N:Name
名前の謎。
全国にある “〇〇パルコ” といえば、各階に最先端のトレンドが集まるファッションビル。かくいうこちらは、想像する「パルコ」とはちょっと違います。地元のスーパーである「サンエー」と「パルコ」がタッグを組んで生まれた施設で、かつ所在地である浦添市を盛り上げる意味で「シティ」がつき、正式名称は「サンエー浦添西海岸パルコシティ」。沖縄県で最大級の流通システムを持つ「サンエー」と、都市型商業施設の編集力を持つ「パルコ」がそれぞれの特性を活かして生み出した場所は、食もあれば服もあり、ローカルもあればトレンドもある、沖縄文化のショーケースなのです!
O:Outdoor
毎日がアウトドア!
2階には「THE NORTH FACE/HELLY HANSEN」、3階には「OSHMAN’S」とアウトドアショップが充実する「パルコシティ」。沖縄県は、どこにいようとも海が近く、夏は猛暑で、台風もたびたびやってきます。そのため、アウトドアウェアやギアは日常に必要不可欠。
写真左は「THE NORTH FACE」の一角、右は「OSHMAN’S」のビーサンコーナー。服やサンダル、小物まで揃うので手ぶらできても安心。
うっかり帽子やラッシュガード、水着、サンダル、防水ウェアなどを忘れたとしても、ここに立ち寄れば一通り揃えることが可能です。実際によくある話で、冬に沖縄を訪れて「短パン履きたい!」となっても、これらのショップには年中ラインナップされているので、ご安心を。
Shop Info
住所:サンエー 浦添西海岸パルコシティ2F・ブルーゾーン
営業時間:10:00~22:00
電話番号:098-943-8234
店舗ページ
P:Parking
無料駐車場は4000台!
モノレールは一部地域にあるものの、電車がほとんど走っていない沖縄は、超クルマ社会。クルマを買うために、お年玉を貯金している家庭も少なくないです。だからこそ「パルコシティ」は県内最大級となる4000台の駐車場を完備し、どれだけ停めていても無料! 雨が降っている日でも濡れずに施設内に入れるし、都心のように窮屈ではないから、駐車が苦手なひとでも余裕で停められます。土日は、その4000台もすべて埋まるほど、ひとがやってくるのだそう。ちなみに公式サイトでは、「駐車率」という形で駐車場の最新の込み具合が掲載されているので、予定も立てやすい!
Q:Quest
巨大ダンジョンは、端から端まで約5000歩。
駐車場の話からもわかる通り、館は驚くほど大きいです。端から端まで歩くと、約5000歩! 館内はさながらクエストで、攻略するには、どこで買い物をして、なにを食べるかくらいは事前に決めていきたいところ。とはいえ約250もの魅力的なお店が集まっているから、彷徨って、迷子になることは不可避です。また、巨大な上に、エアコンもしっかり効いているため、夏場はおじぃやおばぁがウォーキングするためにやってくることもあるのだとか。それを許容するあたりに、「パルコシティ」および沖縄の懐の深さを感じるわけです。
R:Ryukyu Asteeda
卓球熱上昇中。
日本の卓球リーグ「Tリーグ」に所属する、プロ卓球チーム「琉球アスティーダ」。かつては日本の卓球界のトップを走る張本智和選手が所属し、現在はオリンピックでも数々のメダルを獲得している吉村真晴選手がチームの顔です。沖縄を本拠地とし活動する彼らを「パルコシティ」も応援中で、2025年は公式戦の会場として館を使用し、500人の観客が集まりました。甲子園で沖縄尚学が優勝したり、Bリーグ「琉球ゴールデンキングス」も地区優勝を何度も果たすなど、沖縄はスポーツも熱いのです。
S:Shima no Yosooi
島に息づく手仕事を、深く知る。
取材が行われたのは「島の装い。STORE」。イエローが目を引く、魅力的な店構え。
本土のどことも違う気候や生活様式があるため、衣食住のすべてに、独自の工夫と美意識が息づいている沖縄県。そこで育まれてきた手仕事を紹介する「島の装い。展」が「パルコシティ」にて定期的に開催されています。そんな大人気のイベントの仕掛け人であるセソコマサユキさん、金江幸一さんによるショートインタビューで、その魅力を少しだけご紹介。
写真左がセソコマサユキさん、右が金江幸一さん。
ーまずは、「島の装い。展」がはじまった経緯から教えていただけますか?
セソコ: 元々、東京で編集者をしていて、2012年に沖縄へ移住してからもたくさんの場所を訪れ、作り手さんたちを取材していたんです。それらをまとめて本を出版したときに、県内の方から「沖縄にもこんなに素敵なものがあったんですね」という声をたくさんいただきました。そこで、地元の方も沖縄のことを意外と知らないことに気づいたのと同時に、作り手さんと継続的にコミュニケーションをとれる場を持ちたいと考えるようになったんですね。そんなときに、金江さんとたまたま知り合ったんです。
金江: 共通の知人であるデザイナーさんがセソコさんを紹介してくださったのが、2021年の1月でした。その頃、ちょうど「『パルコシティ』でイベントをやらないか?」というお誘いをいただいていましたので、だったら一緒にやりましょうと同年5月に「島の装い。展」を開催しました。そこから現在まで、年1回ペースで開催させていただいてます。
ー「島の装い。展」は、沖縄の民芸品や、手仕事から生まれたものを展示・販売するイベントですが、アイテムのセレクト基準はあるのでしょうか?
金江: まずは、それがあることで暮らしが豊かになるということ。くわえて、ぼくらが未来に残していきたいと思う製品や作家さんであることが、基準のひとつです。
ー沖縄の民芸品や手仕事の魅力も教えてください。
セソコ: 沖縄のひとたちは、もともと経済的に恵まれていたわけではないので、自分たちの手で暮らしを良くしていこうとアイデアをひねりだし、工夫をしてきたんです。だからこそ、ほかの地域よりも個性的で、多様なものがあると、ぼくは思っていますね。
ーいまいる「島の装い。STORE」は、どういった場所なんでしょうか?
セソコ: イベントは情報の発信力こそ強いですが、一瞬で終わってしまいます。でも、ぼくらの扱うものは、日々の暮らしで使ってこそよさがわかるものなんです。だとしたら、必要なときにふらっと来て、生活の延長として選べる常設の場があったほうがいいと思い、このショップをつくりました。
ー2026年3月には、6回目となる「島の装い。展」が「パルコシティ」で開催されます。本展の魅力を改めて教えてください。
セソコ: ぼくらがセレクトさせてもらっている商品は、“ザ・沖縄” という記号的なものではありません。ぱっと見では沖縄とわからなくても、使いつづけるうちに、その土地のマインドがじんわり伝わってくるものが揃っています。みなさんがまだ知らない沖縄を体感いただけると思うので、ぜひ足を延ばしていただけたらうれしいですね。
Shop Info
住所:沖縄県豊見城市豊崎1−329
営業時間:10:30〜18:30
定休日:第1・第3 木曜日
電話番号:098-987-1593
公式サイト
公式Instagram:@shimanoyosooi_project
Event Info
会期:3月13日(金)〜22日(日)
開催時間:10:00〜20:00(17日、22日のみ19:00まで)
場所:サンエー浦添西海岸パルコシティ2階・センタープラザ
【出店者(順不同)】
スタジオde-jin / 平と米の制作所=平米 / うつわ屋シタゴコロ / Fizz glass ・HARUKA glass・glass apartment 21g・小野資矢(合同出店) / ニャン山 /
中村活版印刷所 / 民具なかぎり / LETTER STAND lolo / 岸本習太郎 / 手刺繍existence / FUCLAY / uminomarimo /SAVONNERIE DE LA
LUNE / 漆works三時茶 / 工房 凪 / 虹雀 nijisuzume / 大塚木工 / 香りの封foo / Therese / 工房シシカム / Grau+acier / Ebo Konkle
Ceramics / 森もなみ・森製陶所・たかはしやすえ(合同出店) / sui / pannosan / GOOD BOARD / よなは民具 / 琉球ガラス工房Pada-one(パダワン)・Ryukyu
Indigo namiai(合同出店) / cerca / SunnyTime / いちむし堂 / Tii Leather / MOKU OKINAWA / seek a seed シーカシード /
others / イチグスクモード / ヌノモノワークス / atelier kumomi / kafull / iroiro / kasane. / 刺し屋 シュガーアリス / CARROLL THREAD
WORKS_ / mui / kinonuno キノヌノ草木染 / 南国の洋裁店 SONUJI / aoi farm / shu shu me / Fugalassa / ISOBA / オキナワラーチ /
commons / COFFEE SENTI / コマゲン / 星のたね / ベーカリーパーラーサトウ / 月桃チマキ RUUCHOO(ルーチュー) / ¿Harucuru?(ハルクル) / 山パ農園 /
ふくみつ / ひとます / やんばる酒造株式会社 / ビン food / Boulangerie enne / ソイトビオベイクハウス / ZEBRA.Bagel / DOSHA / NOMAD HERBAL
WORKS / cafe MONDOOR / COSMOS BANBAN / ippe coppe / ベトナムバイク屋台コムゴン / もとぶ糀 / パーラーぬちぐすい / masud / トチト /
あめいろ食堂 / TIMELESS CHOCOLATE / HEY・HARETAKARA(共同出店) / しずく / ペストリーうんてん / raw sweets cafe abondance / nokï
/ 菓子オオムラ / Island Sweets Cona / Sotto / 菓子屋ossa / cittaしまのおやつ / 極東製菓 / 羊羊 YOYO AN FACTORY / 菓子 三月 /
ChaÎnon / 珈琲ロマン / Kanto / 北極・mokuyobi. (モクヨビ.)(合同出店) / アンズトモモ おきなわ / asamoya works / MEGU WAZOUSKI /
絵本作家sava / sandpaint OCEANO / プリッキー山田 / 島しまかいしゃ/ いっぷく家 / maylily icecreamcafe / 加治工紅型 and more
T:TESIO
コザでつくられる本気のハム・ソーセージ。
沖縄の中部にある、嘉手納基地。そこから延びるゲート通りにあるのが、自家製ハム・ソーセージの名店「TESIO」です。
ドイツの伝統的な製法でつくられるハム・ソーセージは、本国でも高い評価を受け数々の賞を受賞しています。その味は格別で、どれも香り高く、肉の旨味も強い。
メインのショーケース以外にも、「HINETTERY(ヒネッタリー)」と名付けられたグロサリーコーナーにくわえ、県内の “飲む” にまつわる専門店「LIQUID」がセレクトしたナチュラルワインや日本酒を置いている小部屋も。「TESIO」でつまみとお酒を調達して晩酌、なんてのもできちゃいます。
店内では、バラエティに富んだハム・ソーセージを購入でき、県外への発送も可能です(送料は県外一律1,500円)。また、併設の「SNACK STAND」ではホットドッグやサンドイッチも提供されていてランチにも◎。屋外に設置されたベンチで、あったかい日差しを浴びながら頬張ってみてください。ホント、うまいんだから!
Shop Info
住所:沖縄県沖縄市中央1丁目10−3
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月曜日
電話番号:098-953-1131
公式サイト
公式Instagram:@tesio_sausage
U:Urasoe
外人住宅あります。
「パルコシティ」のある浦添市には、“外人住宅” と呼ばれるエリアがあります。戦後、米軍関係者向けに建てられた平屋住宅が集まる場所で、現在はリノベーションが施され、気の利いたカフェやショップが入店。民芸品店やアンティークショップなどもクオリティが高いし、人気のパン屋やカフェも集結しています。
また、沖縄では塩害を防止する目的や風通しをよくするため、穴のあいたコンクリートブロック「花ブロック」が軒先で使われていることが多いです。外人住宅でも色や形が個性的な花ブロックを見ることができ、それを眺めるのもまた一興。
V:Value
一見の価値あり!
声高に宣伝はされていないけど、わざわざ足を運びたくなる店も「パルコシティ」にはあるんです。たとえば〈BoTT〉や〈Dime〉などのカルチャー色の濃いセレクトが光る「Chocolate Jesus」や、沖縄の自社農園でつくられる希少品種や世界各地のコーヒー豆を使った一杯を提供する「OKINAWA CERRAD COFFEE BeansStore」など、土地に根付いたインディペンデントな店が多数。老若男女に開かれた場所ではあるけれど、ほかの土地にある「パルコ」と同様、今の沖縄らしさが滲むスポットもたくさんあるんです。
Shop Info
住所:サンエー 浦添西海岸パルコシティ1F・オレンジゾーン
営業時間:10:00~22:00(L.O21:00)
電話番号:098-975-7690b
店舗ページ
W:WALK’IN
旅の情報は、ここでチューニング。
旅先で髪を切るというのは、なにもさっぱりするだけでなく、情報収集の機会としてもめちゃくちゃ優秀だったりするんです。那覇の「WALK’IN BARBER SHOP」は、県内のトレンドセッターがこぞって集まる場所だから、スタッフさんたちもローカルしか知らない情報をたくさん握っていて、ガイドブックには載っていないことや沖縄の雑学など、出てくる出てくる 。
また、沖縄の理髪文化は米軍の影響もあり、フェードやクラシックなスタイルへの理解度も深い。身だしなみを整える×情報収集としての場として、ぜひ観光の合間、というより観光の初日に訪れてみて!
Shop Info
住所:沖縄県那覇市久米1-24-5
営業時間:10:00~20:00
電話番号:080-2965-4820
公式Instagram:@walkin_bbs
X:Xmas
常夏だからこそ、年中クリスマス気分!
一年を通してあたたかい沖縄は、12月になっても冬らしさを感じにくく、クリスマスの時期でさえ最高気温が20度を超える日も珍しくありません。だからこそ、気分を少しでも盛り上げる装置が街には必要。北谷(キタタニではありません。読み方がわからないひとは前編を見て答え探しを)のデポアイランド(アメリカンビレッジ内)には、そんな土地柄を象徴するように、一年を通してクリスマスショップが存在します。ツリーのように輝く電飾は季節を問わずきらめき、サンタと写真が撮れるフォトスポットは真夏でもひとだかり。ここでは “季節外れ” という概念すら、どこか曖昧なのです。
Y:Yuntaku
夕日バックにゆんたく。
前編につづき、やってきました沖縄方言。「ゆんたく」とは「おしゃべり」や「談笑」を意味しますが、単に会話をするというより、ゆるやかに時間を共有する感覚に近い言葉です。沖縄ではパーラー(軽食を提供するお店)をはじめ、施設や街なかにベンチが設けられている場所が多く、それらが自然と“ゆんたくの場”になっています。
「パルコシティ」も例外ではなく、買い物の合間に腰を下ろして話し込むひとの姿があちこちに見られるのです。目的を済ませてすぐに帰るのではなく、ゆんたくして、ぶらぶらして、またゆんたくする。この余白のある過ごし方こそが、沖縄の時間をいっそう豊かにしてくれるでしょう。
Z:ZIP
最後の締めに。
AからZまで丹念に見ていくと、「サンエー浦添西海岸パルコシティ」は “巨大ショッピングセンター” の一言では片づけられない場所だとわかってきます。
海を正面に、基地を背にした特異な立地。くわえて、県民の日常を支える「サンエー」がもたらす生活感と「パルコ」のカルチャー的視点、そこにアメリカ由来の空気感までミックスされ、まさにチャンプルー。ここを起点に少し足を延ばせば、もう一段濃度の高い市場や作り手たちとも触れ合えます。
どこにでもあるショッピングセンターでは決してない。ここは、素敵なモノとおいしいご飯にありつけるだけでなく、沖縄の多様な文化と価値観を一度に味わえる場所なのです。