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Shopping Addict 2025 Sep. 〜編集部員のお気に入り〜 後編
Shopping Addict.

Shopping Addict 2025 Sep.
〜編集部員のお気に入り〜 後編

そろそろ衣替えの時季。腰が重い作業だけど、改めて自分の持っている服を確認できたり、今シーズンはこれを着ようかななんて考えたり、そんな時間は楽しくもあります。秋冬のワードローブに新たな風を吹き込みたくなったら、ショッピングアディクトをお役立てください。

石井陽介
山本博史
脇山修平
加藤誓也
須藤結理
阪口和暉
LINE UP
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01 20
石井陽介

ついに情熱大陸に。

ずっと昔からお世話になっている先輩が、あのドキュメンタリー番組に出演する。もちろん、そのひとの仕事の素晴らしさは重々承知しているつもりだし、その道の権威であることは間違いないのだけど、改めて、すごいひとなんだと実感しました。ゴッドハンドがついにお茶の間に! いち後輩として、いち古着ファンとして、10月5日(日)の23時がいまから楽しみ!

KAPITAL

キャピタルのトラッカージャケット

ヒッピー的解釈。

トラッカージャケットには様々なスタイルが存在しますが、原点にして頂点といったら“ファースト”モデルになるのでしょうか。フロントプリーツに左胸1ポケットのアイコニックなデザインは、みんなが知っているゆえにこれ以上手を加えることは難しい。ですが〈キャピタル〉の手にかかればご覧のとおり。レザーのパッチワークを袖にあしらうことで、まったく新しい価値を獲得することに成功しています。40年代前後のデザインである“ファースト”モデルに対して、70年代ライクなクラフトレザーの掛け合わせという意外さが実に〈キャピタル〉っぽくて斬新だし、職人技がひかるパッチワークの芸の細かさもさすがの一言。ヒッピー的な解釈が加わった“ファースト”モデルは、ヴィンテージ文脈とはまた違ったおもしろさがあります。レザー部分がどんな風に経年変化するかも楽しみ。
¥97,680

キャピタル ネイキッドストア
03-5725-3923
kapital-webshop.jp

BOW WOW

バウワウのシャツとパンツ

リアル過ぎるペンキ加工。

ヴィンテージデニムの大ブレイクを皮切りにはじまった昨今のヴィンテージのリバイバル。その後、古着市場ではスエットが著しく高騰し、いまはネルシャツとペインターパンツが注目されていると聞きます。写真は、リアルな加工に定評のある〈バウワウ〉の品。ペインターの作業着のようなリアルなペンキ跡をはじめ、色のフェイド感や生地のくたり具合など、ぱっと見の印象はヴィンテージそのもの。また、ネルシャツの左右非対称の胸ポケットや、ペインターパンツのフラップ付きヒップポケットなど、それぞれ古着好きがブッ刺さるディテールを備えます。オリジナルのヴィンテージピースが尊いのはもちろん間違いのない事実だけど、ここまで雰囲気のいいものが新品で手に入るなら、それはそれでアリかと。このほかにも〈バウワウ〉は、古着と見まごうような作り込んだアメカジ製品が揃います。古着には古着のよさがあって、新品には新品のよさがある。その両方を楽しめるようになったら最高だよね。いずれにしても選択肢が広がったことはアメカジラバーとしてはうれしい限り。
シャツ¥31,900、パンツ¥38,500

C-30
Instagram:@c30_bowwow_recognize
c30-bowwow.com

Gurank

グランクのロングスリーブTシャツ

でっかい前V。

アイテム名を“ロングスリーブTシャツ”と表記していますが、実際に触ってみると所謂のロンTよりもずっと分厚い。いうなればロンT以上、スウェット未満といったところ。このありそうでない生地の厚みが実に使い勝手がよくて、いま時期なら1枚で、もう少し寒くなったら下にシャツとか着込んでもよさそう。また、つくりやディテールも抜かりなく、吊り編機を使用した度詰めの天竺や、脇はぎなしの丸胴など、古着好きの琴線に触れる仕様となっています。なかでも面白いのが、フロントのネック部分に配したガゼット、通称“前V”がめちゃくちゃでっかくなっているという。はじめて見たときは、そのユニークなあしらいに思わず笑っちゃったし、一発で引き込まれました。自分はやっぱり、ストレートなオマージュやレプリカよりも、ツイストしたアメカジが好きみたいです。
各¥31,900

にしのや
03-6434-0983

RED WING

レッドウィングのペコスブーツ

エッセンシャルな一足。

ぼくにとって〈レッドウィング〉のペコスブーツは、一生の相棒と言うべき存在。流行り廃り関係なく履き続けている一足で、去年の秋冬の足元を振り返ってみても断トツで着用率が高かったわけですが、待望の新色がリリースされるとの報せが届いたのでさっそくチェック。写真がそのホーソーン・ミュールスキナー。その特徴はというと、オイルをたっぷり含んだベージュ系のラフアウトレザーで、通常のラフアウトよりもオイルを含んでいる分、色が濃く、ワイルドな顔つきに。また、履き込むうちに自然なムラ感が出ていい雰囲気になるのも、このレザーの魅力です。ハイトは11インチで、ソールはケミガムのヒール付きと、これまた自分の好きな仕様。どうやら今年の秋冬の足元も、ペコスブーツを履く日々が続きそうです。
¥64,900

レッドウィング・ジャパン
03-5791-3280
redwingheritage.jp

山本博史

上海。

〈サロモン〉のイベントで上海に行ってきました。山の無い上海で〈サロモン〉がイベントを? と懐疑的な部分もありましたが、むしろ山が無いからこそ、圧倒的なエネルギーで成立させてしまう中国及び上海の勢いを存分に感じさせてもらいました。いやあ、凄かった(いろいろ)。

Salomon

サロモンのバックパック

ベスト型パックの最高峰モデル。

トレランシーンで圧倒的に支持を集めているバックパックといえば、〈サロモン〉の「アクティブスキン」と「アドバンスドスキン」という2つのシリーズです。なかでも容量10L前後のタイプは、使い勝手のよさに加え、他社と比べて価格もリーズナブル。エントリー層にお勧めするときに真っ先に思い浮かぶ名品と言えます。そんな〈サロモン〉のなかでも、トップレンジのカテゴリーとなる「S/LAB」より登場したのが「S/LAB アドベンチャー 20」。容量は20Lとなり、メインの荷室にはPCさえも収納できそうな大きめな構造を採用。フロントには多彩なポケットを備え、スピーディな補給を可能にしてくれます。なかでもジッパーポケットは、優れた収納力を誇り、スマホや鍵、財布、補給食まで、難なく格納できます。それでいてサロモン独自の「Sensifit™」により、フィット感も抜群。近年、街での需要も着実に高まっているベスト型パックの最高峰モデル。これは物欲をそそります。
¥27,500

サロモン
salomon.jp

Notace

ノータスのシューズ

ベアフットの最初の一歩に。

最近、ベアフット界隈が騒がしい。銀座にできた〈アルトラ〉の旗艦店は常に行列をなし、書籍『歩く マジで人生が変わる習慣』は6万部を突破、10月にはベアフットにフォーカスしたイベント「BAREFOOT EXPO 2025 ~あるくフェス!~」が開催されるなど、ランナーのみならず多くの人々が関心を寄せているのが見て取れます。そんななか新たに参戦してきたのが、2025年に設立された〈ノータス〉です。ファーストモデルとしてリリースされた「YAMA T1」では、足本来の安定性と推進力を呼び起こすゼロドロップ構造とフットシェイプトウボックスを採用。ミッドソールには適度なクッション性と反発性を備えた次世代eTPUを合わせ、3mmラグのアウトソールがトレイルにおける確かなグリップ力を発揮してくれます。また、フレックスグルーブにより、地面を掴むような感触を味わえるのも魅力的。しかも、そのどれもがベアフット初心者がなじみやすいバランスに設計されていて、見た目だってシックでクリーン。賑わいを見せるベアフットの最初の一歩として、チョイスしてみてください。
¥25,300

ノータス
notace.jp

HOKA

ホカのバックパック

待望の本格派パック。

そういえば今年も「信越五岳トレイルランニングレース」に参加してきました。出場したのは110kmのカテゴリー。100マイルを含め、これまで何度も挑戦しているんだけど、まともにゴールしたのは今年が初めて。そんな因縁のレースで、ギリギリまで導入を迷っていたバックパックが、〈ホカ〉の「ホカ トレイル ラン ベスト 10L」です。ウルトラアスリートたちの声を取り入れたという本作では、快適さ・軽量性・収納力のすべてをバランスよくパッケージング。ポールケースを一体型にするという意外なアプローチもさることながら、直感的でスピーディな動作を多彩なポケットがサポートしてくれる仕様となっています。ゆえに容量10Lながら、それぞれのポケットの収納がコンパクト。そのため、このパックに合わせた必携品のパッキングが必要になってきます。ぼく個人はそこで断念をしたんですが、強引に押し込んで、背負ってみるとフィット感は抜群。まさに〈ホカ〉の英知を結集させた本格派ランニングパック。これは試す価値、おおいにあるかなと。
¥37,400

ホカ
www.hoka.com/jp

PINGORA

ピンゴーラのバックパック

DCFで大胆アレンジ。

〈ピンゴーラ〉ってブランド、知ってますか? 2022年にアメリカ・ソルトレイクシティーでスタートしたこちらのブランド。その特徴はトップクライマーやハイカー、アスリートの意見を取り入れながらも、ぼくらのようなライトユーザーでも直感的に使えるシンプルな構造にあります。しかも、そのすべてをアップサイクルで作られているのというのもポイント。なかでも人気を博すハイキング向けバックパック「Lucid 20」の牧野英明@B印MARKET別注モデルが登場。デイハイクから日常までフォローしてくれる容量20 Lで、ショルダーハーネスや両サイドに多彩なポケットなどといったディテールはそのまま、メインの素材を軽量・高強度・高耐久性で知られるDCFで大胆にアレンジ。光沢感のある和紙のような質感が全体を包み込み、本来色鮮やかな「Lucid 20」とはまったく異なる雰囲気にアップデート。使い込むほどしわのできるDCF特有の味わい深さ含め、デニムのようにじっくりと育てるのも面白いかなと。ちなみにノベルティとしてキャップが付属するそうです。
¥38,500

牧野英明@B印MARKET
https://www.beams.co.jp/item/bjirushi_market/bag/70610061470/

脇山修平

長月。

毎日ショーツを履いて、まだまだ夏気分でいたんですが、いつの間にかに9月も終わり。残り3ヶ月とあっという間です。ビビります。おののきます。少しずつ涼しくなってきましたが、今年は珍しく寒くなるようなので、私をスキーに連れてってという気分です。

HEUGN

ユーゲンのシャツ

品を纏って。

目立たないけれど、着ていてよさを実感する服というのがあります。自分にとってそれは〈ユーゲン〉のシャツ。つくりにこだわりながらも、そのディテールは主張しすぎず、静かな服というイメージです。でも、クワイエットラグジュアリー的なニュアンスでもありません。品よく、そっと寄り添ってくれるといいますか、真面目な服なのです。1940年代にフランスでオーダーされたシャツをベースにした「James」というモデルに、国産のコットンシャンブレーを採用しているこのシャツもそう。ギャザーなどクラフト感もあるのですが、前立てなどで調整され、大げさでなくスッと服なじんでいます。特徴はいろいろあるのですが、個人的に絶妙だなと思うのがボタン。着丈長めに6つボタンという仕様は、Tシャツをインナーに着て、多めにボタンを外すなんて着方もハマります。使い込んだら逆にきれいに着たい願望もあり、二度楽しめるのではと思うんです。
¥41,800

ユーゲン
www.heugn.com

Clarks Originals

クラークス オリジナルズのシューズ

ひと目惚れ。

見た瞬間にひと目惚れでした。〈クラークス オリジナルズ〉の「Nomad T Bar」っていいます。昔からあったような、いや新作なんだけど、間違いなく〈クラークス オリジナルズ〉だよねっていう感じがたまらない。かぶせモカのTストラップにスエードアッパー、そしてワイドなラストにクレープソールをステッチダウン製法でというバランスが、とてもリラックスしたムードです。きれいな印象のパンツにも、ミリタリー系のパンツなんかに合わせるのもよいと思います。型崩れするぐらい履き込んだ姿もよさそうです。ソックスはリブだよね、なんて考えて楽しい気分になります。王道の〈クラークス オリジナルズ〉ももちろん大好きで愛用しているのですが、「昔からいましたけど?」みたいな顔してる変化球な新作もまた大好物なのです。
各¥28,600

クラークスジャパン
www.clarks.co.jp

BRING

ブリングのTシャツ

毎日着やすいメリノ。

メリノウールのTシャツは完全に市民権を得た印象がありますが、強度や速乾性などを考えて、あえて化繊を混紡したものも多いように感じます。でも、個人的にはメリノ100%の方が好み。なのですが、〈ブリング〉独自の再生ポリエステル・ドライコットニーを使用した「WUNDERWEAR」シリーズはあり。そもそも、個人的に化繊の肌触りが苦手なのですが、ドライコットニーは意外といけたというのもあります。なので好き。ゆったりしたシルエットもまた、アウトドアから普段までいつでも着やすいのです。〈ブリング〉は最近オープンした「ニュウマン高輪」にもお店ができて勢いを感じます。ボクサーパンツとかヘンリーネック、長袖系もおすすめです!
各¥12,100

ブリング
bring.org

NORMAL EXPERT

ノーマルエキスパートのブルゾン

年間300日着られる。

寒いような暑いような中途半端で何を着ればいいか分からない時期に、手が伸びるのってこういうアウターなのでしょう。〈ノーマルエキスパート〉のこれは、「300 BLOUSON」という名前のとおり、年間300日の着用を想定してつくられたブルゾンです。最高気温25度以下の日を指すらしく、背面にベンチレーションを設けて暑いときは対応したり、中綿を入れずにインナーで調整することを想定していたりと、あくまでほどほどがちょうどいい。撥水性があり、乾きやすく、軽いのも、300日って感じがしてうれしいです。胸ポケットやメジャー付きの蓄光プレートなど、ところどころにおや…?というポイントがあるのもいいですね。しかも、プルオーバーというのもツボ。この手はだいたいファスナーでフルオープンするものが多いのですが、スタイル的にも、腹部の冷え的にもプルオーバー派です。
¥42,900

ノーマルエキスパート
www.normalexpert.com

加藤誓也

粋な計らい。

つい先日ですが、いつもお世話になっているひとからスニーカーをプレゼントしていただきました。もうそれだけでうれしかったのに、LINEの最後には「最初は革が硬いと思うので、靴擦れしないように厚めのソックスを履いた方がいいかも」という何とも気の利いた優しいアドバイスが添えられていました。これが粋ってやつか。見習わせていただきます。

Gramicci

グラミチのジャケット&パンツ

都会派シェル。

フェスといえば夏のイメージが強いですが、じつは10月にも日本各地でさまざまな都市型イベントが実施を控えています。そんなときにピッタリなのが、〈グラミチ〉からリリースされる「3L GUIDE JACKET」と「3L GUIDE PANT」。防水・防風・透湿性を兼ね備えた3層の機能素材を採用した十分なスペックと、2トーンのパネリングデザインによるアーバンなたたずまいがなんとも魅力的で、単品使いはもちろんセットアップとしても大いに活躍が期待できます。このほか、往年のカラーリングを採用したクラシックなモデルも登場しているので、気になる方はインフォメーションからご確認を。
ジャケット ¥49,500、パンツ ¥36,300

INS
www.ins.fm

LQQK Studio

ルックスタジオのシャツ&パンツ

グラフィック系もいいけど。

先程ご紹介したセットアップとは打って変わって、無骨なテイストに仕上げられた〈ルックスタジオ〉のハーフジップシャツとダックパンツ。ブランド設立当初から人気を獲得するグラフィック系のアイテムも捨てがたいですが、ここ数年は素材感やシルエット、現代的なディティールワークで勝負するオーセンティックなアイテムのバリエーションも増えてきて、個人的にかなり気になっています。今回フォーカスしたこちらはワークウェアから着想を得ていて、世界中のワークブランドが絶大な信頼を寄せるタフなダック生地で構築しているのが大きなポイント。いままで〈ルックスタジオ〉を追い続けてきたファンのひとたちからすると、いい意味で意外性のあるアイテムなのではないでしょうか。今後も〈ルックスタジオ〉のものづくりには注目したいところです。
シャツ ¥30,800、パンツ ¥27,500

DOMICILE TOKYO
03-6447-1068
domicile.tokyo

NAUTICA

ノーティカのジャケット

迷彩×迷彩。

春夏のアイテムに比べると、より慎重に吟味してしまう冬のアウター。何着も買えるものではないからこそ、お財布とも相談しつつ、納得のいくものを迎え入れたいですよね。どんなシーンでも着られる万能なアウターの優先度ももちろん高いけど、休みの日に袖を通すのが待ち遠しくなるとっておきの一着を持っておくと、仕事もますます頑張れるはず。そこでピックアップしたのが、昔のアーカイブを彷彿とさせる風合いが見事に表現された〈ノーティカ〉のボンバージャケットです。古着でも希少価値の高いリアルツリーを総柄でプリントした存在感抜群のデザインで、着丈がやや短めに設計されているのもトレンド感があって◎。表地には耐久性の高いコットンツイル、裏地には程よい暖かさが提供される中綿キルティングがそれぞれ採用されているので、子どもがいるお父さんやお母さんにもおすすめです。
¥29,920

FREAK’S STORE 渋谷
03-6415-7728

rajabrooke

ラジャブルックのコンフォートシューズ

一足で三役。

これまで洋服に小物、アクセサリーや雑貨などを多彩に展開し、シーズンを重ねるたびにブランドの表現の幅を広げてきた〈ラジャブルック〉。そんな同ブランドから初となるオリジナルシューズがリリースされたのは、2024年秋冬シーズンのことでした。革靴を履きたいけど、利便性を考えるとどうしてもスニーカーを手に取ってしまう。このジレンマを解消してくれるのが、まさにビブラムソールを搭載したこちらのコンフォートシューズです。太めのパンツと合わせたときにチラッと覗かせる革靴のような表情が印象的で、なんと踵をつぶしてサンダルのようにも履くことができる2way仕様。アッパーは人工皮革なので、少々の雨ならいけちゃいます。東京の「「アイアンドアイ」、大阪の「デイリードーズ」ではそれぞれエクスクルーシブカラーが展開されているので、こちらも要チェック。デザイン性と機能性、その両方をとことん追求する“ラジャブルッククオリティ”をぜひご堪能ください。
¥31,350

rajabrooke
rajabrooke.com

須藤結理

公開は11月7日!

三宅唱監督の新作『旅と日々』の試写に行きました。詳細は伏せますが、私はとても好きでした。日本にこんないい映画をつくってくれるひとがいるなんて! つげ義春の短編2作をもとにしていて、あの後味をどう映像や音に起こすのか非常に楽しみでしたが、個人的には納得というか、感心。やっぱり三宅唱には敵わないなあ。

LION-DO

ライオン堂のトランクス

どすこいなショーツ。

“創業明治40年、力士達御用達のキングサイズの洋品店”。ホームページに載っていた「ライオン堂」の紹介文です。そう、このショーツ、そのライオン堂で購入したんです。たまたま両国に行く機会がありなんとなく立ち寄ったんですが、まさかのトランクスコーナーでビビッと来ました。ストライプやチェックの生地でつくったトランクスが並び、もちろんサイズは力士に合わせた大きいものばかりでしたが、一番小さいサイズはパジャマショーツとして着るならむしろ最適。年中、家でゆるいショーツを穿いている私には申し分ない一枚でした。専門店は、勝手にその道のひとしか訪れてはいけないような気がしてしまいますが、視点を変えれば自分ごとにできたりするものですね。いい学びを得ました。ちなみにタグには素材とサイズ表記に加え、「MADE IN TOKYO」の文字。「JAPAN」じゃないところにぐっと来ました。
¥1,500

ライオン堂
東京都墨田区両国4-30-10
www.liondo.co.jp

FOLL

フォルのスエットパンツ

品とは。

人間の品はどこから香るのか。表情、姿勢、言葉遣い、所作、さまざまありますが、格好も品を判断するうえで重要な要素です。そんなことを考えていた折に、〈フォル〉のスエットパンツを見つけました。毎シーズン趣向を凝らしていますが、今回は和歌山県のニッターと染工場と共同開発したオリジナル素材を採用。しかも生地段階で何度も洗いと乾燥を繰り返しているから、独特の柔らかな風合いが出ています。ワイドすぎないバギーフィットで、スピンドルで裾を調整できるのもうれしい。何と言っても色出しが絶妙です。どちらも奥深い色で、ローファーやジャケットなどきれいなものと合わせたい気分。冒頭の話に戻るなら、このスエットパンツには静かに品が漂っていて、それはものとしてのクオリティの高さやシルエット、色に由来しています。若手デザイナーがつくったとは思えない、いい渋さ。引き続き注目しましょう。
¥26,400

JOURNAL STANDARD 渋谷スクランブルスクエア店
03-6434-1097
Instagram:@foll.jp

BODHI

ボーディのシルクパンツ

シルクで、いい大人計画。

キャッチーでわかりやすい服を買っている時期もありましたが、30代に突入して変わりました。結局裏切らないのは、オーセンティックで長く使える、いい素材のもの。だから最高品質のカシミアのみで服づくりをする〈ボーディ〉に惹かれるのは必然でした。そんな彼らが最近シルクアイテムをリリースしたのでご紹介を。このパンツはシルク100%のオリジナルファブリックを採用していて、吸湿、放湿性に優れているのに加え、水洗いも可能。すごい。そして光沢感はあるものの、あえて抑えめに仕上げていて、おかげで家着としてだけではなく普段着としても優秀です。素材の扱い方に慣れている〈ボーディ〉だからこその新たな挑戦。シルクで、いい大人になりましょう。
¥66,000

BODHI
bodhi-cashmere.com

MIDTHINGS

ミッドシングス

あの素晴らしいソファをもう一度…。

70年代に流行ったモケットソファってご存知ですか? 名前は知らなくても見たことがあるひとも多いはず。検索すると、ストライプ柄が大きく配された、その名のとおりモケッとした素材のソファが出てきます。今作はそんなモケットソファの柄に惹かれた〈ミッドシングス〉がつくったパンツです。あえて吸水速乾性のあるジャージ素材を採用していて、ストライプ柄のプリントを全面に施しました。また、アクセントをいれるために、サイドラインはモケット素材で制作。ポップなパンツに、グッと奥行きが生まれます。ちなみに〈ミッドシングス〉は25AWにデビューした新鋭ブランド。デザイナーの記憶や身の回りにあるモチーフをもとに、異なる文脈で表現することを得意としています。今作はそのいい例でしょう。今後の動向にも注目したいものです。
¥44,000

MIDTHINGS
Instagram:@midthings_official www.midthings.com

阪口和暉

GAMPEKI THE FINAL。

今年でラスト開催の岩壁音楽祭を目指し、はじめて山形県に行ってきました。会場は、文字どおり四方に岩壁がそびえ立つ公園。かつて石切場として使われていた場所だそう。非日常的な光景で、現実から切り離されたような没入感があり最高の音楽体験でした。小袋さんが最後の一曲で流したFunkadelicの『l’ll Stay』よかったな。

SUNDAY, too.

サンデー・トゥーのワインバッグ

日曜日も一緒に飲みたい。

上述の岩壁音楽祭が開催された山形県は、国内屈指のワインの生産地。友人と楽しむ用に「イエローマジックワイナリー」のワインを購入してきました。ただ、せっかくのいいお酒をカバンにそのまま突っ込むのは味気ない。そこで、ワインバッグの出番です。こちらは、わざわざ約束して日曜日“も”会うということの特別さに着目したタブロイド紙『SUNDAY, too.』によるバッグ。肩掛け、手持ちの2WAY仕様で、宅飲みの前に自転車でちょっとワインショップまで、なんてこともできます。コットン100%の柔らかい生地なので、使わないときはコンパクトに収納可能。発色のいいスカイブルーのボディも、主張控えめに配されたグラフィックも気に入っています。『SUNDAY, too.』のコンセプトに則って、お土産のワインを口実に、互いのことを知っているようだけど本当はよく知らないあのひとを飲みに誘ってみようかな。
¥2,200

SUNDAY, too.
Instagram:@sundaytoo_

BATONER

バトナーのニット

理想のニット。

スラックス、デニム、チノ、スエット。どんなパンツに合わせてもサマになってくれるシンプルなニットは、秋冬の必須アイテム。でもニットならなんでもいいわけではありません。目の詰まったつるんとしたものよりも、編み目の表情があるものが好みだし、首元は詰まったクルーネックがいい。そんな条件を満たしてくれたのが〈バトナー〉の定番ニット「SIGNATURE」。毎年リリースされているアイテムですが、シーズンカラーのバリエーションが豊富で飽きさせません。オレンジ × レッドと迷った末に選んだのはダークグリーン × ネイビー。引きで見るとネイビーですが、よく見るとグリーンも感じられる深みのある色合いで、自然光の下ではよりグリーンがかった表情になります。また、ウールニットは暖かく蒸れにくい反面、毛玉とチクチクした肌触りという2大悩みが付きもの。ですが、独自に開発したSOLID WOOLという糸を使用することで両方とも解決しています。ゲージよし、形よし、素材よしの理想のニットってわけです。
¥30,800

バトナー
store.batoner.com

Yonetomi

ヨネトミのカシミヤプルオーバー

デニム? セーター?

デニムのようなカシミヤセーター。この言葉を聞いたとき、まったく想像できませんでした。デニムのゴワつきと、カシミヤの柔らかな肌触りが結び付かなかったからです。つくりあげたのは、山形県にあるニット工場「米富繊維」のオリジナルブランド〈ヨネトミ〉。カシミヤセーターを、日常で気兼ねなく着てほしいという想いから生まれました。素材はカシミヤ100%でありながらデニムのような仕上がりになる秘訣は、糸にあります。一般的なカシミヤセーターでは滑らかな肌触りを重視し細いものを用いますが、今回はその真逆。特注の、繊維が切れる限界まで撚りをかけた強度の高い糸を採用しています。それを時間をかけて緻密に編み込むことでカシミヤのイメージを覆すタフな風合いに。また、リジッドデニムのように経年変化を楽しめるよう、ニット製品には欠かせない洗い加工を一切施さず硬いまま販売されています。着込むほど身体になじんでいき、洗うほど柔らかくなりカシミア本来の風合いに近づいていくそう。ガンガン着て育てていきたい一着です。
¥51,700

ヨネトミ
shop.yonetomistore.jp

SANMONT

サンモントのデニムワークジャケット

ニューフェイス。

もの、場、コンテンツ。なんでも新しいものが世に出たら、すぐにチェックしたくなるタチです。それはファッションブランドも一緒。新しいブランドがデビューしたと聞けば気にならないわけがありません。紹介するのは2025年秋冬にローンチした〈サンモント〉のワークジャケット。ブランド自体についてはこちらの記事で触れているので割愛するとして、ここではアイテムを掘り下げます。ベースになっているのはフレンチワークジャケット。身幅と肩幅をゆったり取り、全体的に丸みのあるシルエットに仕上げています。生地にはコットンとシルクノイルのデニムを使用。シルクならではのネップによって、フレンチワーク定番のモールスキンにはない柔らかい風合いに。また、樹脂や木ではなくメタルボタンを採用することで上品なたたずまいに。手を入れやすいようポケットが脇に配置されているのもうれしいポイント。もう少し秋めいてきたらサラッと羽織りたいジャケットです。
¥52,800

Instagram:@sanmont_official

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