素材のミックスによって生まれる、着こなしの豊かな個性。
秋の雨は長雨になることが多いそう。連日の酷暑を耐え抜いたあとに、それをゆっくりと冷やすように降り続く雨。サウナに入ったら水風呂に浸かるように、秋雨は夏の火照りに涼をもたらす整いの雨なのかもしれません。
そんな季節に必要な服は、やっぱり防水性能の高いレインウェアに限ります。肝心なのはその着こなし方。ただ単純に1枚で着るだけでは味気ないから、ゴアテックスのジャケットをインナーに、対照的なコットンのニットをアウターとして合わせてみる。一見すると、定石から外れたアウトローな着こなしですが、首元のボリュームがファッションのおもしろさを伝え、違和感のある異素材の組み合わせが個性のある着こなしを完成させます。こうした遊びの効いたコーディネートを楽しめるのは、ひょっとすれば秋雨の季節だけかもしれません。
めまぐるしいスピードで進化するアウトドアウェア。その技術はファッションのものづくりにおいてもたくさんの選択肢をもたらし、デザインの可能性を押し拡げます。ウィメンズのスタイリングでセレクトしたのは、透け感のある素材を使用したレインジャケット。この透明感がインナー選びの楽しさを増幅します。
合わせたのは起毛感のあるフリースと、コットンナイロンのロングシャツ。異なる素材でもセットアップのようなまとまりを感じるのは、色のトーンを合わせているから。アウトドアウェアを基調としたスタイルですが、足元はフロントにファスナーがついたブーツでモードな要素もプラスして、都会に馴染むコーディネートに仕上げているのもポイントです。
ITEM01
マムートのシェルジャケット
2レイヤーGore-Tex素材のシャキッとした生地の質感は、強い雨や風といったあらゆる悪天候から着用者を守り、着こなしを硬く、シャープに仕上げます。調理欲を刺激する赤いカラーリングも魅力的。どうやってコーディネートしようか、さまざまなアイデアが脳内を駆け巡ります。
ITEM02
アンドワンダーのレインジャケット
ヴィヴィッドなカラーリングが多いレインウェアの中で、透け感のあるシェル素材を使った稀有な1着。アウトドアを目的としたプロダクトにも関わらず、どこかモードな香りがするのは、この半透明な素材がもたらす所業です。シアーな質感ですが、3レイヤーの防水生地というのもポイント。
ITEM03
マックロのテックコート
ブランドオリジナルの「ultimex」と、高機能ファブリック「サイトス」を貼り合わせた防水、耐水、防風に優れた素材。それをレインコートとして仕立てた1着は、さりげなくテクニカルなところがいい。長い着丈が都会的なムードを漂わせ、雨じゃない日でも街に溶け込みます。
ITEM04
ザ・ノース・フェイス バックマジックのトートバッグ
1000デニールのリサイクルポリエステルを一部使用し、TPEファブリックラミネートを施した高強度の生地は、濡れや汚れに強いだけじゃなく、見た目も屈強。物を入れてないのに自立するほどです。こんなバッグを手に入れたら、あえて重たい荷物を入れて持ち歩きたくなります。
風の強い秋の日。ビューっと吹く風によって、木々の葉が宙を舞います。晩秋から初冬にかけて強く吹く北風。それを“木枯らし”と日本人は名付けました。この季節に多くのひとが哀愁を感じるのはどうしてなのでしょうか。
クラシックなコートは、そんな感情に寄り添うように心身を暖めてくれます。ウールのギャバジンで仕立てたコートに、タートルネックのニットを合わせるのは、この季節のお決まりの組み合わせ。でも、そのあいだにデニムジャケットを挟むことで、ボトムの選択肢が広がります。
普通ならデニムやチノ、あるいはスラックスを合わせるところに、テクニカルな素材のカーゴパンツをセットして、クラシックなスタイリングに遊びの要素をプラス。さらに、キャップはフリース、シューズはスエードと、素材の掛け算がコーディネートに奥行きをもたらします。その方程式を成立させているのは、色の統一感によるところ。気づけば哀愁なんてどこ吹く風。木枯らしを楽しむ着こなしの完成です。
葉っぱが風に舞う景色にはブラウンの服が似合います。キルティングとコーデュロイによる素材のコンビネーションは、ブリティッシュカントリーの装い。首元から差し込む赤いニットが、そんな着こなしのアクセントになり、コーディネートを引き締めます。
そこにキャップとスニーカーを加えてスポーティに仕上げている、というと決まりが良いですが、実はもうひとつ隠し味があるんです。それがバッグのチェーン。クラシックなレザーストラップではなく、シルバーのチェーンにすることで、モダンな洒落っ気が生まれます。こうした細かい素材に目を向けることもスタイリングの楽しみのひとつ。
ITEM05
レショップ×バトナーのリブニット
国内屈指のニット産地として知られる山形。そこで編まれるコットン素材のリブ編みニットは、しっとりと柔らかな肌触り。そのクオリティは、さまざまなメゾンブランドやアパレルメーカーが惚れ込むほど。身体のラインに沿う美しいシルエットは、シーズンを超えて末長く愛用できます。(※実際の製品はネック部分が折り返し仕様に変更になります。)
ITEM06
メゾンキツネのキルティングジャケット
中綿入りのふかふかと暖かなキルティングジャケットは、ゆったりと大きめなサイジングも相まって、装いを柔らかく印象付けます。キルティングの刺繍にもぜひ注目を。よく見ると花柄が縫い込まれ、さりげないギミックが心にささやかな高揚感をもたらしてくれます。
ITEM07
ミノトール インスト.のジャケット
現代の生活における快適さを追い求めてデザインされたリラックスシルエットのジャケット。シワになりづらく、摩擦にも強くて、ウォッシャブルな素材は、機能的なのに風合いはあくまで自然。普段の生活にさりげなく取り入れるテックウェアとして、もってこいの1着です。
ITEM08
アディダスのスニーカー
スエードのアッパーによって、ラグジュアリーなムードをまとう1足。深いネイビーの色合いは品性を、ピンクとミントグリーンの珍しい組み合わせは遊びと主張を足元にもたらします。そして、起毛感のあるスエードは履きこむうちに足に馴染み、革の色味や毛並みで経年変化も楽しめます。
雪の季節はファッションを楽しむ余裕がなくなりがち。いつものアウター、いつものニット、それにいつものパンツを合わせて、とにかく暖かく快適に過ごせれば…なんて思っていませんか? でも、冬の街は雪化粧をまとっているから、自分たちも着飾っておしゃれを楽しみたいものです。
銀雪という言葉があるように、雪は白ではなく銀色に例えられることがしばしばあります。それを表現するように取り入れられたシルバーのパンツ。トップスにはデニムシャツやボアジャケットをミックスして、ウエスタンな要素をほんの少し。未来的な素材と牧歌的な素材の巧みなペアリングによって、新しさと懐かしさを同時に味わいましょう。仕上げはアウター。オイルが染み込んだワックスコットンのジャケットは、さまざまな要素が組み合わさった着こなしに大人っぽさと落ち着きを与え、装いを紳士的にまとめます。
そして、ウエスタンの要素はウィメンズのスタイリングにも引き継がれています。甘編みの赤いニットと、西部劇を彷彿とさせるピンストライプのスラックス、ウエスタンバックルを使用したベルトで、どこかマニッシュな雰囲気に。そうしたベースがありつつも、首元からのぞくベロアのトラックジャケットが、着こなしを一気にモダンなものへと変化させます。コートはあえてシャギーなものをチョイスして、インナーの硬さを柔らかく包みこむのもテクニックのひとつ。コーディネートの色調をグレー系で整えつつ、雪化粧をまとう街の景色との一体感も生み出しています。
ITEM09
F.C.レアルブリストルのパンツ
まるで宇宙服のように銀色にまぶしく光るパンツは、れっきとしたトレーニングパンツ。サイドにはベンチレーションをしっかりと設けているので、通気性も抜群です。メタリックな質感は昼よりも夜によく似合う。ネオンが輝く時間の繁華街に穿いていきたい1本です。
ITEM10
ファーストハンドのコート
ひと目見た瞬間から暖かさを感じるシャギー素材。その感触を確かめるために手でサラサラと触れたくなるような、好奇心を刺激するテクスチャーが冬のスタイリングを豊かに彩ります。大人の落ち着きを感じさせるグレーのカラーリングも、いつもの着こなしにスッと馴染むはず。
ITEM11
ラングラーのボアジャケット
コットンとポリエステルで織られた中畝のコーデュロイ素材は、しなやかでありながら、タフさも感じるハイブリッドな質感。一方でライニングのボアはカラダを優しく暖め、中と外で異なる働きをしてくれます。長年受け継がれているクラシックなデザインも秀逸です。
ITEM12
エンダースキーマのニットキャップ
手軽に素材感を取り入れたいときはアクセサリーを手に取るのがいちばん。ニットキャップは、その中でも最たるアイテムのひとつです。耳当てとストラップが着こなしに暖かなニュアンスをプラスするひと品は、コーディネートのアクセント役にぴったり。ちなみに、バッグとしても使えます。