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World Street Classic Vol.4

2012.09.03

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さて、うだるような暑さも落ち着き、第4回目に突入する「World Street Classic」。 今回は、Poggy、小野田両氏が考える「ウェルドレスドマン」の話です。正統派の洒落者から、ひと癖もふた癖もある洒脱者まで、彼らが考えるファッションを粋に楽しんでいる世界の男たちについてアツく語っていきます。是非ご一読を。

Photo_Yuya Wada
Edit_Ryutaro Yanaka

僕たちのウェルドレスドマン。

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―それでは、始めますか?

小木 "Poggy" 基史氏(敬称略/以下Poggy):はい、今回は、僕たちのウェルドレスドマン(Well Dressed Man)について。日本の雑誌ではあまり登場しなかったり、出ていたとしてもその奥にある部分は語られていなかったりすることが多いので。そんな部分を一緒に楽しんでもらえたらと思ってます。まずはジュールス・ゲイトン(Jules・Gayton)から。彼のドレスアップは確か、フミちゃんのブログで初めて見たのかな。

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小野田 史氏(敬称略/以下小野田):〈SWAGGER〉のムック本に、特別コラムのような感じで〈STUSSY〉オリジナルトライブメンバーとして登場していました。そこに掲載されていた若い頃の写真がヤバくて。

Poggy:〈S/DOUBLE〉のオープニングでショーン・ステューシーに初めて会ったのですが、恐らく〈ブルックスブラザーズ〉のスーツの袖をさりげなく本切羽にしていて、それにシャンブレーのBDシャツで、〈VANS〉のエラを合わせて着こなしていたのが印象的で。しかも、それが奇をてらっている訳ではなくて自然に見えるんです。初期から彼をよく知っている方に聞いた話ですが、かつてマルコム・マクラーレンのレコードジャケットをショーン・ステューシーが描いたときに「ギャラはいらないから、あなたが持っているスーツをくれたら、それでいいよ」って言った話があって。

―なんだか、面白い話ですね。

小野田:〈ヨウジヤマモト〉のスーツを貰った、という話は昔、確か『スタジオヴォイス』のインタビューに出ていましたね。

Poggy:〈STUSSY〉オリジナルトライブのメンバーは、普段はカジュアルでも、スーツも着こなしたり、場所によって使い分けて楽しんで、それが自然とライフスタイルなっていたんだなと。それをジュールズの写真を見ても感じたし、カッコ良いなと思いました。あと、ポール・ミッテルマンのインスタグラム見てたら、田舎で生活しているのか、自分でショベルカー持ってて、自分の庭を造っているっぽかったんですよ。その辺も白州次郎的なね(笑)。

小野田:カントリージェントルマンだ。

Poggy:ジュールスの40sっぽいスタイルもカッコ良いんですよ。当時は、あのスタイルでクラブに行ってたらしいんですよ。

小野田:もちろん〈STUSSY〉オリジナルなビーチパンツにポロといった80sのサーフスタイルもカッコ良いんですけど、ストリートの人がドレスアップしたときの飛躍の仕方がカッコ良い。魅力がとにかく跳ね上がる。結構デコラティブにアクセサリーを着けていても、嫌味じゃないし。

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Poggy:このタートルネックをインナーに着てる方も「バッファロー」を彷彿とさせるし、「I HAVE A DREAM」ってロゼット着けてたり、カルチャー的な側面も感じさせますよね。

小野田:出身がイギリスだから、自然とドレスアップが身に付いてるのかもしれないですね。

Poggy:KENSEIくんとも仲が良いみたいで、以前にジュールズと彼の奥さんとサーフィンをしたり、事務所にもよく遊びに来ていたらしいですね。

―そんなKENSEIくんとPoggyとの繋がりは?

Poggy:元々は〈ネクサス7〉の今野くんが紹介してくれたのかな。

― スペースバグのとき?


Poggy:そうですね。「〈ニューバランス〉を別注したいから」って言われたので紹介して、今野くんとKENSEIくんとミーティングしたのが最初で。そのときから面白いなとは思っていたんですが、時を経つことに変わってきて、ここ数年はドレス感のギアの入れ方ががハンパなくなってきてますね(笑)。

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― それは見て取れますね。

Poggy:パンクからレゲエに行って、そこからスーツのカルチャーに行ってっていうのが面白いし、考えてることも近い気がして。僕の中では彼が色々と変わって行っていることは、クラッシュも後半レゲエに移り変わっていったようにイギリスのカルチャーの中できちんと完結していると思っています。しかも、そこに日本人としてのアイデンティティがしっかりと込められているところが凄い。あと、さっきKENSEIくんがさらっと言ってた「自分は入れ墨が入ってるから、柄に柄はしつこい」って、言われて気付いたんですがニック・ウースターとかも含めてタトゥー入ってる人って、着る感覚が違うのかなって。もう1個柄があるわけだからね。

― 引き算を上手に着こなさなくてはダメなわけですよね。

Poggy:ウィンザー公も入れ墨が入ってたんだとかって。FACEBOOKで山口淳さんが、そんなことを書いてらして。エドワード7世時代に日本で入れ墨を彫るっていうのが、王室で流行っていたみたいで(笑)。その時代は日本の国の力もそこまで強くないときで、入れ墨を彫るのは禁止していたらしいけど、断りきれなかったらしくて。その後ウィンザー公の時代になると日本の国力も上がっていたせいか、最初は断ったんですが、ウィンザー公は自国に彫り師を呼びつけて彫らせたらしいんです。

― そうなんですね。まったく知りませんでした。

Poggy: スーツを着てタトゥーってカルチャーは、随分前からあったんだって。

― タトゥー自体は服を着る前のカルチャーですから。


Poggy: 確かに。話が入れ墨の方に脱線してしまいましたが...。

小野田:『GQ』や『VOGUE』のエディターであるジーン・クレール氏も結構なタトゥーが入ってるって、聞きました。この方はタイユアタイやビームスFでよくお見かけするんですが、ハワイアンアクセサリーみたいなものとは思うのですがスーツに数珠みたいネックレスを提げてて、そのブリンブリンな感じがカッコ良いなって。彼のスタイルの遍歴もストリートだと思うんです。

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Poggy:元々〈ワールズエンド〉で働いてたんですよね。

小野田:その後なんでしょうか、確か噂ではロンドンからニューヨークへ渡ってスタジオ54でドアマンをされてた、なんて経緯も聞いたことがあります。

Poggy:ベルベットアンダーグラウンド&ニコのニコと結婚してたという話も聞きました。

―そうなんですね。スタイルだけでなく生き方の遍歴も凄い人なんですね。

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小野田:パンクスやグラムなど様々なスタイルを経て、「ハスラースタイル」という60年代のイタリアの詐欺師やコソ泥のスタイルに辿りついたって話を、ボンテージパンツを畳みながらエピソードとして語る『GQ』のコラムが忘れられなくて。

Poggy:(笑)。コーディネイトの色使いが本当にキレイですよね。

小野田:上手ですね。決してトーンにメリハリを着けてるわけではないんだけど、サラっと中間色を着こなしてる。

―Poggyは、接点はないんですか?

Poggy:リカーのときに、〈サバティーノ〉のJと一緒に来てくれたり、あとは一度だけGQのリースで立ち会ったことがあります。緊張してほとんど喋れませんでしたが、存在感が物凄かったのを覚えてます。

まだまだ、たくさん名前があがりそうですね。

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