アップカミングな人物として注目を浴びている中田さんですが、現状に至るまでの経緯を教えてください。
中田自分がこの業界に足を踏み入れることになったのは、服好きだったというのが大きいと思います。高校生活の終わりに、渋谷神南にある「サレン(SULLEN)」という古着屋で働き始めたことがターニングポイントでした。
有名店ですよね。どういった経緯で働くことになったんですか?
中田高校生の頃、よくSNSで古着屋を探して巡り歩いていたんです。そのうちのひとつが「サレン」で。はじめて買い物をしたときにポイントカードを作らせていただいて、そこに自分の番号とか書く欄があったんです。それで買い物した3日後くらいに高校の授業終わりで電話がかかってきて。一瞬なんかやらかしたかなって思いました。
中田そうなんです。オーナーさんからの『お店も2年目だからバイトを雇おうと思うんだけど、中田君どうかな?』と誘っていただいたんです。遅かれ早かれ古着屋でバイトしたいと思っていたので、僕にとっては運命的な出来事でした。その頃は学校に通いながら、コンビニと古着屋のバイトを掛け持ちして服を山ほど買っていました。最終的には買い付けにも行かせていただき、本当に「サレン」では沢山のことを経験させていただきました。
本当につい最近まで働かれていたんですね。ファッションに対する知識と感性はそこで培われたということでしょうか。
中田そうですね。店長が古着と同じくらいメゾンブランドが好きで、古着をモードっぽく魅せるスタイルを提案していたんです。今でこそ多いかもしれませんが当時は新鮮で。それで自然とコレクションとかも全部チェックするようになったんです。古着も今季の〜っぽいスタイリングにハマりそうとか、こういうサイジングが今っぽいなという考えで服を見るようになりました。だから、古着屋で働いていたからヴィンテージしか着ませんとかは全然なくて、今日着させていただいたメゾンブランドも本当に好きなんです。
確かに古着もメゾンも関係なく着ているところに中田さんのスタイルを感じます。その他にスタイリングのこだわりとかはありますか?
中田わりとミニマルで色数を抑えた着方が好きですね。自分の好きなシルエットと素材感もこだわりが強いかもしれません。あとは一つ一つのアイテムにパンチが効いてるとかより、トータルで見たときのバランスを気にします。なかでも特にこだわりが強いのは足元だと思います。
中田そうです。細身のパンツは9.5分丈くらいにしてUSAのコンバースとかを合わせることが多いです。逆にボリュームのあるスニーカーだったら少し太いパンツか少しフレアしたパンツをフルレングスで合わせます。とにかくパンツの裾感と靴のフォルムの相性にこだわっています。あと、このブランド着てます、みたいなのにはならないようにしています(笑)。 そのブランドを着てれば安心とか、それってファッションを楽しむうえでもったいないかなぁと。だから自分なりのセオリーにハマればどんなブランドだろうとどんどん着ていきたいなと思っています。
古着屋でファッションに没頭する傍ら、同時期にモデルとしての露出も増えていきましたよね。
中田高校生の頃からスナップとかで雑誌に出させていただいていたんですけど、『メンズノンノ』の専属モデルになったのもその頃でした。モデルの仕事をこなしていくうちに、ファッションとの関わり方もお店で接客することだけじゃないなって思うようになっていきました。モデルという仕事でもファッションに携わることができますから。段々と軌道に乗ってきて、1年ほど前からお店に立つことはできなくなってしまいましたけど。
モデルとしてはもちろん、最近では俳優としての動きに注目が集まっています。現在、TBS系の火曜ドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』に出演されていますが、俳優のお仕事についてもお話を聞かせてください。
中田僕の場合は最初から俳優になりたくてモデルを始めたわけではなく、服好きでモデルという仕事を始めたので、直接的な流れじゃないんです。映画に出ることが決まったときも、自分の中で整理が付かないまま稽古に望んでいました。それでもいざ映画が公開されて、ほんの数分だけのシーンだったのに、家族や親戚、仲のいい友達が『画面で圭祐を見れると思わなかったよ』と言ってくれて、それがすごく嬉しかったんです。服好きでモデルを始めてという流れとは全く違うやりがいを感じました。これはもう僕だけのわがままや気分とかでやっていてはダメだなって。そこから、周りに頑張ってるねって言われるほど自分は頑張れているのかと自問自答するようになっていきました。やると決めたらちゃんとやらなきゃなって心に決めたんです。だから今は俳優業にすごく力を入れています。
中田モデルとは全く違った視点で俳優という仕事を見つめ直すと、自分も画面に出てる人や、もちろんそれを作っている多くのスタッフさんたちから素敵な価値観や感動をもらってるなぁ、とだんだん実感が湧いてきたんです。大げさかもしれないけど自分も人を感動させたり、生き方とかに良い意味での影響を与えられたらいいなと思うようになりました。今では一生かけて取り組んでみる価値のある職業だとも思っています。とはいえ、まだまだ未熟も未熟といったところなんですが(笑)。
では最後に現在放送中のドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』の見どころをお願いします。
中田『花より男子』から10年後、舞台はF4のいた英徳学園での新しい恋の物語です。今作では学園のトップであるグループがC5(シーファイブ)と呼ばれていて、完璧な男子グループを体現していたF4とは違い皆まだまだ未熟なんです。もちろん恋愛が主軸のストーリーではありますが、それぞれが人としてどのように成長していくかという点も『花のち晴れ~花男Next Season~』の見どころです。
『花より男子』とは違った魅力がありますね。具体的な物語の話も教えてください。
中田今作で重要なのが他校の存在です。人気、知名度ともに英徳学園に猛追する桃乃園学院。杉咲花さん演じる主人公・江戸川 音(えどがわ おと)に想いを寄せるC5のリーダー神楽木 晴(かぐらぎ ハルト)の恋敵、いわゆるライバル的存在も桃乃園学院の生徒会長である馳 天馬(はせ てんま)という人物なんです。そういった相関図が物語に広がり生んでいて面白いと思います。
中田さんの役柄、そのキャラクターの魅力についてはいかがでしょうか?
中田ぼくが演じる栄美 杉丸(えいび すぎまる)というキャラクターは、一言で言うと口数の少ない武闘派。ちょっと天然で笑いを誘うシーンも多いです。とはいえ、一つ一つの言葉に重みがあって重要な場面で存在感を発揮しているかと思います。また純粋で仲間想いな人柄が、見ている方にも伝われば嬉しいです。中盤に差し掛かるに連れ、急展開も待っています。『花より男子』の登場人物も出てくるのでそちらも見所。ぜひ引き続き楽しんでいただければと思います!
「花のち晴れ~花男 Next Season~」
TBS系 毎週火曜よる10:00~11:07放送中
杉咲花〈江戸川音〉、平野紫耀(King & Prince)〈神楽木晴〉、中川大志〈馳天馬〉、濱田龍臣〈平海斗〉、飯豊まりえ〈西留めぐみ〉、今田美桜〈真矢愛莉〉、鈴木仁〈成宮一茶〉、中田圭祐〈栄美杉丸〉他
中田圭祐
1995年11月27日 生まれ。2014年9月より2000通に迫る応募の中から『MEN’S NON-NO』専属モデルに選ばれ、抜群のスタイルの良さとその私服のセンスで男性女性ともに数多のファンを持つ。2016年4月にTBS『毒島ゆり子のせきらら日記』で俳優デビューを果たし、2017年2月に映画『君と100回目の恋』で映画デビュー。現在『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)にレギュラーとして出演中。