Raf Simons ラフ シモンズ

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ラフ・シモンズはショーや展示会の会場に非常にこだわるデザイナーです。以前インタビューをしたことがあり、「観客が会場を訪れる時からショーは始まっている」と語っていました。毎シーズン「こんな場所で!?」と、びっくりさせられる場所を会場として選んでいます。今回のショー会場はなんと、銀行の本店のエントランスホール。天井がドーム型になったクラシックな様式だけど、ガラス張りになっていて、モダンクラシックな雰囲気。階下から階段を上がって姿を現すモデル、まず前半はオールホワイトのコーディネート。これは、ラフ自身がデザイナーを目指したきっかけともなった、マルタン マルジェラへのリスペクトを込めたもの。'89-'90sのマルジェラからインスピレーションを得ているそうです。また、同時にこの2011年春夏はラフ シモンズのデビュー15周年。ノースリーブやタイドアップのスクールボーイは、アーカイブのスタイルですね。フロントやバックには大きな飾りのついたジッパー、コントラストのはっきりしたスタイリングもラフらしい。ミントグリーンやレモンイエロー、ピンクなど、差し込まれた色たちもキレイでした。また、毎回必ずチェックするのはBGM。ショーの後半、スマッシング・パンプキンズの『Tonight Tonight』が流れた時に、会場のテンションが上がった気がしたのは、私だけでしょうか。ラフ・シモンズは会場、洋服、BGMが三位一体となってコンプリートする、体感型デザイナーなのです。
www.rafsimons.com/
今回の展示会場は、18区にあるラフの友人のギャラリーを貸し切って行われました。倉庫を改装したような広大な建物にずらりとピースが並ぶ。

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色とりどりのテープが貼られたテーラードジャケットは、ウエストのシェイプが美しい!しばし見とれてしまった。

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黒い縁取りがグラフィカルでインパクトあるスニーカー。

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ラフ・シモンズのグラフィックといったら、ポーターズコックス。今回も多数展開していました。

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オペ(手術)のときに使うゴム製グローブのファブリックを、さらに薄く加工したラテックスのカットソー。こういったプロダクトっぽいアイテムからラフらしさが感じられます。


Margaret Howell マーガレット ハウエル

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 マドレーヌ寺院の前にある、『マーガレット ハウエル』のパリ店が展示会場。優しい日差しが差し込むドットガラスのアーチ天井は本当にかわいくて、つい洋服を見ている視線がつい上へといってしまいます。建物は改装しているけど、ガラスは150年前のものだとか! フランス人のセンスってすばらしい。そんな素敵なショップで見た春夏コレクションは、インディゴブルーをキーカラーに、少しオーバーサイズで着るアウター類、ざっくりした素材などのアイテムが揃っていました。ワントーンで着こなすのが、春夏のスタイル提案だそうです。また、マーガレット ハウエルのファンなら知っていると思いますが、セレクトで置いている食器類やインテリア雑貨も、とってもセンスがいいんです。このパリのお店には、'30s~'50sアンティークの陶器がたくさんディスプレイされていました。渋谷店でも取り扱いのある、イギリスの「POOLE」や「Branksome China」は、なんといってもミニマルなフォルムが素敵。そして、日本の陶器では見られないモダンな色。ついそちらにも心を奪われてしまい、フラワーベースとカップ&ソーサー&ポットのセットを購入。ここの世界観にすっかり魅了されてしまいました。
www.margarethowell.jp/
お店は150年前からの建物を改装。当時は切手工場から散髪屋になったとか。マーガレットが、ドットガラスのアーチ天井を気に入って、ここに決まったそうです。

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ファッションウィーク中の一日だけを展示会用にアレンジして、ショップを開放しています。

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インディゴ染めされたライトなアイテムが豊富に揃っていました。

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キーカラーのインディゴブルーをグラデーションにした象徴的なスタイル。テーブル上は「POOLE」のフラワーベース。

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MARGARET HOWELL PARIS
6,place de la Madeleine 75008 Paris
+33.(0)1.42.61.90.00


Acne アクネ

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 社長でデザイナーのヨニー・ヨハンソンによるデニムからスタートした「アクネ」は、今やスウェーデンを代表するビッグ・カンパニー。前シーズンのパリでは、展示会と同時にお屋敷を貸し切ってデニムファニチャーを披露したりと、パリ進出を本格的にしてきています。今回は古いカフェを貸し切って、モデルをお立ち台に立たせるというプレゼンテーション。狭い店内には集まった人でギッシリ。注目度の高さは肌で感じたけれど、なんせ狭すぎるのでは...。遠目からはモデルもよく見えず、真正面から拝見。ちょっと洒落っ気を出したティーンネイジャーのパーティスタイルといったところでしょうか。社長のヨニーが学生時代に流行ったディスコ・カルチャーをヒントにしているそうです。スーパーショート丈パンツやチューリップハットがキーアイテムになっています。写真の、大きくネックが開いた肌触りのいいロングカットソーはレイヤードにも最適。日本でも人気が出そうだ。フィーチャリスティックなサングラスは、Thierry Lasryとのコラボレーション。コレクション期間中のパリは例年にない暑さ。最終日の夜だったせいか、みんなのお酒の量はハンパないようでした。
www.acnestudios.com/

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オーバーオールにチューリップハットのかわいいスタイリング。

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店内と外にモデルを立たせているが、この人の多さでまったく分からず。

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