PROFILE
1977年、長野県生まれ。スタイリスト坂井達志さんに師事し、2000年に独立。以後、雑誌や広告を主戦場に、幅広く活躍中。仕事柄、普段は都心で忙しくしている一方で、時間を見つけては登山へと出かけるというハイカーの一面も。
Instagram:@_naoki_ikeda
Air Chamber with OUTDOOR.




山に着くやいなや、〈ザ・ノース・フェイス〉のスタッフサックから、なにやら取り出した池田さん。スタッフサックをそれにジョイントさせ、おもむろに空気を送り込んでいく……。そう、これが今回紹介する〈ザ・ノース・フェイス〉の革新的プロダクト「エアチャンバーヌプシベスト」です。

どう見てもダウンが入っているように見える〈ザ・ノース・フェイス〉ベスト。中に詰まってるのは正真正銘、空気だけ。
「難しく見えるかもしれないけど、コツさえ掴めば簡単に膨らませる」と池田さんが言うように、ペラペラの状態からパンパンにするまで2分もかからない。約15回、空気を送り込めばもうパンパン。

ベストについた空気孔。この部分にスタッフサックを取り付けて空気を送り込む。オレンジ色の突起を押せば空気が抜ける。
池田さんは、使い方のコツをこう続けます。「最初は空気を入れ過ぎるほうがいいんです。その状態で着用して、自分の好きな膨らみまで空気を抜いていけば、好きなボリュームで着られます」


この「エアチャンバーヌプシベスト」。どうしても機能に目がいきがちだけど、池田さんのファーストインプレッションは“モード”でした。
「きっと光沢のある生地と膨らみ方で、モードな印象を受けたんだと思います。なので最初は、その印象を優先してベストの下に黒のハードシェルを合わせました。それはそれで、シャレ感が出ていてよかったです。着方によって、いろんな印象を与えられるアイテムということですね」。
そこから池田さんなりの最適解を探していくなかで行き着いた山のスタイルは、アウトドアでの活動を前提としながらも“機能に寄りすぎない”のがポイント。
「アウトドアで、機能的なベストを着るとなると、多くの方はパンツも、ベストの下に着るインナーも、機能に寄ってしまうと思うんです。もちろん、それも悪くないんですけど、ぼく的にはアウトドアで『エアチャンバーヌプシベスト』を着るとしたら、アメカジとも相性がいいと感じたんです。かと言って、普通のアメカジだとカジュアルになり過ぎる。なので今日は、アメカジを意識しながらグレーで統一しています。色を限定してあげると、ソリッドな印象を保てるんです」

この日はウールのパーカの上にフリースを1枚、その上に「エアチャンバーヌプシベスト」を羽織り、裏地がついたワークパンツとキルトスカート、それにワークブーツの出立ち。「想定シーンは冬のキャンプ」と池田さんが言うように、寒さも凌げる仕様に。「ここでパンツに黒を持ってくると、途端に機能的な見え方になるので注意」とも付け加える。
ほかにも、「エアチャンバー」を着こなすコツを教えてくれた。
「あまりにもパンパンにし過ぎると、どうしても全体のバランスが取りにくくなるんです。なので、それぞれに最良の膨らませ方があると思うので、まずはそこを探すところが大事。その具合さえ掴めば、普通のダウンとなんら変わらないので、とても使いやすいアイテムになると思います」


一方で、このベストにはダウンが入っていないわけだから「本当に暖かいの?」という疑問も出てくる。なんたって空気だけなのだから。
けれど、実は空気ってかなり高い断熱効果があり、体の熱を閉じ込めておくことができるし、外気を寄せ付けない。保温性タンブラーと理論は似ている。ダウンのような暖かさはないけど、体温は逃さないというわけ。
「今日の気候でダウンベストを着ていたら、きっと暑すぎたと思う。だけど『エアチャンバーヌプシベスト』は、ダウンのような見た目ではあるけど、着ていて暑すぎることはなかったです。暖かくないかと言えばそれも違って、油断してベストを脱ぐと、こんなに肌寒かったんだなって感じました。ちゃんと体温をキープしてくれているんだと思いますよ」
続けて池田さん。「ジップを締めれば、より暖かいし、実用的な見え方にもなりますよね。暖かさを重視するなら、空気をもっといれてあげてもいいかもしれない」


暖かさに起因するもうひとつが、このベストが「GORE-TEX INFINIUM」を採用しているということ。そのため防風性も高く、風を侵入させない。加えて、耐水性・撥水性を持っているから、多少の雨ならまったく気にならない。腕が濡れちゃうのは悪しからず。
「それにしても面白いアイテムをつくりましたね」と池田さんが舌をまくように、「エアチャンバー」はとにかくユニークで革新性に溢れるアイテム。アウトドアシーンだけではなく、街着としても落とし込める汎用性の高い代物です。
山をあとにし、次に向かうは、都会のど真ん中。
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