自分たちが本当に使いたいと思ったバックをつくること。
中央:LANCER BACK PACK ¥9,800+TAX
- ー〈テイケン エブリシング〉のコレクションはどれもソリッドなデザインが際立っていますが、これには理由があるのでしょうか?
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ポール:自分たちが使いたいバッグをつくったら、こうなったんだよ。我々が暮らすバンクーバーをはじめとするカナダのファッション・マーケットでは、洋服はもちろん、バックや小物類に至るまで、すべてにおいて選択肢が限られているんだ。
特にバックに関しては、どれもロゴが入っていたり、過度な装飾が入っていたりして、自分たちが使いたいと思えるアイテムが存在しない。仮にそういったアイテムがあったとしても、ラグジュアリーで値段が高いんだ。
- ーつまり、作り手と買い手のあいだに溝があると。
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ポール:その通り。そういったマーケットに対して我々は常に疑問を持っていた。バンクーバーでは人々の着こなしは洗練され、よりファッショナブルになっているのに、ショップに行けば大きなロゴの入ったバックしか置かれていない。我々はその問題を解消すべく〈テイケン エブリシング〉をはじめたんだ。
- ー細かなディテールやクオリティーに関してこだわりはあるのでしょうか?
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ポール:ルックスがクリーンかつクールというのは前提で、さらに機能的で使いやすいものを意識しているよ。ぼくは写真家でもあるから、常にラップトップは持ち歩いていたい。だからパソコン用の収納ポケットがついていたり、スマートフォンやサングラス、スナップカメラなど、小物類が整理できるような小さなポケットも機能として与えている。
SHERPA TOTE ¥8,500+TAX
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Gマン:ぼくらは旅が好きから、そういったシーンでの使いやすさも考えてディテールを考えている。いまポールが話したような多機能なポケットはもちろん、旅行中はワードローブが限られるから、そういった場面でシンプルなデザインというのは役に立つしね。
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ポール:あとは素材かな。メインのファブリックはナイロンが中心だけど、良質な生地を使っている。その証拠に、パーツには本革のレザーを使っているんだ。いまは本革と見間違えるようなフェイクレザーがあるけれど、品質がいいとはいえ、やはり偽物は使いたくない。細かなパーツだからといって手抜きはしたくないからね。
そういったことはカタログでも表現しているつもりだよ。多くの人々はファッションや派手なものに目を向けがちだけど、我々は小さくてシンプルな部分にもフォーカスしたいと常に考えている。〈テイケン エブリシング〉のバックのようにクリーンでクールなものをつくるにはそういった部分にもこだわらなければならないんだ。
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Gマン:これまでにぼくらはたくさんのバックを使ってきた。恐らく200個近くは使っていると思う。プライス、デザイン、機能など、さまざまな要素を見比べてきたからこそ、本当に“いいもの”の正体がわかるんだよ。
音楽、ファッション、アートに精通するGマンとポール。
- ーブランドの設立はいつごろなんですか?
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Gマン:ブランド自体は2016年の秋冬にスタートしたばかりなんだ。でも、実はそれまでに2年半程の準備期間を経ている。生地を探したり、生産工場を渡り歩いたりと、納得のいくクオリティーでアイテムをつくれるように足を動かした。
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ポール:Gマンは音楽業界に身を置きながら、実はアパレルブランドのディストリビューターもやっていたんだよ。90年代に〈ステューシー〉や〈エクストララージ〉といったストリートブランドをカナダに持ってきたのは彼なんだ。だからファッションビジネスに関する知識がゼロだったわけじゃないし、そういった経験が〈テイケン エブリシング〉にも活きているんだ。
- ー〈テイケン エブリシング(TAIKAN EVERYTHING)〉というネーミングには、どんな意味が含まれているのでしょうか?
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ポール:「テイケン(TAIKAN)」という言葉には「TAKE(=取る、取り込む)」という意味を込めている。これまでの経験や、世の中のいいものをTAKEするという願いも込めてこのネーミングにしたよ。
- ーポールさんとGマンさんはそれぞれどんな役割でブランドを運営しているんですか?
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Gマン:ぼくとポール以外にもメンバーがいて、それぞれ専門の得意分野を持っているんだ。例えばアートワークを専門としたスタッフがいたり、ブランドのHPを構築する技術者がいたりね。ポールとぼくはブランドのクリエイティブディレクター。だけどアイデアはみんなで出し合って、それぞれの意見を尊重するようにしているよ。
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- ーおふたりはこれまでにどんなカルチャーを通過してきたのでしょうか?
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Gマン:ぼくはもともとDJとして音楽に関わる活動を行ってきた。DJとしてのキャリアは15年ほどで、その前から音楽には携わっていたから業界には約20年ほどいたかな。その活動を通じて出会ったものが自分のルーツであり、ブランドのクリエーションを行なう上でのベースになっている。
ご存知の通り音楽はファッションやアートと密接な関係を持っているし、DJとして活動をするなかでさまざまな人やモノ、コトに刺激を受けてきたからね。
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ポール:ぼくはフォトグラファーとして活動してきた。写真も音楽とおなじで、ファッションやアートとは切っても切れない関係にある。
- ー具体的に影響を受けたものに関して教えてください。
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Gマン:ぼくはストリート・グラフィティが好きだよ。ネックフェイスというアーティストを知ってるかな? 彼は建物やなんてことない道端にグラフィックを描いて、そのものの価値を変える。今日も東京の街を歩いていたら、彼の作品を発見したよ。そのようにぼくは常に街を歩きながら、アートやデザインを探しているんだ。アートには、パッと見ただけではわからないストーリーが隠されていることが多い。そういったものを〈テイケン エブリシング〉でも表現できたらと思っているよ。
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ポール:我々にとってアートというものは、自分で探して得たものではなく、しかるべきタイミングによってもたらされるものだと思っている。はじめ見たときは理解できなかったはずなのに、あるときふとわかるんだ。だから、理解できないからといって追求しすぎるのはよくない。降って湧いたように、自然と理解できたものを享受するんだ。
我々がデザインをするときもおなじで、あまり考え過ぎず、直感を信じながらアイテムをつくっているんだ。アレもコレも、という感じで欲張ってしまってはいいモノはつくれないから。
バンクーバーの風土がクリエーションに与えてくれること。
- ーバンクーバーという街は、クリエーションにどんな影響を与えていますか?
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ポール:バンクーバーはとてもいい街だし、同時にクールな街でもある。
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Gマン:北アメリカの人々だけでなく、アジアやヨーロッパなど、たくさんの国の人々がバンクーバーにいて、さまざまな文化が街に根付いている。また都会的な景色がある一方で、豊かな自然にも恵まれているから、いろいろなシーンを考慮したり、いろんな人々の顔を思い浮かべながらクリエーションができるんだ。
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- ーつまり、創作活動をする上では申し分のない場所であると。
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ポール、Gマン:その通りだよ。
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Gマン:ここ数年、カナダ発の良質なブランドが増えてきていて、クリエイティブな文化が発展しているんだ。
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ポール:特にバンクーバーは、さっきGマンが話したようにさまざまな文化や景色が街の中にひしめいていて、クリエーションのサポートをしてくれる。例えばこれがロサンゼルスだったらどうだろう? 暑い日が毎日続いて、サングラスにTシャツと短パンとサンダルさえあれば充分。バックなんて必要ないだろ?
でもバンクーバーでは雨がよく降るし、街から少し離れただけでアウトドアを楽しめるフィールドが広がって、そこではさまざまなアクティビティーを楽しめる。多様性に富んでいるぶん、我々もさまざまなバッグをつくることができるんだ。
日本で本格ローンチを果たす〈テイケン エブリシング〉。
- ー今回東京に来日されて、感じることはありますか?
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ポール:実は東京に来たのは今回がはじめてなんだ。いままでニューヨークやロサンゼルス、ヨーロッパなど、いろんなところへ旅をしてきたけど、東京はすごくクールな都市だと感じたよ。無限のアイデアがここには存在すると思う。街の色使いや建築など、あらゆるものが刺激的でクール。特に東京の人々にはすごく感心したね。みんなファッショナブルだから。
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Gマン:ぼくはこれで3度目の来日になるんだけど、来るたびに新しく刺激的な経験をすることができる。東京は本当に魅力的な場所だよ。
- ーデビューシーズンは限られたショップのみでの流通でしたが、今シーズンから日本でも多くのショップで〈テイケン エブリシング〉のアイテムを手に取ることができるんですよね。
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Gマン:そうだね。まずはぼくらのバッグを実際に見て、その魅力を体感してほしい。そして実際に使ってくれたら、それ以上にうれしいことはないね。もし「ここをこうして欲しい」という意見があれば是非伝えてほしいな。それを日本の意見として取り入れて、どんどんアップデートしていこうと思っているよ。
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ポール:日本ではほとんどのひとがカバンを持っていて、自信を持つことができたよ。〈テイケン エブリシング〉のアイテムはきっと日本人のライフスタイルにマッチすると思うね。