロッパテイストのアウトドアカラーを纏った今作。素直にアウトドアブランドのウェアと組み合わせるのが新井流。
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新井:今シーズン、ビームスでもアウトドアウェアが人気ですが、このシューズを見た瞬間に〈パタゴニア〉とマッチングさせたいなと思いました。色使いがヨーロッパから見たアメリカンアウトドアって雰囲気があるし、自分らしいスタイリングをするのであれば、パタゴニアのロゴとのカラーマッチングも含めて、ストレートに〈パタゴニア〉を合わせるのが正解だろう、と。実際に合わせてみると、実にしっくりくる。
カルフはポテンシャルを秘めたブランド。
- 100年の歴史がありながら、日本においては認知度が高いとはいえない〈カルフ〉。新井さんにとってはどのような存在のブランドなのだろうか。
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新井:正直なところ最近までその存在を知りませんでした。2015年に「コンセプツ(CONCEPTS)」とのコラボレーションモデルが登場しときに「おっ、なんか目新しいのが出てきたぞ」と思ったのを覚えています。
それで今年になってできたのが、〈パタ(PATTA)〉とのコラボ。それも今回のフットパトロールと同じくフュージョン2.0がベースでしたが、それがとにかくカッコよくて、すぐに買いました(笑)。
ここ数シーズン、第3勢力と言われるようなシューズブランドが色々と仕掛けをしてシーンを盛り上げていますが、なかでもカルフは凄くポテンシャルを秘めているブランドだと思います。
スニーカーフリークの喜ばせ方を知っている。
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新井:歴史がある分、掘り起こすと材料も多いだろうし、「コンセプツ」に〈パタ〉、「フットパトロール」とコラボレーションのパートナー選びがとにかく秀逸。「ドーバー ストリート マーケット」でも取扱っていたり。
プロダクトの出来映えはもちろんなんですけど、スニーカーフリークの喜ばせ方を知っているかのように外堀り埋めてくるんですよね。
今後もどんな仕掛けをしてくるのか気になりますし、いずれはぼくたちも絡めるといいですよね。面白いことをやれる、自信はありますので(笑)。
KARHU×FOOTPATROL FUSION 2.0 ¥18,800