日常にある“仮設建築”の美学。写真家・濱田晋のエキシビジョンがみどり荘ギャラリーで開催されます。

写真家・濱田晋さんが手がけるプロジェクト「HAMADA ARCHITECTS™」による展示「Embody/Photograph/Moment」が、9月12日（金）から21日（日）までの期間に渡り、中目黒の「MIDORI.so Gallery」で開催されます。

このプロジェクトのはじまりは2022年。プロトタイプの制作・販売、フリーペーパーの発行、対話という3つの要素を軸に、濱田さんがさまざまな手法を通して行う思考実験です。

3度目となる今回の展示はこれまでとは異なり、友人や廃業した店舗から譲り受けた廃材を使用して“即興でつくる/撮影する/解体する”というサイクルを記録した写真を軸に構成。日常にある仮設建築の美学を、独自のフィルターを通して表現しています。

エキシビジョンの開催を記念した作品集も出版予定とのことなので、こちらもお見逃しのないよう、ご注意を。

最後に、濱田さんから届いたコメントをご覧ください。

2022年、路地裏で名のない造作物を見つけたことがきっかけでした。どこにでも手に入りそうな最低限の部材で組み上げられたそれは、ときに物置に、雨宿り屋根、即席の立ち飲み場にもなり得ていました。「あるものでやってみる」「使い方はひとつとは限らない」「あるがままでよい」。この見立ては頭の中でさらに飛躍し、社会が強いる個性の均一化、合理的であることに抗うアティチュードがかたちになったようにも思えました。自分もこの名のない造作物に倣って、生活から生まれる自身の疑問や考えを発信・共有することができるのではないか。HAMADA ARCHITECTS™はそうして始動しました。写真やドローイング、散歩や社会学、路上販売や物々交換、先人の言葉から独り言まで。すべて混ぜながら進む、緩やかなアナキズムです。　濱田晋/SHIN HAMADA