完璧なダッフルコートが完成しました。

―随分と出し惜しみなく作り上げた1着という印象を受けたのですが、このようなアイテムが受け入れられる土壌は整っているとお考えでしょうか?

松本:情報過多により、世界中のブランドを知ることができる状況になって久しいのですが、選択肢が増えすぎた反動で定番の魅力が再確認されていると思います。とはいえ、昔のまんまを持ってくると気分にアジャストできません。先ほど言ったように、より快適なモノを求める欲求は自然なこと。ダッフルはパターン的には肩に荷重されるような作りになっているものなのですが、それは屈強な欧米人が着ることをベースにしているからという、服が持つ歴史があります。それでは快適どころかストレスになってしまうので、日本人ならではの創意工夫で現代的にブラッシュアップさせればいいという方向性ですね。快適さを求めながらもノスタルジックでクラシックな気分は取り入れたいという方々は少なくないのではないでしょうか。

―渾身の1着が完成したということで、読者へのメッセージを最後にお願いします。

松本:大げさな物言いではなく、本当に完璧なものが出来上がりました。フードのアウターといえばダッフル。快適かつしっかりとした系譜の上にあるものとなっているので、袖を通してもらえば理解していただけるに違いありません。B&Yではさらに様々な仕掛けを用意してますので、そちらもよろしくお願いします。

難しい話を噛み砕いて伝えてくれるスキルはスマートさの証。洋服をディテールや歴史だけでなく、ファッションとして捉える視野の広さがB&Yの快進撃を牽引しているのでしょう。

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