ここ数年、世田谷線の若林駅から上町駅にかけて、カルチャー系のショップが多数オープンしました。何に端を発したのかはわかりませんが、おかげで土日は、刺激を求める若者たちがこぞって集まる街に。
そんな折、新店オープンの報せが。店名は「カイロ(CAILO)」。世田谷の街がさらに盛り上がる予感がします。
日常の中で回遊するように、人とモノが交差する場をつくりたい。そんな思いから生まれた「カイロ」は、1階に“食”、2階に“衣”の空間を構える2フロア構成の店舗です。 時間は朝9時から夜22時までと、世田谷民の生活に寄り添う営業形態。地域に根差しながらも、訪れるたびに新しい出会いがあるような場を目指します。
1階には「惣菜民味(そうざい・たみ)」が店舗を構え、創作家庭料理とアルコールを提供します。 季節の食材を活かした惣菜はもちろん、お酒との相性も考えられたメニューを展開。「朝からお酒が飲める惣菜屋」という裏テーマのもと、憩いの場を目指します。また、「GOOD BYE BAKE」の焼き菓子も販売します。すべてテイクアウトが可能なので、晴れた日には近くの緑道や馬事公苑なんかでピクニックをするのもいいかもしれません。
2階は、国内ブランドを中心にセレクトした衣料を展開し、展示やポップアップなども行う多目的空間。 ショップ独自の視点で、いま良いと感じるモノやコトなどを発信します。2フロアを”回遊”できるような企画も予定しているそうなので、1階でお腹を満たした後に2階で服を見る、なんていう素敵な休日も叶うでしょう。
取り扱いブランド:
O- / gourmet jeans / crepuscule / Marvine Pontiak shirt makers / bagjack / Homeless Tailor / HEALTH / COTTON PAN / bocodeco / GA SA TANG
訪れるとわかるのが、そのこだわり抜かれた内装。出来合いの家具や什器で揃えるのではなく、このショップのためにわざわざこしらえているからこそ、一歩踏み入れればその世界観に圧倒されます。
全体の店舗デザインを担当したのは、建築とグラフィックのデザインユニット「ラフ(LAF)」。随所に散りばめられたそのこだわりを見ていきましょう。
カイロを語る上で欠かせないのが、この階段。元々店舗奥にありましたが、1Fと2Fを「回遊」できる動線を考え、手前に螺旋階段を新設。しました 階段の裏にはキッチンスペースを確保し、1F全体が見渡せる開放的な空間に。
正面入り口には、大きな窓枠を2つ設置。空間が分断されすぎないよう配慮し、内外どちらからも視認しやすい大きさに仕上げました。また、正面入口の取っ手は木工作家・盛永省治氏による一点もの。素材の温もりと職人技が感じられる取手が、訪れるひとを優しく迎えます。
入って右手には高知県産の大木カウンター。奥のカウンターは、東京都荒川区に制作場を構える「大橋左官氏」のコーヒー豆を混ぜ込んだ左官で制作されています。
アイコニックなスツールは、高知県産の大木を加工したオリジナル。チェーンソーでひとつずつ成形し、移動型にすることにより、この空間での自由度を上げました。最大で15席弱あり、カウンターでひとりで楽しむも良し、複数人でスツールを自由に動かしてワイワイするも良し。好きに楽しめるのが嬉しいものです。
螺旋階段をのぼり2階へ行くと、左官と塗装のみで仕上げたホワイトキューブ空間が広がります。中央には1階同様に大木カウンターを設置し、こちらは〇と□にくり抜いています。 試着室の建具は、1階の取手と同じ盛永省治氏によるもの。
世田谷通り側と裏手側の2面に窓を設置し、風通りの良い空間に仕上げているほか、裏手に小さなテラスを設けているから全体的にひらけた印象です。
年に2回のボロ市では、ひとがごった返して賑わう世田谷近辺。しかしボロ市のない日常も、趣向を凝らしたさまざまなショップが出迎えてくれます。「カイロ」もそのひとつになるでしょうし、他とは一線を画すこだわりと心地よさで訪れるひと楽しませてくれるはずです。
オープンは明日6月28日(土)から。ぜひお立ち寄りを。
CAILO
グランドオープン:2025年6月28日(土)
営業時間:9:00〜22:00
住所:〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1丁目21-8
電話:080-2669-0741
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