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国井栄之がみた、ニューバランスの本質と新作「1978」

Shigeyuki Kunii meets New Balance 「1978」

国井栄之がみた、ニューバランスの本質と新作「1978」

2016年にブランド110周年を迎えたニューバランスが、創業時から大切に守り続けているMADE IN U.S.A.さらにMADE IN U.K.のクラフトマンシップをブランドのコアと捉えて、新しく「made.」と称し、イメージを刷新。そして今年、ブランドにとって非常に改進的な出来事が起きた1978年を由来とし、ソールに至るまですべてをアメリカで製造したモデル「1978」をリリースする。その誕生に至る背景とボストン工場を体感するツアーに参加したミタスニーカーズの国井栄之氏に、魅力を訊いた。

  • Edit_Ryutaro Yanaka
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ーまずは、今回もニューバランス誕生の地アメリカ・ボストンにいらっしゃいましたが、今回で何度目ですか?

国井:2回目です。2007年にリリースされたスーパーチーム33(※ニューバランスが誇る、熟練クラフトマン集団)とのプロジェクトに参加したときが1度目で、本社と最も歴史のあるスコヘーゲン工場を訪れました。

ー今回来てみて、街の雰囲気など変化は感じられますか?

国井:ちょっと時間が経ってしまったので明確には覚えていないですが…、世界でも名を馳せるスニーカーブティックの影響力が顕著に現れてきてる気もしますし、新しい建物も増えていると思います。変わっていないところは、まったく変わっていないですが。

ファクトリー内に展示される「1978」を写真に収める国井氏。

―今回は「1978」のアッパー部分を縫製していたノーリッジウォックのファクトリー、ソールを製造しているボストンのブライトンファクトリーを訪れたので、前回と同じファクトリーには行けていないんですが、受けた印象に違いはありますか?

「1978」を製造する、メイン州ノーリッジウォックにあるファクトリー。

ノーリッジウォックファクトリーでの作業風景を写真に収める国井氏。

国井:プレスツアーだったので、精鋭が集められて作業されていた印象はありましたね。前回はもう少しラフに作業していた印象があり、やはりアメリカですから「クオリティとか、どうなんだろ?」と思っていましたが、手先とか作業風景を見ると細やかな部分はしっかりしていましたし、クオリティチェックに関しても厳しく精査され、より洗練されていたと思います。

レザーからパーツを切り出す熟練の職人。

クオリティテェックは万全。職人たちの仕上げ作業も丁寧です。

ー新社屋も訪れましたが、その感想も少しお聞かせ願えますか?

ボストンのブライトン地区に新たに建設されたニューバランスの新社屋。

入り口のディスプレイには、ヘクティクとミタスニーカーズが過去に手がけた「580」も飾られていました。

国井:昔のニューバランスの社屋などから比べると、あんなに近代的になったのには正直驚きました。どこかのエリアにニューバランスがあるというよりは、あのエリアはニューバランスのために再開発されているというイメージでした。地元の方々を雇うことで雇用を守ってきたと伺っていましたが、さらに会社が大きくなることでボストンという街の雇用を拡大していく姿勢も素晴らしいなと思いました。

ーそろそろ本題に。今回リリースされる「1978」を製造する工程含めて、ご覧になった感想を伺いたく。

国井:プロダクト自体は既に拝見していましたが、今回ファクトリーまで見てきて一番驚いたのは、ソールまですべてアメリカで作られていたことですね。

2002年に新設されたボストン マニファクチャリングでは「1978」のソールユニットを製造。

ー「990」開発当時、ベストなアウトソールを作るためのパートナーシップを結んでいたヴィブラム(Vibram)社と再度手を組んで、ワンピースインジェクションソールユニットというのを開発していたのは僕も驚きました。

国井:以前までは機能性の高いソールユニットはアジアで作って、アメリカで縫製したアッパーとノックダウンして完成させていたのに、今回は「1978」のために2002年に新設されたボストンのブライトンファクトリーで最新鋭のマシンを導入しソールまで作って、純度100%のアメリカ製ニューバランスを手がけていたのには本当に驚きました。

かつてはアジアで製造していたソールも、「1978」ではアメリカにて製造。完全なるMADE IN U.S.A.を実現します。

ヴィブラム(Vibram)社と共同開発したソールを製造する機械。

国井:最初、展示会で見たときは、自分は懐古主義ではないですけど…、頑なに王道を守り続けていくのがMADE IN U.S.A.のニューバランスのイメージだったので意外ですし、正直「どうなんだろう…?」って思ったんですが、今回のツアーを体験し、プロダクト担当者の思いや製造の過程を目の当たりにすることによって、捉え方を柔軟にして貰えた気がします。100%アメリカ製のスニーカーを作るという部分において、いろいろなチャレンジも含めて、「1978」の必要性や役割を実感しましたし、シューズの見方が180度変わりました。

ーアメリカ製で、「1978」のようなイノヴェイティブな要素を持ったモデルは今回が初なわけですが、あのモデルを経て今後どうなっていくのかなど、国井さんが期待する部分を教えていただけますか?

クラフトマンシップと新テクノロジーを融合させて誕生した新モデル「1978」シリーズ。

国井:今回から「made.」という言葉がキーワードになって、この言葉にも色々な意味が含まれるとは思うんですけど、まずは長年の愛用者を置き去りにしないことを前提に更なる追求を魅せたプロダクトであるということが重要ですよね。ニューバランスがアメリカ製を続けていく上で、伝統を守り続けるにしても進化していくことは絶対に必須ですから、今回のようなイノヴェイティブなチャレンジにも取り組んでいただきたいです。実際ここ数年続くニューバランスの破竹の勢いがある反面、MADE IN U.S.A.のヘリテイジモデルの価値が少し擦り減っている部分もある気がしまして…。そんな中で、”新しいMADE IN U.S.A.のカタチ”というものにチャレンジしていかなくてはいけないんだなっていうのが「1978」というモデルからも感じ取れました。

ー逆にこうなって欲しくない部分は?

国井:よく、MADE IN U.S.A.を語りたいばかりの商材っていうのが少し世に溢れている中で、ニューバランスはちゃんとクラフトマンシップという部分において1ランクも2ランクもステージを上げようとしている気概は感じたので、そこは大切にしていただきたいです。あと、今回いろいろな方々のお話を聞く中で「フューチャークラシック」とか「モダンクラフトマンシップ」とかという言葉を耳にして、今までニューバランスが提唱してきたフィロソフィーというものをエレベートさせようという意識は強く感じたので、ネガティブな印象はありませんでした。

ー「名より実を」というか、MADE IN U.S.A.である意味の本質を伝えていって欲しいですね。

国井:ミタスニーカーズとして今まで幾度となくコラボレートさせていただき、「580」をリリースする際も、ニューバランスファンにはMADE IN U.S.A.、MADE IN U.K.の信者が多く、その価値観を少しでも拡げようと労力を使ってきました。今後も「ニューバランスのMADE IN U.S.A.、MADE IN U.K.は、こうあるべき」という概念をどう変えていくべきかというのを、ニューバランスの方々だけでなく、商品を取り扱わせて頂く僕たちもちゃんとした魅力とか、「意味・意義があってこういうことをやっているんだよ」というのをきちんと伝えていくべきミッションが与えられたのは、良い勉強にも強いプレッシャーにもなりましたね。

「1978」を履いて登場したジム・デービス会長と記念撮影。

ーありがとうございました。

今回、ニューバランスが誇る名作「990」を現代の新しいテクノロジーと工法を組み合わせて再構築させてリリースする「1978」。ヴィブラム(Vibram)社と手を組み、高次元の軽量性と耐久性、そしてクッション性を実現するワンピースインジェクションソールユニットを「1978」の為にアメリカ・ボストンのブライトン工場で開発・製造するなど、すべてをMADE IN U.S.A.にこだわって制作。クラフトマンシップとイノヴェイティブを融合させた逸足を、ぜひ皆さんも体感してみてください。

ML1978 ¥17,800+TAX 23.0~29.0,30.0cm  カラー:ブラック/グレー、バーガンディ、ネービー  発売日:3月18日(土)

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