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FEATURE
過去から未来へ。さまざまな点と点が繋がった、ネクサスセブンとレベル ドレッド ハードウェアのコラボレーション。
Do You Know Don Letts!?

過去から未来へ。さまざまな点と点が繋がった、ネクサスセブンとレベル ドレッド ハードウェアのコラボレーション。

人生とは奇妙なものです。過去から現在において、我々はさまざまな出会いの中でいまを生きています。今回の〈ネクサスセブン(NEXUSⅦ.)〉と〈レベル ドレッド ハードウェア(REBEL DREAD HARDWARE)〉のコラボレーションも、多くの出会いを経て生まれてきました。ひととの出会い、古着との出会い、音楽との出会い。そのどれもが欠けてはならなかったように思います。それを繋げたのが、ここに描かれるドン・レッツという人物。彼は一体何者なのか? コラボレーションの仕掛け人であるふたりの証言から、その正体を紐解きます。

ボンテージを穿いて、鋲ジャンを着て、髪はドレッドで。

ー今回おふたりがドン・レッツをフィーチャーしたアイテムをリリースするということで、彼のことについてもっと教えて欲しいです。

Hatchuck: 今年の5月にドンと一緒に〈レベル ドレッド ハードウェア〉っていう服のブランドとしてスタートしたんですけど、ぼくはもともと彼のファンだったんです。〈ステューシー〉のパーティで繋がって、それからずっと連絡を取り合っていますね。ドンが日本に来たら一緒に遊ぶし、その逆もまた然りで。そういう付き合いがもう18年以上続いています。

Hatchuck: ドンが素晴らしいなと思うのは、いつもオープンマインドなところ。クラッシュが、ライブに来たファンを構わず楽屋に入れてたっていうエピソードがあるけど、そんな感じで誰とでもフラットに接するひとなんですよ。

ーロンドンにかつてあった「アクメ・アトラクションズ」のスタッフだったんですよね。

Hatchuck: パブリック・イメージ・リミテッド (PUBLIC IMAGE LIMITED ※以下、P.I.L)の元メンバーで、現在ラフ・トレード・レコードの社長のジャネット・リーと一緒にドンが運営していたお店です。ヴィヴィアン・ウェストウッドとマルコム・マクラーレンの「SEX」から400メートルの距離に同じタイミングでオープンして。「アクメ」には、セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュのメンバーとして知られることになるパンクス達が、ドンが爆音でプレイするハードコア・ダブレゲエ聴きたさに集まってくるサロン的な雰囲気だったそうです。

Hatchuck: ドンが、クラッシュやピストルズ、それにスリッツとか、みんなが知っているイギリスのパンクシーンにレゲエを持ち込んだことにより、様々な化学反応が起きた。当時は白人しかいないパンクのコミニティに、ジャマイカ系の彼ひとりいたんです。ボンテージを穿いて、鋲ジャンを着て、髪はドレッドで。レゲエやパンクなどの「音楽」と「反体制」というスタンスが、パンクスとドンとの共通項だったそうです。

パンクは労働者階級の反抗からはじまった音楽で、彼のルーツであるレゲエも反抗が根底にあるレベルミュージックじゃないですか。そこでふたつのジャンルが出会って、クラッシュが音楽にレゲエを取り入れたり、縦ノリだったピストルズ(ジョン・ライドン)がダブレゲエに大きな影響を受けたP.I.Lのようなサウンドを築き上げたりして。そのポイントにドン・レッツがいるんです。いま現在のクラブミュージックにはダブの影響やPILのような音楽の影響が顕著に感じ取れるじゃないですか? その起点にいた人物という意味でも重要じゃないかなと思います。

ー今野さんはドン・レッツの存在をご存知でしたか?

今野: ぼくは先ほど話に出たBADから知りました。赤いコーデュロイのキャップがあって、そこに「BAD」って描いてあったんですよ。どこでそれを見たのか覚えてないんですけど、バンドの存在を先輩に教えてもらって、その後に〈ステューシー〉との接点も知るんですけど。

ーそこで点と点が繋がるわけですね。

今野: 千葉で「フューチャーテラー」っていうパーティがあって、そのオリジナルメンバーのRyosukeさんという先輩がいるんですけど、彼にBADのレコードを聞かせてもらったんです。もともとUKの音楽は疎かったんですが、BADがきっかけで深く知りたいと思うようになって。

Hatchuck: おもしろい音楽性だよね。ヒップホップのサンプリングの手法をロックに持ち込んだグループ。その後にビースティ・ボーイズとかがいるけど、その先駆けというか。ドンが撮影したフッテージで、デビュー前のビースティがBADのNYCのライブの打ち上げでフリースタイルしているのを見せてもらったことがあります。映画のセリフとかを曲の中に混ぜたりして、それをドンがプロデュースしていたんですよ。

ーずっとプロデューサー的なことをやられていたんですか?

Hatchuck: 全体をどう見せるとか、どういう切り口でサンプリングをするかとか、そういうことを考えていました。彼は映像作家でもあるんです。それでずっと活動を続けていて、最近は毎週海外でDJしているみたいですね。ようやく世間に知れ渡ってきたというか。67歳にして初のソロアルバムを出すくらいだから(笑)。

だけど、本当に広くて深い知識を持っているひとですね。政治も音楽も映像もファッションも、すべてに目を配っていて。それをクリエイティブにアウトプットしているというか。

INFORMATION

NEXUSⅦ. × REBEL DREAD HARDWARE

販売:2023年12月8日(金)12:00〜16:00
2023年12月9日(土)12:00〜17:00
レセプション:2023年12月8日(金)18:00〜21:00
場所:V.E.L.
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-5
Instagram:@nexusvii.official
www.nexusvii.jp

REBEL DREAD HARDWARE

Instagram:@rebeldreadhardware
www.rebeldreadhardware.com

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