雑誌編集者やフォトグラファー、スタイリストが選んだのは、個々の感性が光る幅広い作品群。日頃から、ファッションだけでなくカルチャーにも敏感なクリエーターのいちおし作品は要チェックです。

TRANSIT 加藤 直徳さんのおすすめはコレ!

加藤 直徳
TRANSIT編集長
出版社勤務を経て、サーフェン智が代表を務める「euphoria FACTORY」に所属。トラベルカルチャー誌「TRANSIT」(講談社)を創刊。12月17日に12号「メキシコ特集」を発売した。
http://www.transit.ne.jp
twitter:@transitmag
「Friedlander」【BOOK】
作者:Lee Friedlander
猫も杓子も「写真」ブーム。じゃあ、写す意味は?と思ったときに開く写真集がコレ。MoMAにも多数コレクションされているフリードランダーの集大成(まだご存命です)。ファミリー写真、静物、スナップなど多岐に渡る作品が全て見られるところがニクイ。年末は特に、僕ら凡人も同じようなシチュエーションで写真を撮る機会も多いはず。これを見てなぜ写真を撮るのか、残すのか、という根源を見つめたい。
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「たった1分で人生が変わる 片づけの習慣」【BOOK】
作者:小松易 出版社:中経出版
何を隠そう自分自身が「片づけ」が苦手。年末の大掃除だけでなく、普段の習慣としての片づけを徹底的に基礎から教えてくれる。「例外を作るな」の一言には思わず自己省察せざるを得ない。服も本も音楽もあらゆるものをきちんと片づけて新しい年(人生)を始めたい。
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「PEDAL ペダル ピストバイク・ムーブメント in N.Y」【DVD】
監督:Peter Sutherland
変わり続ける街・NYはいつも男の心の中にある(と思う)。メトロポリタンの渋滞をニヤリとかわすメッセンジャーのドキュメンタリー。疾走感ある映像はもちろん快感だが「モノを運ぶ」という使命だけに生きる男の姿に涙する。また都市の底辺で生きる人々が垣間見られて、物事も世界も多角的に見なくては、という気持ちにさせる。年末、都市に生きる意味を自身に問うには良質すぎるDVDだ。

柴田 隆寛さんのおすすめはコレ!

柴田 隆寛
編集者
講談社『HUGE』を主戦場に、書籍やリトルプレス、カタログなどの編集も行う。編著に『リサ・ラーソン作品集』(ピエブックス)など。
http://www.hugemagazine.jp/
「自分の感受性ぐらい」【BOOK】
作者:茨木のり子 出版者:花神社
「2010年を反省したい人へ」今年も残すところあと10日。そろそろ反省モードに入った小生。誰かにしかってもらいたいけど、さすがにこの年になると誰もしかってはくれない。だけど、本を開けば、いつでも茨木さんが活を入れてくれる。"自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ"。
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「そばもん」【BOOK】
作者:山本おさむ 出版社:小学館
「除夜の鐘が鳴る前に」江戸時代の「三十日蕎麦(みそかそば)」という風習に端を発すると言われている「年越しそば」。『そばもん』は、蕎麦に関する滋味深い蘊蓄が人間ドラマとともに語られる。主人公・矢代の「常識をひっくり返せばいい」など金言も満載。蕎麦をたぐる前にぜひ。
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「ヘビーローテション」【CD+DVD】
出演:AKB48 製作:キングレコード
「踊りながら、新年を迎えるために」自称アイドルハンターとしての最近の関心事は、松井珠里奈(13歳/SKE48)の妙な貫禄が、星稜時代のゴジラ松井を彷彿とさせる件及び、村上隆のスーパーフラットを地でいく、まゆゆの崩れない前髪。来年も「マックスハイテンション♪」でいきたいもんです。

シトウレイさんのおすすめはコレ!

シトウレイ
フォトグラファー
原宿のファッションアイコン。東京のストリートファッションを海外に発信するサイト「STYLEfromTOKYO(http://reishito.com/)」を軸に幅広いメディアで活躍中。今年NYの権威あるファッションサイト「Fashionista.com」で 「世界でもっとも影響力のあるストリートスナップブロガー」に日本人で唯一選出、国内外からも注目度の高いフォトグラファー/ブロガー。
「細雪」【BOOK】
作者:谷崎潤一郎 出版社:新潮社
年末年始はやる事がないので長編に取り組むにはベストタイミング。
谷崎ファンとしては、長編ときたら細雪以外はありません。
この平安絵巻さながらの、のんびりとした世界観は
お正月のぐだぐだな時間と極めて絶妙にシンパします。
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「親孝行プレイ」【BOOK】
作者:みうらじゅん 出版社:角川文庫
年末はいつも実家の石川に帰るのが習わしなのですが、ついつい親元にいると甘えてばかりで、下手すると箸より重いものは持たずに過ごしている...。
そういう経験は私だけではないはず。
「今年こそは親孝行を!」をスローガンにしつつ、みうら御大の本を読んでみる事をオススメします。読了後はきっと、親と一緒にジャスコとか行きたくなる(はず)。
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「STYLE from TOKYO 2010S/S for ipad」【APP】
作者:シトウレイ 製作:Discover21
東京の街のファッションと、それにまつわるストーリーが描かれてます。
撮影した人達はそれぞれがそれぞれの人生があって、ストーリーがある。
オリジナルで、かけがえのない、その人の人生の一端をこの写真集を通して垣間見る事が出来ます。
読んだ後は、お外に出たくなること間違いなし。
そして街を歩く人達にとたんに好奇心が出てくる事、うけあい!
人って、街って、面白い。その楽しさをシェアできたら嬉しいです。
今回好評につき、第二弾決定!
詳細はコチラ→http://www.facebook.com/sftbook

池田尚輝さんのおすすめはコレ!

池田尚輝
スタイリスト
2000年よりフリーとして活動スタート。
4年半の活動の後'05年渡米(NYC)、'06年帰国後、雑誌、広告、CM、俳優、アーティストのスタイリングからブランドコンサルティングまで多岐に渡り手がける。
好きな陶器が民藝一辺倒から、最近は国内外の作家物にも波及しているそう。
http://www.houyhnhnm.jp/blog/ikeda/
「陰影礼賛」【BOOK】
作者: 谷崎潤一郎
日本美術の楽しみ方、価値観がガラッと変わる名著中の名著。
漆器や金箔、新しい障子に触れる機会の多いお正月にぴったりかと。
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「シカゴ育ち」【BOOK】
作者:スチュアートダイベック
風の街、シカゴの情景が詩情たっぷりに描かれている切なさを覚える短編集。
静かな静かな文面は、雪に囲まれた静けさの中で読みたい。
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「セント オブ ウーマン -夢の薫り-」【DVD】
盲目の退役軍人と一人の学生の一冬の繋がりを描いた感動作。
大好きなラストの演説、こういうのには弱いです。
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