いろんな人が楽しめる部分は既に担保されていたから、音楽は少し尖っても良いのかな、って。(Ryohu)
清永:曲はぼくが最初聴かせてもらったのとアレンジが変わってましたよね?
Ryohu:そうですね。つくっている途中で、少し今っぽい要素も入れようかなと思ったんです。歌詞もワンマイルとか、コンビニに行ったりピザを受け取ったりとかっていうことをそのまま書くより、もう少し自分のリアルな暮らしについて書いたほうが良いかなと思いました。いろんな人が楽しめる部分っていうのは既にお二人が担保されていたから、音楽は少し尖っても良いのかなって。
ー その制作過程の終盤に、新型コロナによる外出自粛期間があったわけですが、ルームウェアやワンマイルウェアの重要性もそこでかなり変わりましたよね。
YOSHI:そうですね。ぼくは2か月まるっと家にいて、仕事もするけど、時間が空くから本を読んだり映画を観たり、家のことを考える時間が増えました。ずっとTシャツに短パンでレコード棚をつくったり、エアロバイクを買ってみたり。
清永:俺も買った(笑)。昼間はテレビじゃなくてラジオを掛けて。自分で選曲しなくていいように。自分から選曲する生活だと、1日があんまり変わらないんだよね。ラジオだと最低限の情報も入ってくるし、時間が経つのもわかりやすい。テレワークしたりしつつ、18時になったら「よし! 晩飯だ」みたいな。エアロバイクは結局スタッフにあげちゃったんだけど。
Ryohu:(笑)。
清永:Ryohuくんは?
Ryohu:最近暑かったから、気に入ってるTシャツを部屋着にして、いつも短パンをはいてました。ちょうど自分の楽曲制作のタイミングで、コロナ前から外に出ることはあんまり多くなくて、自宅と2駅くらい離れたスタジオとの往復でした。部屋着も外着もあんまり変わらないけど、一応気分をシャキッとさせるために着替えてました。
ー でもミュージシャンだと、気を抜いているときでもファンの方に不意に声をかけられたりしそうですよね。
Ryohu:スタバで会計してるとき、若い男の子に「Ryohuさんですか!?」とかはありますね。ちょうどそのときは部屋着じゃなかったから良かったけど、油断できないです(笑)。
今回はたまたまコロナショックがあったけど、そうじゃなくてもこの発想は必然だったんだなと思ってる。(清永)
YOSHI:(笑)。でもRyohuくんにお願いしたのも、そういう生活スタイルが想像できたからだしね。
清永:ぼくは、“偶然か必然か”っていう言葉が好きなんですよね。今回はたまたまコロナショックがあったけど、そうじゃなくてもこの発想は必然だったんだなと思ってる。だからRyohuくんの曲ができて、歌詞を見ながら聴いたときに「おぉ!」と思ってアガったし。
Ryohu:ありがとうございます。曲できて最初の撮影がコロナの影響でできなくて落ち込んでたんですけど、最終的にはみんながポジティブになれるような曲と洋服になって、良かったなと思ってます。
ー 〈1MW by SOPH.〉のデザインについて、もう少しうかがってもいですか?
清永:最初につくったのはセットアップです。個人的に品質表示なんかのタグが肌に触れたり、邪魔に感じたりすることが多かったから今回は全部プリントにしています。本当は全部の服を無地にしようかと思ってたんですけど、ジーユーさんからのリクエストでロゴも盛り込みました。
ー さすがに匿名的すぎたんでしょうね(笑)。
YOSHI:(笑)。このグレーのパンツはアンダーウェアですか?
清永:トランクスに近いのかな。ぼくとしてはこれの下にボクサーとかは着てほしくないんだけど、荷物の受け取りくらいならこれ1枚で出られるかなと思ってます。ヨシロウくんって普段、日中って下着は何着てるの?
YOSHI:ボクサーパンツですね。
清永:俺も昼はボクサーパンツなんだけど、夜、風呂に入った後はユルいのに履き替えたいんだよね。締め付けられるのが嫌だから。それで、そういうときに着られるものをつくりたくて。
YOSHI:女性のワークアウトとかにも良さそうですよね。あと、子供服もめっちゃイイです。
清永:〈ソフ〉を始めて今年で22年になるんだけど、そうなると当時二十歳だった人も今は42歳なんだよね。「昔はバイトしながらたくさん服を買ってたけど、今はサラリーマンやってます」とか、「地元に帰ってて子供もいるから、もうあんまり服が買えないです」とかって人もいると思うんですよ。〈ジーユー〉と一緒になら、そういう人にも届けられるかなと思ったんだよね。そう言えば、Ryohuくんのお父さんっていくつくらい?
Ryohu:えっと、多分56、57くらいだと思います。
清永:へぇ~。今回仕事するにあたって「KANDYTOWN」もRyohuくんのソロも聴いたんだけど、Ryohuくんのお父さんと気が合うんじゃないかと思ったんだよね(笑)。曲の中に“世田谷区”って感じがすごく出てて、こんなお父さんの元で育ったんじゃないかな? って。地元はどこなんだっけ?
Ryohu:二子玉川の鎌田っていうところです。
清永:鎌田か。ぼくは砧公園の近くの岡本に7年くらい住んでたんだけど、思い返してみるとその頃からワンマイルウェアについてずっと考えてたんだよね。二子玉川までちょうどワンマイルくらいの距離で。あの辺、コンビニも全然ないからさ。
Ryohu:唯一あったコンビニも潰れましたもんね(笑)。
清永:「スリーエフ」ね。
YOSHI:それ、リリックに入れられそうですね(笑)。
清永:(笑)。ぼく、ヒップホップを演歌だと思って聴いてるところがあって、ローカライズされたラッパーが好きなんですよ。生まれたところの目線が生きてて、人間性が出ている気がして。
ー お三方は世代もライフスタイルも違いますけど、それぞれに共通する部分もあるのは面白いですね。
清永:そう考えると、なるべくしてなったのが、〈1MW by SOPH.〉だったのかなと思います。近いところにいたんだな、って。そうじゃなかったら、「スリーエフ」の話は出てこないもんね。
YOSHI & Ryohu:(笑)。
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