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連載【アフロジャパニーズブルース。〜奇才デザイナーの世界物見遊山〜】Vol.7 アフリカいち温厚!? さまざまな文化が交差する、美しい青と白の国、チュニジア。

ブラックカルチャーに魅了され、その情熱を〈ラムロフ(Lamrof)〉というブランド、そしてアフリカンジュエリーレーベル「AFLOGICAL JEWELRYS」へ惜しみなく注ぎ込むファッションデザイナー・シャーリーこと坂本大輔氏。

さらに近年では、以前より運営していたアメリカのミッドセンチュリー期のアイテムを中心にした雑貨レーベル「EARTHY ANTIQUES」もアフリカ雑貨をメインに方向転換させるなど、さまざまな角度から自身が愛するブラックカルチャーを表現しています。

“アフロ〇〇”とは、アフリカ由来の、という言葉。そういう意味では坂本氏は、日本人でありながらアフリカにルーツを持つ“アフロジャパニーズ”というわけです。

この連載では、坂本氏が実際にアフリカを中心とする世界各国を放浪するなかで見てきたヒト・モノ・コトを彼のフィルターを通してご紹介。彼の目に映るブラックカルチャーとは、そしてそれをどのようにプロダクトに落とし込んでいるのか、ありのままの坂本氏と彼が魅了されたブラックカルチャーのリアルを、実際の写真と坂本氏の生の声でお届けします。

Photo_Sha-Le(Daisuke Sakamoto)
Edit_Naoya Tsuneshige


PROFILE

シャーリー(坂本大輔)

2022年よりファッションブランド〈ラムロフ〉をスタート。ジャズやソウルやレゲエなどのブラックミュージックを好み、アフリカ系アメリカンをはじめとするブラックカルチャーの歴史と文化に敬意を払ったコレクションを展開する。2024年からはアフリカンジュエリーレーベル「AFLOGICAL JEWELRYS」、アンティーク雑貨レーベル「EARTHY ANTIQUES」も始動。どっぷりとブラックカルチャーに傾倒し、それをより多くのひとに届けるために日々奮闘中。根っからのサッカー好きでもある。
Sha-Le Instagram:@8_shale_8
Lamrof Instagram:@lamrof_official
Aflogical Jewelrys Instagram:@aflogical_jewelrys
EARTHY ANTIQUES Instagram:@earthy_antiques

どこもかしこもアラビア語。

前回の旅からおよそ半年後。坂本氏が次なる旅の1箇所目に選んだのは、地中海とサハラ砂漠に面する北アフリカの国・チュニジアです。

主言語はアラビア語とフランス語。アフリカのなかでも特に国際的で、さまざまな文化が入り混じるこの国に自身の活動に通ずる点があると、ずっと気になっていたという坂本氏。

チュニス・カルタゴ国際空港に到着したのは、現地時間で21時頃だったようです。

「はじめての国に降り立ったときの高揚感というのは何にも変え難い。これがやっぱり旅の醍醐味だし、病みつきになる理由ですね」

「初日は遅い時間の到着だったので、首都・チュニスの旧市街近郊のホテルへタクシーで移動しチェックイン。晩御飯を食べて初日を終えました」

「チュニジアといえば青と白の世界が有名で、観光地としても人気の国。だけど夜の街はオレンジの街灯がどこか不気味で、イメージとは程遠い印象でした」

2日目はチュニスのメディナ(旧市街地)のマーケットをひたすら散策した坂本氏。メディナといえば、ヨーロッパ風の近代的で洗練された新市街とのコントラストが印象的で、7世紀に建設が始まった旧市街。

伝統的なアラブを感じられる特異なエリアで、1979年には世界文化遺産に登録されています。

直径約1kmの楕円形のなかに街がつくられていて、首相官邸や国立図書館などの官庁街がある一方で、庶民の生活の場にもなっている、まさしくさまざまな文化や生活が入り混じっている空間。

長年の経験による嗅覚でこのエリアを選んだ坂本氏、その読みは間違っていなかったようです。

「モロッコなどと同じで、要塞に囲まれた場所はマーケットになっているだろうと思ったんです。やはりその読みは合ってて、あえてメディナの近くにホテルを取ったのは正解でしたね。スムーズにマーケットに行くことができました」

「実は〈ラムロフ〉の25AWのコレクションはアラビア語をキーワードにしているんです。どこもかしこもアラビア語の看板だらけで心が踊りましたね」

「アラビア語でブラックミュージック(JAZZ、SOUL、FUNK、REGGAE、GOSPEL)を意味する単語をランダムに、フォントをそれぞれ選定し配置したスエットやTシャツ、モロッカンラグ柄をメインモチーフに胸元にシーズンテーマでもある「Essaouira(アラビア語で“美しいデザイン”)」を施したプルオーバーシャツなどを展開しています」

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シルバーの美しさと、温厚なチュニジア人。

メディナのひとの雰囲気についてもこう続けてくれました。

「客引きやディーラーが全くしつこくなかった。これ、アフリカではかなりレアですね」

「とても感じの良いひとが多く、トルコやエジブトを含めた中東エリアに訪れるのはこれで4カ国目ですが、チュニジアのひと達が最も温厚と言っても過言ではないかもしれません」

「肝心のマーケットの中身はというと、チュニジアのアンティークシルバーの専門店があったり、チュニジアン(主にベルベル人)スタイルのシルバーを扱っているディーラーがいたりと、それなりに見応えはありました」

「実際に買い付けたアイテムはこんな感じです」

夜の不気味な印象とはうってかわって、昼間のチュニジアの美しさに心を奪われたという坂本氏。このように語ってくれました。

「チュニジアといえば“タイル”というイメージでした」

「やはり写真で見るのと実物を見るのとでは全然印象が変わり、古代ローマ時代の面影が色濃く残る建造物と、世界一と称されるチュニジアンタイルでつくられた建物はとても美しかったです」

この日はこれにて終了。翌日からのアート散策に備えて、ゆっくりとホテルで眠ることにした坂本氏。

どんな出会いが待っていたのか、次の“アフロジャパニーズブルース”もお楽しみに!

INFORMATION

Sha-Le:@8_shale_8
Lamrof:@lamrof_official
Aflogical Jewelrys:@aflogical_jewelrys
EARTHY ANTIQUES:@earthy_antiques

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