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We are Good Neighbors. 相場正一郎×濱田大介 ローカリズムの理想を追い求める代々木公園エリアのキーマンたち。

2014.06.12

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「朝に色々な人が立ち寄れる場所を作りたくて(相場)」

-ところで、相場さんが「LIFE」を作るときに、このあたりを選んだ経緯を教えてください。

相場: それまで原宿でお店をやっていたので、この辺りに土地勘があったというのも大きいですが、それよりもお店を出すとなったときに渋谷、原宿というような規模が大きいエリアだと、個性的なことをやればやるほど個性が消えていくような感じがしたんです。自分の好きなものってやっぱりそんなに変わらないし、色々考えた結果、自分の個性が一番輝くだろう場所が、代々木八幡の商店街だったんです。

-商圏の大きいエリアだと埋もれてしまうというか。

相場: そうですね。このへんであれば目立てるというのもあったし、人も結構いるしという。あとはうちの親父がこの辺りを見て、「この商店街には活気があるからいいんじゃないか」と言ってくれたのは自信になりましたね。ただ、当時は今ほどお店はなかったですけどね。

濱田: 面白いなって思うのは、街ってひとつキーになるようなお店ができることで、フッと輝き始めるんですよね。そのお店の周りに、また一つ、また一つと違うお店ができはじめて、どんどん色鮮やかになっていくというか。

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-なるほど。それまであまり人通りがなかったエリアに人が集まり始めるのには、必ずきっかけとなる何かがあるんでしょうか?

濱田: 絶対あると思います。僕はそれがレストランだと思うんですよね。NYとかも、そんなにパッとしなかったエリアに、良い感じのレストランができると、その周りに洋服屋さんとかクラブができ始めたりしましたし。それと、結局主役はお客さんなので、その辺りに集うみなさんがどういう風にお店を使ってくれるかも大きなポイントですよね。

-そういう意味では、代々木八幡、公園エリアはいかがでしょう?

濱田: 僕はやっぱり「LIFE」が大きいんじゃないかと思います。

-相場さんはどう思われますか? 「LIFE」ができる前と、後とを比べてみて。

相場: 僕自身にはそこまでそういう意識はないんですが、ひとつ思うことはあの辺りって、なかなかいいサイズの物件が空かないんで、「LIFE」ぐらいの大きなお店を作れないんですよね。なので「LIFE」にみなさんが集まってくれたというのはあるかもしれません。ただ、僕からすれば大きく変わったのは、「リトルナップ」ができたここ3年ぐらいだと思います。また新たな色が出てきたというか。一番変わったのは、外部からも人が来るような街になったところですね。それまでは近隣の住人たちに愛されるような街だったんですけど、濱田さんみたいな発信力の強い人が入ってきたことで、その部分に変化が起きました。

-なるほど。

相場: 濱田さんが、だいぶ遠くの方まで発信したと思います(笑)。「LIFE」のお客さんにも影響がありますよ。週末のお客さんの感じはだいぶ変わりました。

濱田: 確かにここ2年くらいで、あの一帯は変わったかもしれませんね。あと、コーヒーカルチャー的には「フグレン(FUGLEN)」ができたのも大きいですね。

相場: あっ、「フグレン」は確かにそうですね。大きいかもしれない。

濱田: ですよね。あとはその後に「PADDLERS COFFEE(パドラーズ・コーヒー)」が参宮橋の「LIFE son」にできたりして、駅を一つ進むごとにいいコーヒー屋さんが一つあるっていう状況でしたよね。なので、コーヒー業界に関していえばわりと連携が取れていたというか。元々僕ら3店舗は仲がよかったので。

-確かにここいらあたりは充実してますね、コーヒーを飲むには。

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相場: あとは、パンでいえば、「ルヴァン(Le vain)」という巨匠の名店が富ヶ谷にあって。で、そこで修行した樽井さんが、「LIFE son」で「TARUI BAKERY」を始めて。それはやっぱりザワザワしてきますよね。

濱田: ですね。コーヒー好き、ごはん好き、パン好き、音楽好きがみんな集まってきましたよね。あと代々木八幡には「ニューポート(NEWPORT)」もあるし。

-お二人の場合は、食以外のカルチャーを積極的に取り入れて色々な活動をされてますよね。

相場: 濱田さんのイベントは、わりと音楽寄りですよね。僕は常に食寄りですが。

濱田: まぁそうですね。食には最高の音楽があったらいいな、というのはずっと思ってきたことなんで。こないだは「YOYOGIG(ヨヨギグ)」という音楽イベントの2回目を代々木上原の家具屋さん「アーケストラ(ARKESTRA)」でやりました。3回目はぜひ「LIFE」でやりたいですね(笑)。小池アミーゴさんとか、共通の知りあいもいますしね。

相場: ぜひぜひ。

-今回「LIFE son」で行われるイベント「life sunday morning market」は、「朝」にフォーカスしています。

相場: そうですね。この辺りの方たちは、土日に朝から動いている人が多いので、そういう人たちが立ち寄れる場所を作りたいなと思ったのがきっかけです。あとは2年前に見た、サンフランシスコの「タルティーヌ・ベーカリー(TURTINE BAKERY)」にも影響されてます。

-著書にも書かれてましたね。

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相場: そうなんです。あそこは毎日朝から営業をしていて、すごく盛り上がっているんですよね。で、夜は「バー・タルティーヌ(BAR TURTINE)」が営業をしていて。そのスタイルがすごく魅力的で、いつかやりたいなと思っていたんです。だから夜の営業があんまりよくなければ、いっそ朝方のお店にしてもいいな、とは常に思っているんです。ただ、今は夜にもお客さんが来てくれるので、このスタイルでいきますけどね。「LIFEson」はそういった"実験"をしているお店でもあるんです。

-普段は、それこそ近隣のお客さんが中心なんですか?

相場: もちろんお近くの方が多いとは思うんですが、けっこう色々なところから来てもらっているような気がします。近場の全域というか。代々木上原、代々木公園、代々木八幡、駒場東大前、初台、参宮橋、西原とかそういう感じですね。

濱田: イベントのときはすごく遠くから来てくれる方もいますよね。

-次回で3回目を迎える「life sunday morning market」ですが、毎回かなりの動員があるんですよね。

濱田: いやもうすごいですよ。僕もこないだちょこっと行ったんですけど。すごい人でした。なので、注文もけっこう待つ感じなんですけど、それがあんまりいやな雰囲気じゃないんですよね。それすらもみんな楽しんでるような気がして、すごくいいなって思いました。

相場: パンだけを買って行かれる方もいますし、コーヒーをテイクアウトするだけのお客さんもいるので、利用の仕方は人それぞれなんですが、それぞれが上手に時間を過ごしてくれていたような気がしますね。

-次回(6月15日)はどんなイベントになりそうなんですか?

相場: それをまだ決めてないんですよね。ちょっと今打ち合わせしてもいいですか?(笑)

濱田: うーん、なにやろうかな??(笑) 最初ゆるーい感じで話をもらったんで、いつもの通りの気ままな感じでいこうかなと思ってたら、お客さんがとにかくすごいし、オペレーションどうしようかなーって(笑)。

-初回のゲストが栃木県黒磯の「SHOZO CAFE」の菊池省三さん、そして二回目が鎌倉の「cafe vivement dimanche」の堀内隆志さんでした。

濱田: そう、それを聞いて「わー、大御所だなー」って(笑)。

相場: オープンから、1時間半ぐらいは確かにわーっときますね。

濱田: ですよね。アシスタントいないとまずいかなぁ? 「PADDLERS COFFEE」の松島くんにお願いしようかなって(笑)。

-舞い戻る感じで(笑)。

濱田: そうそう。手伝いましょうか?なんて言ってたから。

相場: いいですね。ぜひぜひ呼んでくださいよ。彼らもまだ路面店はないので。(2014年6月現在は、明治通り沿いの「TODD SNYDER TOWN HOUSE」の2Fに拠点を置く)

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-さきほどもお話に出ましたが、みなさんそのあたりは仲良しなんですね。

濱田: それこそ、「PADDLERS COFFEE」の松島くんは自分で始める前に、僕のところに相談に来たんですよ。そのときに「日本のコーヒー屋を回るんだったら、もう世界に行っちゃえよ」ってけしかけたんです。世界って言っても、お店ではなくて農園です。お店で出してるコーヒーがどうやって作られてるかを、自分の目で見るだけで全然違うよって。そしたらその話をした一ヶ月後ぐらいに、本当にグアテマラに行って。

-行動力ありますね。

濱田: そう。そのとき、これからはこういう子だなって思いましたね。バリスタとしてどれだけのキャリアがあって、とかそういうことじゃなくて、バーンって飛び込んでいくやつの方が輝くなって。それからしばらくしたら「実は『LIFE son』でやらせていただくことになりまして」って。しかも「豆は『スタンプタウン コーヒー ロースターズ(Stumptown Coffee Roasters)』のものを使うことになりまして」って。えー!っていう(笑)。

-ポートランドを代表するコーヒーロースターですもんね。

濱田: そう。だから、勉強ばっかりして内に閉じこもってるような人より、どんどん外に出て吸収して、"出会って"いけるような人の方が成長が早いと思うんです。僕もそういうタイプだったんで。その方がケミストリーが生まれるんですよ。あと、いきなりお店をやるんじゃなくて、まずショップインショップという形でやるのは、今の時代にすごく合ってるなって。「LIFE son」はお客さんもすごくいい感じだし、そこで美味しいコーヒーを飲めるなら言うことないねって。

相場: 松っちゃんは濱田さんにちょこちょこ相談してましたよね。

濱田: ですね。急にお店やったら、ぶつぶつ文句言われるんじゃないかって、ビビりながら相談に来ましたけどね(笑)。あと「フグレン」も最初ずっと相談に来てましたね。

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