PROFILE
1997年生まれ、東京都品川区出身のメンバーを中心とした構成で、MCでもありビートメーカーでもあるリーダーのSart、DJ・MCのDaz、MCのBIG FAF、Weird the art、現在活動休止中であるSoloBright、さらにRyo IshikawaとHARUがバックDJを務める4MC2DJスタイルのHIP HOPクルー。2019年に1st EPとなる『AUTHENTIC』で鮮烈なデビューを果たし、翌年の2020年には2nd EP『Take Roots』をリリース。2023年1月には満を辞して待望の1stアルバム『THROW BACK LP』を発表。国内のビートシーンを代表する豪華なプロデューサー陣を客演に招き、シーンでの存在意義を揺るぎないものに。現在、次作となる3rd EPを制作中。
原体験は2000年代のHIP HOP。

右から、MCのBIG FAF(ビッグ・ファフ)、MC・DJのDaz(ダズ)、バックDJのHARU(ハル)
-「Flat Line Classics」の音楽性を語る際に、ブーンバップというキーワードを掲げる方が少なくはないかと思います。ただ、ブーンバップと一言で言っても、時代性や思想的に若干スタイルも異なり、広義的であると感じているのですが、みなさんのHIP HOPの原体験を教えてもらえますか?
FLC:ぼくらが好きで聴いていたHIP HOPというのが、リアルタイムではないですが、2000年代のHIP HOPだったんですよね。それこそDIPSET(The Diplomats)とかはよく聴いてて、こういう話になると、TRIBE(A TRIBE CALLED QUEST)以降、DIPSET以前っていうような言い方をしていますね(笑)。周りはもっと最新のヒットチューンとかを聴いていたはずなんですけど、ぼくらにとっての共通言語というか好みはその世代のHIP HOPだったんです。少なからずそうした音楽から影響を受けているので、ブーンバップと形容されることが多いのかなって思いますね。
-となると、そうした音楽での共通言語を介して、「Flat Line Classics」は結成されたのでしょうか?
FLC:いまのMCの面々が幼馴染で、もともと仲がよくて。学校でお互いが好きなHIP HOPの話とかをするような関係性でした。それに、『高校生ラップ選手権』の影響だったり、当時は『フリースタイルダンジョン』が始まったばかりのタイミングということもあって、地元でもサイファーが盛んだったんですよね。それで思い切って参加してみて、自然とラップをするようになりました。
ただ、フリースタイルだけじゃなく、もちろん音源も好きだったので、自分たちでも作品づくりをしようと、自然とビート制作やレコーディングをするようになっていって。それでいくつか音源が完成した頃に、BIG FAFの叔父が参加しているイベントからオファーをもらって、いざ初めてライブをすることになったんです。そのときにクルーネームが必要ってことで、「Flat Line Classics」を名付けたっていう経緯ですね。


左:シグネチャーヴァーシティジャケット(BROWN) ¥69,300、右:ヴァーシティジャケット(BLACK)¥91,300
-バックDJでもあるHARUさんやRyo Ishikawaさんもその頃からクルーのメンバーとして共に活動していたのですか?
FLC:HARUはSart、Dazと高校が一緒だったんです。彼女はぼくらとは別でDJ活動をしていて、「Flat Line Classics」を結成した頃に再会して。当時はDazがDJをしながらラップもしていたんですけど、やっぱり専任でいた方がいいので、ライブなどのDJを彼女に依頼しました。
ただ、HARUはDJ以外にもスタイリストのアシスタントをしていたりで多忙だったのと、それぞれのソロ活動が盛んになっていくことを想定したときに、もう1人バックDJがいたら安心だなと。そう思って、DJを探していた頃にたまたま出会ったのがRyo Ishikawaで。普段よく遊ぶ場所だったり、音楽の趣味も合って、バイブスも良かったので、一緒にやっていくことになったんです。
-現在4MC2DJということで、シーンの中でも割と大所帯のクルーですが、作品制作などで意見交換をする際に苦労することも多いんじゃないですか?
FLC:そうですね。クルーとしては元々気の合う仲間たちで始めたという経緯もあるので、特段ストレスがあるわけではないですけど、それぞれにポリシーやこだわりを持って活動しているので、制作面ではみんなの意見をまとめるのが大変ですね。ぼくらの場合、音源制作はコンセプトの設定から曲のイメージのリファレンス、ビート選び、それに適したプレイヤーを配置していって、全体の構成へと繋げていく形で進めているので、それなりに時間はかけていて。Sartが中心となりながらも、それぞれのアイデアをバランスよく汲み取りながら制作していますね。
