SLOW FLAGSHIP STORE is Open. 古き良きアメリカ、ヴィンテージを愛する人必見のショップが誕生!
2012.05.18

古き良きアメリカや、古着、ヴィンテージなどを愛する方に是非足を運んで欲しいショップが、4月21日大阪・堀江にオープンしました。その店とは、創作に対して真摯な姿勢を貫く〈スロウ(SLOW)〉の初となるフラッグシップストア。移り変わりの激しい時代に流されず、ゆっくりと創作を追及していきたいというスタンスにフイナムも共感し、1階をショップ、2階には工房を併設するという魅力的な店創りを取材するべく、はるばる大阪へ。訪れた旗艦店は、他とは一線を画しており、この〈スロウ〉の世界観や思想などを探るために、ディレクター深田氏を中心としたメンバーの方々に思いを訊いてきました。
Photo_Koji Sato
Edit_Ryutaro Yanaka
INDEX
No.1 ディレクター深田氏&スタッフMD藤村氏
No.2 職人池田氏・下条氏&HIGH-LIGHT菊池氏
No.3 フラッグシップの全貌
SNAP レセプションスナップ
-内装をHIGH-LIGHTにお願いしようと思ったきっかけを教えてください。
深田義人[SLOW Directer](以下深田/敬称略): もともと客として通っていたんですが、お店を始めようと思った時にパッと浮かんだのがHIGH-LIGHTの菊池さんでした。彼らなら、そんなに説明しなくても伝わるだろうし、お任せできるなって。
-最初、どんなショップのイメージだったんですか?
深田: 〈SLOW〉の商品は「経年変化」がテーマになっているので、それに合うような什器や備品、ディスプレイに仕上げたいなと思っていました。
-となると、ショップも経年変化して成長させていくんですか?
深田: そうですね。菊池さんともお話したんですが、オープンの時点で7割、それに手を加えて10に近づけていけたら良いと思っています。
-成長を見越したら、納得の合格点ということですか?
深田: 僕的には今の段階で100点なんですが、より成長させていきたいですね。
-ちなみに1階がショップで、2階に工房を構えるというアイデアは、どの時点で決定したんですか?
深田: 昔から、やっぱりファクトリーブランドとして展開していくなら、ほぼすべてのことを自分達のところで完結させたいと思っていました。だから、店舗と工房を併設させた空間が創りたかったんです。
-職人さんたちは、同じ空間にいることに抵抗を感じたりはなかったですか?
深田: 前の工房から〈SLOW〉の商品はすべて今のメンバーに作っていただいていました。より近づいたからやりやすさを感じていただいていると思います。〈SLOW〉のチームとしてモノ創りしている感じが強くなりましたね。
-将来は、1階でオーダーを受けて、2階で生産してお渡しするようなシステムも導入するとか?
深田: そうですね。お店が落ち着いたら、すぐにでもスタートさせたいです。
-その距離感はお客さんにとっても嬉しいですよね。
深田: はい。モノ創り重視っていう点では理想的です。
-スタッフは何名体制ですか?
深田: 1階に2名立つんですが、彼らにはミシンで縫ったりとか、モノ創りにも従事できるような体制にしていきます。
-初のショップですが、ショップスタッフはどんなメンバーを考えたのですか?
深田: 販売としての経験は最低限として、信頼できる人間性を重視しました。そんなスタッフが5~10年後にはモノ創りの側も請け負えてしまえたら、理想ですね。
-となると、オーダー受けた時点で、ほぼ完成形が提示できてしまうわけですよね。今後はショップスタッフとして入社する方もモノ創りをできるポジションがゴールになってくる?
深田: そうですね。販売で採用しても必ずモノ創りはして貰います。モノ創りを知ってるスタッフの方が、オーダーする時に信用して頂けますしね。
-そんな風に掲げた理想に、このショップは辿り着いていますか?
深田: 理想には随分近づけていると思います。ただ、2階にまだ未完成な空間があるのと、これから成長させていく部分があるので、そこはこれから。
-今後の成長も含めて、期待しています。
深田義人
SLOW ディレクター
若い頃からアメカジ、古着へ傾倒。大学卒業とともに井野屋へ入社。ユニセックス、ウィメンズブランドの営業を担当し、2008年にSports/Luxury/Outdoor/Workのイニシャルから名付けたバッグブランド〈SLOW〉のディレクターに就任。日本の職人が誇る技術を駆使させたプロダクト創りに勤しむ。
-初の直営店にスタッフとして立つことになった経緯を教えてください。
藤村亮介氏[SLOW Shop MD](以下藤村/敬称略): 深田とは大学の同級生で、一緒の野球部で仲が良かったんです。今回「ショップをオープンするからスタッフとして来てくれないか」と誘われたので、前職を退社して心機一転頑張っていこうと。
-〈SLOW〉と、この新ショップに惹かれたのは?
藤村: 工房が2階に併設しているので、自分たちの手で創り上げて届けられるという強みはありますね。デザイナーとお客さま、職人とお客さまの間に立って、それぞれの思いを伝えることも出来ますし、逆にお客さまの意見をフィードバックさせるのも、直でできるのは魅力です。
-それはブランドにとってもお客さんにとっても、メリットがありますよね。
藤村: 深田も言っていますが、今後はショップでオーダーを受ける体制を整えていきます。形や色、生地や裏地に至るまで話し合って決めて、すぐに職人に伝えて形にしていく。時間やコストもすぐ伝えられますし、世界にひとつだけのバッグを作れます。
-買い手と、創り手とが近い関係っていうのは安心できます。
藤村: 2012年秋冬からは、2階に新作を紹介するスペースも設けて、気軽にオーダーできるような環境に仕上げていきたいとも思っています。
-いきなりデザインから考えて作るよりは簡単なので、自分だけのバッグを作る第一歩として良いかもしれませんね。
次のページでは、職人と、内装を手掛けたHIGH-LIGHT菊池氏に話を伺います。