The Nucleus of WISM. WISMの核となるアイテムを一気に紹介!
2012.09.01

グランドオープンからの滑り出しも好調な「WISM(ウィズム)」。今まで以上にウェア類が充実し、2012年秋冬は注目のブランドが相当ラインナップされます。そこで今回は、WISMの核となるアイテム群をプックアップするとともに、市之瀬・野田両氏にバイイングの決め手となったポイントを聞いてみました。どういう目線でモノ選びをしたのか、店作りの一端も垣間見えるのでかなり興味深いと思います。それでは後編となる第2弾スタートです!
Photo_Yuya Wada
Design_nakamuragraph
Edit_Ryutaro Yanaka
―では、海外で買い付けたインポートについて聞かせてください。
市之瀬智博氏(敬称略/以下市之瀬):まずは〈グレッグ ローレン〉。古着のリメイクって、昔は〈リバティーン〉とか〈WHEN THE WORLD WAS FLAT〉とかあったけど、最近あまり見掛けないから。再構築のブランドって、一周した観もあるし、サイクル的にも今あらためてアリなんじゃないかなと。〈グレッグ ローレン〉っていうブランド名には、そこまでこだわりはなかった。ただ佇まいは、とにかくキレイ。
野田晋作氏(敬称略/以下野田):他の古着のリメイクより作りは良いよね、クオリティが高い。WISMのコンセプトには「アート」もあるから、こういう作品性のある服は置きたかっし、ハマるんじゃないかなって。
野田:ピッティで新人賞を穫ったときから見てたんですが、好きなテイストで。匂いがある服を作ってるから、ひと目見て〈ウミット・ベナン〉の服って分かるしね。それで買い付けたいって話をしてたら、市之瀬も1stから見てて「好きだ」っていうから展開することに。
市之瀬:あとは、将来性の高さ。いわゆるメゾンと呼ばれているところを買うのか、それとも次世代のブランドを買うのかって問われたときに、これから伸びていきそうなブランドを選んだ。自分たちWISMは、次を狙って行こうと。
市之瀬:〈アダム キメル〉はインポートの核となるブランド。来季から1年お休みになっちゃうけど...。ランウェイショーをやっていない頃から、そのランクのブランドに引けを取らない認知度を持っていて、そういう力を持っているブランドっていうのはやっぱり良いよね。
野田:大人のストリートウェアとして市民権を得ているブランドですよね。
市之瀬:購入者の幅も広い。大人も買えるし、若いコも買えるってブランドなのは、値段的な意味じゃなくモノとして良い存在だと思う。
市之瀬:〈アダム キメル カーハート〉の方は価格も手頃だし、ストリートの色も強いから、コラボものとしては絶対にハズせないし。本来、ただのワークウェアだったブランドを進化させたり、再構築させてるっていう部分には惹かれますよね。モードにもストリートにもきちんと触れる幅の広さも魅力です。
市之瀬:カラーパレットがキレイだし、次世代ブランドとして注目してるんです。ただモードではないと思っていて、自分的にはフランス人が見たアメリカンストリート的なブランドだと考えてます。パンツのシルエットなんかも、"次"の感じが漂ってるから、当たるかどうかは未知数だけど、面白くなる気はしますよね。
野田:ワルくないストリートで、抜きどころを知ってるブランドな気がする。洒落てる感じが漂っていますよね。それがジャンクにもなっていないので、装うことの楽しさを上手く伝えてくれてる気がする。
市之瀬:ベーシックなところが良い。アメリカントラッドみたいな流れは若干落ち着いたとしても、店としては欠かせない。〈ラルフローレン〉とか〈GAP〉、〈OLD NAVY〉とかの卒業生が手掛けるブランドは絶対に店になきゃダメだと思ってるんです、廃れたとしても。ファンはいるし。そんな中でどのブランドをチョイスするかって言ったとき、アメリカの良い部分全般を上手く押さえてるところが良かった。このブランドの横に他の国のブランドが並んでても、バランス良くコーディネイトの提案が出来そうだなって思いました。
野田:〈バンドオブアウトサーダーズ〉より、良い意味で垢抜けていないって言うか、程良い感じが良いんですよ。
野田:〈アンドレア ポンピリオ〉もピッティで新人賞穫ったときに見てて、良いなと思ってたの。会場中で会う日本人バイヤーのほとんどが褒めていましたし。
―もう1人の受賞者〈エミリアーノ リナルディ〉は、買い付けなかったのですか?
野田:〈エミリアーノ リナルディ〉は良いんだけど、ちょっと洒落すぎてる。キザな感じが強いのかな。個人的には好きなんだけどね。
市之瀬:〈アンドレア ポンピリオ〉の方が、程良い抜け感を感じるしね。
野田:ウィメンズを見てて良かったから、メンズを見に行って。良かったから買いたいって言ったら、最初は市之瀬に「え〜っ...」って言われた(笑)。
市之瀬:ブランド設立当時のイメージが強かったから...。でも、実際に見てみたら当時の奇抜さが削ぎ落とされて、毒々しさもなくなってた。普通に着こなせるアイテムも増えてて、WISMにハマる気がしました。
野田:どちらも自分たちが考えるコーディネイトに合う服を選んで買ってるから。モード寄りなブランドの中では1番WISMに合う服だと思いましたね。
次のページでは「核となるドメスティックブランド」について聞いていきます。