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親子をつなぐ弁当づくりと日々のこと。 TOKYO No.1 SOUL SET 渡辺俊美×BRAHMAN TOSHI-LOW

2014.07.08

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「どう生きるのかってことを常に自分に問いかけていたい(渡辺俊美)」

TOSHI-LOW: 今度、俊美さんにウチのお弁当を作って欲しいんですよ。

俊美: キャラ弁みたいなのは作れないけど、それでよかったら。俺も次、女の子が生まれる予定なんだよね。もし、女の子だったらやっぱり可愛いのを作りたいね。でも、あんまり可愛いのを作りすぎちゃうと女の子ってすごい妬みも僻みもすごいから、いじめられるかなーとか思ったりして。

TOSHI-LOW: 女子の世界まで考えているなんてすごいっすね。

俊美: だって、今から心配なんだもん。でも極端な話をすると、いじめられたほうが俺的には全然いいんだよね。人をいじめる側にならないように育てたいと思うから。思春期って完璧にどちらかに分かれちゃうようなところがあるからね。いじめられてシクシク泣いているほうにどうやったら育てられるかなって思ったりするよ。

TOSHI-LOW: じゃあやっぱり長嶋のキャラ弁がいいですよ! はじめてのキャラ弁は背番号3番の数字を青のりで描いて。そしたら必ずいじめられる側になれるはず(笑)。

俊美: アハハハハ!

TOSHI-LOW: それかジミヘン!

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俊美: 弁当真っ黒になるね(笑)。俺の弁当づくりは朝起きてからメニューを考えるスタイルなんだけれど、朝から物事を考える作業ができることが嬉しいんだよね。子どもに弁当を作るお陰でそういうことをさせてもらっていることに喜びを感じる。さらに、弁当を食べた子どもが喜んだり驚いたりしてくれると、またその気持に応えたくなる。だから作るものも「なんでもいいや」にならないんだよね。俺の勝手な想いだけれど、そのほうがこちらの想像力が伝わる気もするんだ。完璧に伝わるとは思わないけれど、楽しんでやっている姿は伝わるんじゃないかなって。

TOSHI-LOW: そうですよね。俺なんか久々に俊美さんに会ったとき「どうやって、オクラを星形にするんですか?」って、いちばん最初に聞きましたからね。子どもが喜ぶようなテクを知りたくて(笑)。

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渡辺俊美弁当ギャラリー

俊美: だいたい音楽の話とかしなかったもんね(笑)。それまでは震災があってお互いシビアでシリアスな話が中心だったし。やっと1年経ったくらいで弁当の話ができるようになったというのも、お互い少し余裕ができて見る世界がすごく広がったんだろうなって思ったな。まさかお弁当のことを聞かれると思わなかったから。

TOSHI-LOW: 子どもが通っている小学校が給食がないんですよ。だから、お弁当は毎日持たせないといけない。実際に作ってみると美味しいお弁当を作ることと、子どもがよく食べるお弁当を作るのでは考え方が全く違うことに気がついたんですよ。そのときにやっぱり"面白さ"が大事なんだなってことに行き着いた。それで、夏はそうめんを持って行かせたりもして。つゆを氷のように固めて保冷剤にして、茹でたそうめんをねじって入れた簡単なものなんですけれど。ちょうど昼になると、そのそうめんのつゆが溶けていい具合で食べられるっていう。これは面白かったみたいで好評でした。

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俊美: (笑)。登山家みたいな発想だね。登ったときに食べられるみたいな。

TOSHI-LOW: あと、先生に怒られたのは、カンパン。缶切りの存在をウチの子が知らなかったから、教えるためにもいいかなって思ったんです。僕らは桃缶とか食べたくて、缶切りを使って手を切ったりしていた世代じゃないですか。よく考えたら、そういうことが今はなくなっているなと思って。でも、先生には缶切りは危ないんで持たせないでもらえますか、って言われちゃって。実際、息子は缶を開けようと頑張ってみたものの異様に時間がかかって、昼休みがなくなっちゃったみたい(笑)。

俊美: TOSHI-LOWもかなり楽しんでるね。そういう話を聞くとほんと嬉しくなる。やっぱりさ、ライブでもそうだけれど、めんどくせーなーって思ってやったら、そういうライブになっちゃうし、伝わっちゃうんですよね。丁寧にやったことが評価されるのって、弁当のことに限らず、全部繋がっていくと思うしね。BRAHMANもアルバムをそんなにポンポン出す方ではないけれど、やっぱり丁寧に作ったものだからみんなに伝わるんだと思う。俺はこの本が評価されたことはすごく嬉しかったんだけれど、発売日に「早速アマゾンで買って読みました」という声を聞いて、ちょっとこの「話題になってる感」がヤバイなって思ったの。発売日に俺はミュージシャンなんだぞ! って身を引き締めて、1曲書いた。その時、この本の「461個の弁当」という数字を見て、365日に置き換えたら何ができるか考えてみたら、365日ライブをしてみたいなと思い立って。この本が生まれたことで、また違う目標を持つことができたんだよね。

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TOSHI-LOW: すごいなー。そんなにポジティブでしたっけ?(笑)

俊美: やっぱりどう生きるのかってことを常に自分に問いかけていたいんだよね。365日ライブをやりたいし、そのために曲も書きたいし、日常のなんでもない曲とかも書きたい。この歳になっても、やりたいことは山ほどある。

TOSHI-LOW: 歳を重ねてもまだまだクリエイティブを探し続けて自分の足で稼ぐ。俺ら下の世代が見習うべきことだって思いますね。やっぱり自分の足で培ったものは、すべて次に繋がるものだと俊美さんが体現してくれているから。

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