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連載【マイナーグッド図鑑】VOL.13 ポロじゃない冬のラコステ。

王道ブランドの定番品はやっぱりいい。定番と言われるだけあって歴史があるし、信頼できるスペックもあって、何歳になっても飽きない。でもこれはちょっと天邪鬼なひとに向けた連載企画。あのブランドの、実は知られていない、けどグッとくるものを紹介します。第13回目は〈ラコステ〉のマイナーグッド。

Photo_Arata Suzuki
Styling_So Matsukawa
Text&Edit_Yuri Sudo


〈ラコステ〉の定番と言えば、夏はポロシャツ。冬はカーディガン、それからニット。最近では80年代、90年代のものが古着市場で人気を集めているという話も。

いずれもシンプルな単色のボディにワニロゴが映える、エレガンスなアイテムばかりです。大体のひとがイメージする “ラコステらしさ” がそこにはありますが、今年の冬はひと味違う。こんなあったか〜いものがリリースされるんです。

ミックスカラーローゲージニットジップセーター ¥39,600
※10月発売予定

山小屋とシチューが似合うこちらのジップセーターは、ざっくり編みのローゲージで、ミックスカラーのリラックスフィット。“らしさ” をいい意味で崩しています。ウールとナイロン、ビスコースをブレンドした素材で、適度な弾力があり、それでいて柔らかいんです。

ブランドのキーカラーであるグリーンを基調としながらも、襟、袖口、裾にはさらりとブルーのラインをあしらいました。このひと手間があるとないとでは大違い。

ミックスカラーに埋もれるワニロゴもなんとも新鮮です。

アルパカブレンドボーダーニットカーディガン¥27,500
※10月発売予定

先述の通り、冬の〈ラコステ〉では単色カーディガンが定番。それに加えフレンチシックなボーダーのカーディガンも多く見られます。白赤黒の、ピッチ幅がきれいなタイプの上品なボーダーです。

しかし今季は配色が斬新。ネイビーをベースに、ライムイエロー、ピンク、カーキのラインが走ります。シルエットも相まり、とてもモダンな仕上がりです。

素材はナイロンとウール、アルパカのブレンドで、毛足を立たせたふわりとした触り心地。ボーダーに挟まれるワニロゴも愛くるしいですね。

シャンタコランドスケープジャカードセーター¥34,100
※11月発売予定

ニットの柄でこんな穏やかな気持ちになることがあったでしょうか。描かれているのは、バスク地方のシャンタコの景色。創業者であるルネ・ラコステゆかりの地で、美しい自然風景と広大なゴルフコースで有名なんです。こういう柄の場合、緻密なタッチだと主張が強く、着るのがやや憚られますが、ゆるやかなタッチなので親しみやすさがあります。

素材は、ナイロンとウール、アルパカのブレンドで、毛足を長めにしてモヘアライクに仕上げています。5ゲージと肉厚で、スタイリングの主役になる存在感です。

ワニロゴはというと、向かって左裾にちょこんと配されています。

洗練されたイメージがある一方、これほど遊び心に溢れたアイテムもあるなんて。どこから端を発しているのか考えてみると、創業者のルネ・ラコステにたどり着きます。

彼は、ポロシャツを発明するだけではなく、ポロの定番・鹿の子素材も自ら開発したと言われていて、さらに木製ラケットに代わるスチール製のラケット、ガッドの振動を抑えるダンパー、テニスボールマシンに至るまで、全てを自らの手でつくったそう。当時としては革命だったとか。

テニスというルールや規範の厳しいスポーツをしている傍、型破りなアイデアを次々と生み出す。そのギャップこそルネ・ラコステという人物で、今の時代にも大切に受け継がれているところなのかもしれません。

ロケ地メモ:ある編集者の自宅。ベッドに無断で座ったひとは出禁らしい。

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