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マーク・ゴンザレスが日本にやってきた!

What’s up GONZ!!

マーク・ゴンザレスが日本にやってきた!

〈アディダス スケートボーディング(adidas skateboarding)〉が誕生した1998年以来、ブランド初となるフルレングススケートフィルム『Away Days』が制作され、先日iTunesにて公開が開始された。そのリリース記念として、スケートチームのライダーたちがロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、サンパウロそして東京という世界主要都市を廻るワールドプレミアツアーが開催。東京でのプレミアにはマーク・ゴンザレスをはじめ、デニス・ブセニッツやサイラス・バクスターニール、タイショーン・ジョーンズ、ジャック・ファーデルなどのメンバーや制作サイドのスタッフも来日した。そして今回移籍が決まったビッグネーム、デーウォン・ソンも登場。豪華メンバーによるプレミア上映やサイン会が行われた。そこで今回、〈アディダス スケートボーディング〉には欠かせない存在であり、看板ライダーでもあるマーク・ゴンザレスに、スケートのことからアーティストとしてのことまで話を聞いた。

  • Photo_Taro Hirano
  • Text_Taku Takemura
  • Edit_Jun Nakada
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ー今回リリースされた『Away Days』では世界各国を廻って撮影したと聞いたけれど、マークは何都市くらい訪れたの?

:うーん、どのくらいいったのかな? はっきり覚えていないけれど、マドリッド、バルセロナ、パリ、ロンドン、東京、オーストラリア…。あとどこだっけ? そうだ、ロシアにも行ったんだよ。

ーすごい! いろいろな街を訪れたんだね。その中で特に印象に残っている街はどこ? マークは昔からパリが好きなのは知っているけれど。

:好きな街はニューヨークとロサンゼルス。出身がロサンゼルスで今住んでいるのはニューヨークだしね。今回の撮影で印象に残っている街はマドリッドだね。

ーマドリッドのどんなところが良かったの?

:なんだろう? 自分でもわからないな。でもマドリッドのことを思い出すと良い思い出しか残っていないんだ。その時はチームライダーのレム・ヴィレミンも一緒にいたよ。他には誰がいたっけ? 3日くらいしか滞在していないんだけれど、印象深い街だった。

ーほほう。そんなにマドリッドが良かったんだ。

:正直なことを言おう。マドリッドにあったミュージアムが良かったんだよ(笑)

ーなんだ、スケートじゃないじゃん。

:本当の事を言うとね。「レイナ・ソフィア美術館」がとても良かったんだ。でも道も広くてスケートはしやすい街だったよ。

ーそうなんだ。今回のフィルムの中で特に好きなパートはどこ?

:本当にすべて良かったと思っているよ。その中でも良かったのはジャック・ファーデルのパートかな。彼はストリート、トランジッション、ストリートにあるトランジッションやボウルとか、いろいろなスポットをミックスさせて滑っているところが印象的で良かったんだ。それと作品自体の編集がすごくいいと思う。スケーターが右から滑ってきたと思うと次のシーンでは電車が反対側から横切るシーンに変わるんだ。そうするとスケーターと電車がクロスしているように見えてとっても新鮮な映像に感じたよ。それとフィルム全体を通してスケーターたちのスピード感がしっかり感じられる編集になっていると思った。観ている人たちを楽しませてくれる効果がいろいろなところに散りばめられている作品に仕上がっていると思う。

ーこれからプレミアで本編を見るのが楽しみだよ。

:そうだ、まだ見ていないんだよね。じゃああまり語らない方がいいね。見てからのお楽しみ。見れば僕の言っている意味がわかると思うよ。

ー最近はどんなトリックをするのが好きなの?

:昨日は渋谷のパークでフロントサイドのボードスライドをやったよ。バックサイドのリップスライドもね。あとは何だろう?この前の夜は360をトライしていたんだ。

ーメイクできた?

:何度かトライしてできたよ。今練習しているのがフロントサイドの180で、空中で廻っている時に前足を蹴り出す練習をしているんだ。ちょうど東京に来る直前にニューヨークでチャレンジしていたトリックだよ。

ーマークでもまだ練習することがあるなんてすごいね。

:スケートはずっと練習だよ。たぶんこのトリックは誰も挑戦していないトリックだと思うんだ。スピードフリークスでナタスが良くやっていたトリックを見てこのトリックに挑戦しようと思ったんだ。ナタスの場合はオーリーしないでスライドしながらワンフットしていたんだけれどね。

ー本当にすごい。今でもスピードフリークスのビデオを見返しているのもすごい。今何歳になったの?

:6月で48歳になるよ。長い間スケートしているって自分でも思うよ。今回渋谷のセルリアンタワーのホテルに滞在しているんだけれど、昨日そのホテルのレストランの窓から風景を眺めて居るときに、ちょうどこのホテルを建て始めようとしている時のことを思い出したんだ。

ーセルリアンタワーって2001年にオープンしたからその数年前だとすると約20年も前の話だね。

:もうそんなに前の話なんだね。ちょうど建設が始まるところで敷地の周りにフェンスを建ててる最中だったんだ。当時ホテルの近くのお店にパンやペイストリーを買いに通っていたから良く覚えているんだ。それから訪れるたびに建物が高くなっていったよ。今ではそのホテルに泊まって景色を眺めているんだから。

ーフィルムの話に戻るけれど、マークが思うかっこいいスケーターって?

:かっこいいスケーターは、トリックがメイクできなくても不機嫌にならないスケーターだね(笑)。かっこ悪いスケーターは不機嫌になってスケートボードを投げたり地面に叩きつけるスケーターだよ。そう言いながら僕もやってしまうんだけれどね。スケートボードをやっていて思い通りにいかないときは仕方ないよ。若い時にひとりでロサンゼルスの710フリーウェイの近くでスケートしていたんだ。ロングビーチとパサデナを結ぶフリーウェイだよ。僕が転んでスケートボードを地面に叩きつけたんだ。そしたら近くを走っていたトラックがホーンをならして、僕が振り返ると中指を立てたんだ。たぶん、スケートボードに八つ当たりしていた僕に、それはかっこよくないってことを伝えたかったんだと思う。それが忘れられないよね。質問の答えではないけれど、最近は街で滑っているスケーターたちに優しい人が多くなったったという話をよく聞くんだ。街でスケートしていたら、警察が近寄ってきて怒られるのかと思ったら、スケート楽しんで! と言い残して去って行ったとか。

ーもしかしたらその警察官もスケートボーダーだったのかもしれないね。

:そうだね。その可能性はあるね。スケートボードをしていて、注意する警察官が自分より若いと何となく変な気分だよね。

ーマークはだいぶ前からアディダスのライダーとして滑っているけれど、チームのメンバーになって良かったことは?

:なんだろう? よく聞かれるんだけれど、いつもどう答えて良いのか分からないんだ。でも、ベストアスリートたちのことを思い出すと彼らはいつもアディダスを身にまとっているんだ。モハメド・アリもそうだし、幼い時から見ているオリンピックでも最高のパフォーマンスを見せるアスリートたちはいつもアディダスなんだ。だから僕もアディダスのシューズを履いているのかも。

ーなんだか素敵な答えだね。アディダスのスケートシューズで好きなモデルはある? もしくは自分でスケートシューズを作れるとしたらどんなシューズを作りたい?

:好きなモデルというよりも、履き古したシューズが好き。新品のスケートシューズはスケートをするのに適していないときがあると思うんだ。新しいからまだ硬いし足に馴染んでいないから。だから履き古したスケートシューズを履いてスケートしたい。一足のシューズを長くはき続けるのが好きなんだ。

ーなるほどね。アートのことについて聞かせてもらえる? 最近はどんな物事に影響を受けて作品作りをしているの?

:最近はホットロッドのクルマとかに描かれている炎の絵を描くことが多いかな。あとはマスキングテープを貼って、その上からスプレーペイントをしてテープを剥がして仕上げる作品をよく作っているよ。その技法でスケートボードの上に作品を描いているんだ。

ー前回話しをした時はiPadを使った作品づくりに凝っていたよね?

:実はもうiPadはやめたんだ。あるとき片手に自転車、カバンの中にiPadとペットボトルの水を持ってスケートボードに乗っていたんだ。

ーえっ? 自転車に乗ってスケートボードとカバンを持っていたのではなくて、スケートボードに乗って自転車とカバンを持っていたの? なんだかすごいね。

:そうなんだよ(笑)。滑っていて急にガタガタの道になってつまずいて転んでしまったんだ。ペットボトルもiPadも無傷だったんだけれど、iPadを使おうとしたら壊れていて。もうそれ以来iPadを使うのをやめたんだよね。当時の僕はiPad中毒になっていたんだ。iPadいじりで忙しくて約束に遅れたりしていたんだ。スケートボードよりiPadの方が好きになりかけていたんだよね。だから、転んでiPadが壊れて良かったと思っているよ。スケートボーディングのアニメーションを作っている方が、実際にスケートボードをするより楽しくなっていたなんて今考えるとおかしな話しだよね。このトリックをしてハンドレールに入ってダウンステア、みたいなアニメーションを作っていたな。

ーじゃあ今はスケートしているんだね。最近注目しているアーティストはいる?

:最近注目しているのは友達でもあるカーティス・クリグかな。「Love me」という作品が有名だよ。彼の作品はいろいろなところで見ることができる。他に誰かいるかな?レオ・フィッツパトリックがギャラリーをやっていて、彼のギャラリーで最近展示していたのが、デイビッド・アーロン。彼の作品も好きなんだ。ランス・マウンテンの息子も最近クルキッドのゲストアーティストとしてボードのアートワークを手がけてくれたんだ。

ーマット・オブライエンがクルキッドのために作った映像も良かったよね。ドット柄のデッキもかっこよかった。

:マット・オブライエンはいいアーティストだよ。彼のスケートスタイルも好き。ギャング・ギャング・ダンスのアーティストも好きだね。

ー最近スケートやアート以外でハマっていることは?

:最近は良くスイミングをしている。家族で過ごす時間も大切にしているしね。スケートとアート以外でもいい時間を過ごしているんだ。アートもスケートでも他の人を鑑賞することが重要だって思うんだ。美術館に行ってアートを見たり、最近ではYouTubeで他のスケーターたちの滑りを見たりね。

ーなるほど。これからやってみたいことや夢があったら教えて!

:ちょうどココへ来るときにテクノロジーについて話をしていたんだ。飛行機が飛んだり電車が走ったりすることについてね。だからスケートボードをこれまでとは違ったマテリアルで作ったら面白いんじゃないかな? って考えているよ。

ーどんな素材で作ったらいいと思うの?

:セラミックとかね。ロケットとか宇宙船とか、セラミックを使って作られている物が多いからね。あと、ボードのトラックがカチャッと簡単に取り付けられたらいいなって思っているよ。ボルトとナットで取り付けるのではなくてね。レールとかもワンタッチで取り付けられたらいいよね。

ー最近たまにレールを付けている人も見かけるようになったけど、レールとはなかなかクラシックなパーツだね(笑)。『Away Days』もマークの考えるスケートボードが形になっていることを楽しみにしているよ! 今日はありがとう!

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