vol.61
東京の今を表現するHAREの魅力とは?
HAREが目指すリアルのカタチとは?
スタイリスト坂元真澄さんと、ディレクター笠戸真衣さんが対談。
リアル目線の服作りでストリートで根強い支持を受ける〈HARE〉。2009年秋冬よりカタログ、広告ビジュアル制作にスタイリストの坂元真澄さんが参加。ディレクター笠戸さんと二人三脚で臨んだクリエイティブの背景とは? ある日突然、無茶ぶりされてとあるスポットで対戦させられた裏エピソードもこっそり教えます。
リアリティから引き出される〈HARE〉のクリエイション。
─ちょっと前までは"ハレラー"なんて言われていたように、ストリートに新たな潮流を巻き起こした張本人ともいえる、〈HARE〉。まずは服作りから伺いたいです。
笠戸:シーズン毎にテーマを作って、作業をしていきます。その時のトレンドやコレクション、情報だったりを盛り込んでいきますね。それと実際に歩いている人のリアルなスタイリングから影響を受けたりすることもありますよ。あとは自分たちの気分。今の〈HARE〉はそうやって作っています。
─となると、やっぱりインスピレーションを受けるものは?
笠戸:人体が着ている様とか、街の人とか。服好きな人たちの着こなしとかを見ているとリアリティがある。そこから一番引き出されることが多いですよ。
─坂元さんの中で〈HARE〉の服についてはどんな印象を持っていました?
坂元:最近ひさびさにプレスルームに行ったら、すごく激しくなってない? って思って。柄が多いんだけど、こんなに今まで柄ものがあったのかと。すごく驚きました。
笠戸:確かに多いです。今が一番、爆発してる感じですね。盛っちゃいました。
坂元:あと転写している物が意外だなっていうのはありましたね。メッセンジャーバッグに民族っぽい柄をプリントしていたり。それはそれで面白いなー、色々とチャレンジしているんだって印象的でした。〈HARE〉は意外とちょっとしたヒネリを効かせてくるブランドかなって思うんです。すごくベーシックなんだけど、実はこれってベーシック? みたいなところが好きで。例えばボーダーのバスクシャツにカモフラをプリントしたり。あ、そうだ。前から気になってたんだけど、サルエルっぽいパンツが多いのは何で?
笠戸:人気なんです。とくにウェブで買われる方が多いようです。
坂元:確かに人気ないと作り続けられないですよね。実際、着ている子達ってどんな人なのかな? イベントとかで集まってもらって、ちょっと見てみたいよね。"彼のサルエルの穿き方ちょっとおもしろいね"とか。そこまでサルエルパンツが流行って、そしてそのカタチがどこに行き着いているのか気になる。というのも、自分の周りで履きこなしている人は、m-floのバーバルくんしかいないから。バックリしかわからない。原宿、渋谷じゃなくて、ウェブで買う人はどんな人なんだろ、って思う。見えないだけに。
─ちなみに、坂元さんのスタイリングから着想を得た服ってあったりするんですか?
笠戸:すでにあるものからスタイリングしていただいているので、そこからは特にありませんね。でも、坂元さんが着ている服から作ったものはありますよ。例えばMA-1とか......。
坂元:えー、あれのこと? 似てない!(笑)
笠戸:確かにあれは結構デザインしちゃったかもしれません(笑)
プロフィール
坂元真澄(さかもとますみ)/スタイリスト。スタイリスト祐真朋樹氏に師事し、独立後はメンズを中心に雑誌、広告、〈ジョンローレンスサリバン〉や〈フェノメノン〉のコレクションなどを手掛ける。最近、第4次エルビス・プレスリーブームが到来。
笠戸真衣(かさどまい)/HAREディレクター。以前は〈ジーナシス(JEANASIS)〉の企画に携わりながら、2009年AWより、HAREのディレクションを担当。このところ気になるのは、映画「ノルウェイの森」。どんな映像になるか楽しみだそう。
じっくりと見られる適度な広さが心地良い渋谷店。神南エリアならではの落ち着いた雰囲気も魅力。
秋冬アイテムのデリバリーもひと段落。今季のイチオシは2wayで着こなせるスカートパンツ。色違いで押さえたい。